BOXING観戦日記

WOWOWエキサイトマッチなどの観戦記

WBA世界Sフライ級王座統一戦 

2013-05-07 01:46:16 | Boxing
正規王者 河野公平 VS 暫定王者 リボリオ・ソリス

ソリス 2-0判定勝利

考察 ~ソリス~

試合前のインタビュー映像などから察せられる少々イカレ気味のメンタルは
実際の試合では、黒人選手にありがちなメンタルの弱さに転化した。
明らかに河野のラッシングに手を焼いたというか、
うんざりした表情を随所で見せていた。

ラテン系特有の柔軟さとパンチのしなやかさ、
連打になった時の軽やかさは見せたが、どれも及第としか言えず。
かつて日本で猛威を振るい、先日ベガスで見事沈んだA・ムニョスのような
脅威は一切感じない。

判定を聞いた瞬間の呆然とした表情、
その後に涙とともにリング中央に座り込んだ様から、
本質的に悪童ではないと思われる。

亀田兄弟と契約を結べそうなのか、それともTV局用のコメントか。
いずれにしろ短命王者に終わる予感が大。

ちなみに管理人採点では113-113のドローだったりする。


考察 ~河野~

ジャブ禁止令でも出ていたのか?
12ラウンド通じて撃ったジャブは30発程度か?
河野と陣営には「左を制する者が世界を制す」の格言を思い出して欲しい。

河野の試合で見るたびに思うが、前進あるのみのスタイルは改めて欲しい。
とにかくジャブ、フェイントを伴わない前進は禁断のkamikaze attackだ。
また前進の際の体のバランスもグラグラで、
ガードの上からでも打たれる際に大きく体勢を崩すので
際どいラウンドを取りこぼしやすい。
暫定王者との打ち合いは噛み合ったが、とても世界タイトルマッチとは思えず、
4回戦か6回戦がセミセミぐらいで会場の暖気運転しているかのようだった。

酷評ばかりになるが、素晴らしかったのは闘争心。
パッキャオの特集番組でタイソンもSpiritの重要性を問いていた。
泥臭さでは坂田、川嶋に並んだと言える。

また出会い頭の右で先にダウンも奪ったが、
ああいうことが往々にして起きることを知り尽くしているが故に、
メイウェザーは行くべきところでも行かないのだ、ということを
再確認できたボクシングファンは多いことと思う。

それにしても日本人王者というのは初防衛でころころ失陥しますなあ……

世界ヘビー級3団体統一タイトルマッチ

2013-05-05 10:48:22 | Boxing
王者 ウラディミール・クリチコ VS 挑戦者 フランチェスコ・ピアネッタ

クリチコ 6ラウンドKO勝利

考察 ~クリチコ~

パンチの打ち方(≠種類)は2種類に大別できると思う。
オープン気味のブローとねじり込む打ち方。

前者の代表は何といってもオスカー・デラホーヤ。
さらに先日タイで散った佐藤、亀田(兄)、T・ブラッドリー、A・カーンもそうか。

後者の代表は山中、西岡、パッキャオ、そしてクリチコ兄弟。

見るほどに惚れ惚れさせられる。
さらに長期防衛ロードでも変わらぬボクシング理論・哲学。
ワン・ツーの返しのスリーを故意に相手の首に巻きつけ、クリンチ。
鼻先でかわすスウェーではなく、堅実なバックステップを優先。
相手に効かせた瞬間も欠かさないジャブ。
井岡も実はクリチコの映像から学んでたりして。

impeccableな勝利。
perfectなボクシング、そしてボクサーだ。


考察 ~ピアネッタ~

肉を切らせて骨を断とうとする意志は伝わったが、
それを実現するための策やプラン、練習背景などは見えなかった。

左の大振りに賭けるのも悪くはなかったと思うが、
クリチコがクリンチに来る瞬間に右ボディは無かったか。

エイドリアーーーン!!!と叫ぶ瞬間が来ていれば、
かなりの話題になっただろう。