BOXING観戦日記

WOWOWエキサイトマッチなどの観戦記

WBA世界フライ級タイトルマッチ 坂田健史VS山口真吾

2008-03-29 15:39:57 | Boxing
坂田 ユナニマスディシジョンで防衛成功

2者が116-112、一人が115-113で坂田を支持したが、
はっきり言って結果オーライのボクシング。
多分、5か6ラウンドだとおもうが10-10つけてくれたジャッジに感謝しないと。
エンジンかかるのがあと1~2ラウンド遅ければ陥落してたよ。
山口の敗因は渡嘉敷の作戦ミスだ。
3~4ラウンドで一気に決着をつけるべきだった。
膝震わせてダウンしたんだからそこで襲いかからずにどうする。

技術的にはイーブンかやや山口が上回っていたような印象さえ受けた。
中間距離でのジャブの差し合いは何故かリーチに劣る山口に分があり、
頭をこすりつけあってのショートパンチの応酬は手数こそ坂田が上回ったものの、
的中率はほぼ互角に見えた。
坂田は前戦よりアグレッシブに前に出た分、無造作に山口のパンチをもらってしまった。
特に右のオーバーハンドはいったい何発もらったのか?
距離をつぶしにかかるのはいいが、フェイントなりガードなりをしっかりしないといけない。
デンカオセーン戦では6ラウンドから右グローブをあごの下に置いて
アッパーを警戒して見せたが、この試合ではフィジカルの優位だけで中に入ろうとしすぎた。
KO狙いだったのかもしれないが、自身のパンチ力と相手の耐久力に誤算があったか?
坂田のベストスタイルはバスケスとの再戦で見せたメリハリのある出入りと細かい連打。
今日はそのどちらも雑すぎた。
予備動作なしにワン・ツーで飛び込んで行ったが、相手のダックに苦もなくかわされた。
返しの左フックもついてこない。
あいかわらずのスロースターター振りと合わせて、課題が残る試合だった。
階級が違うけど、シドレンコまたは徳山なら118-110で坂田に勝ちそうだ。
内藤との統一戦の機運は確実に下がった。

山口は、悲しいかな、フィジカルで敗れた。
フットワークでもジャブでも優っていたが、
坂田のプレスの前に否応なしにガチャガチャの打ち合いに巻き込まれてしまった。
3ないしは4ラウンドに決めに行っていれば・・・
クロスレンジでの相手の打ち終わりに必ず左を合わせられたのだから、
体格によるパワー負けさえなければ、中盤以降も4:6ぐらいのペースで行けたと思う。
つまり、後半6ラウンドのうちの2つは取れた。
しかし、ウェートをそろえてやっている以上、そこを敗因にはできない。
やはり渡嘉敷の指示ミスか・・・

それにしてもTBSの実況はなんとかならんものか。
途中から音消したよ・・・

最高裁 袴田事件の再審認めず

2008-03-25 18:28:27 | Boxing
こんなことがあっていいのか・・・

事件の詳しい経緯は少し調べれば誰にでも分かる。
そして、これほど冤罪らしい冤罪もない、ということも。

この場で警察の取り調べ方法や当時の司法の在り方を批判しようとは思わない。
当時の裁判官がすでに「無実」の心証を涙ながらに告白しているし、
同じ思いを持つ当時の捜査官たちもいるはずだ。

大橋秀行が東日本ボクシング協会会長に就任して以来、
積極的にメディアに訴えかけ、イベント開催などに動いてきたが、
最高裁はこのたび「判決に合理的疑いが生じる余地はない」として
再審請求を棄却した。

袴田氏は人生の半分以上を獄中で過ごさざるを得なかった。
現在は精神的に衰弱しきっており、年齢を考えれば残された時間も多くはない。
氏の『人生』を救うことはもはや不可能とすら思える。
しかし、氏の人間の部分、『人格』を救うことはできないものか。
なにも今すぐ袴田氏を無罪にしろ、釈放しろと言っているわけではない。
これまで40年以上にわたって踏みにじられてきた氏の尊厳のために、
再審を求めたいのだ。

殺人者に死をもって報いるのが死刑だ。
その意味において、「判決に合理的疑いが生じる余地はない」だろう。
しかし、袴田氏が殺人者であるという点についてはいくつもの重大な疑義がある。
氏の自白内容と現場の証拠の不一致または矛盾、
動機、当時の捜査官らの「ボクサーだから」という先入観、過酷な取り調べ・・・
これらの点については合理的疑いが生じる余地は本当にないのか?
罰金や懲役という話ではない、死刑判決が下されているのだ!

再び法廷に立つということになれば、判決までに相当の時間がかかるだろう。
袴田氏の存命中に決着するのかという不安もある。
再審の結果、やはり袴田氏が犯人とされ、死刑が再確定するかもしれない。
それでも袴田氏の尊厳をいくらかなりとも回復できよう。
最高裁の再審請求棄却は言語道断だ。
我が身の潔白を主張できる場を袴田氏に与えないということ自体が人権侵害だ。

個人的に袴田氏の無実を確信している。

S・ミドル級12回戦 ケリー・パブリックVSジャーメイン・テイラー

2008-03-25 08:17:21 | Boxing
パブリック ユナニマスディシジョンで勝利

いいパンチをいいタイミングでガンガンもらってるのに
パブリックのこのタフさ・我慢強さはどうだ。
ジョン・ダディとはまた質の違うタフネスを持っていることがあらためて分かる。
前戦の「とにかく倒せばいいんだろ倒せば」というファイトスタイルから
「倒されなければ勝てる」というファイトスタイルへの転向は正解だった。
武器となるパンチはただ一つ、右ストレートのみ。
それでこれだけ相手にプレッシャーを与えられるんだから大したもの。
アブラハムとの統一戦が楽しみになった。
一発勝負、根性勝負、どっちがミドル級最高のナイスハゲ対決か、見所盛り沢山だ。

敗れたテイラーは… まだまだ終わりとは思えないが。
ここはしばらく休養しよう。
塩ボクサーとの連戦→パブリック戦でスタイル改造→リマッチでスタイル中途半端に戻す
の負のスパイラルに陥ってる感あり。
ホプキンスに勝ってパブリックに負けたボクサーとして歴史に残るのは勘弁してほしい。
スーパーミドルでも十分やれるはずだ。
幸か不幸か、スーパーミドルもタレント揃いで王者は皆スケジュールが詰まっている。
今のうちにスーパーミドルにアジャストして、年末あたりに再始動しよう。

世界戦ダイジェスト

2008-03-24 21:21:14 | Boxing
WBC世界L・フライ級タイトルマッチ エドガル・ソーサ vs ヘスス・イリベ

ソーサ 判定勝利

なんか面構え変わった?
黒さが出てきたというか凄味が増してきたというか…


WBO世界S・バンタム級タイトルマッチ ダニエル・ポンセ・デ・レオン vs エドゥアルド・エスコベド

デ・レオン 判定勝利

この人はやっぱりスキンヘッドがいいね。
その方が威圧感あるし怖いもん。


WBA世界ウェルター級暫定王座決定戦 フレデリック・クローゼ vs ユーリ・ヌズネンコ

ユズネンコ 判定勝利

苦労人クローゼ、戴冠ならず…
と、ジョー小泉なら言うんだろうなあ。


WBA世界ミドル級タイトルマッチ フェリックス・シュトルム vs ランディ・グリフィン

スプリットドロー

幸せな嵐さんが薄氷のドロー。
ゲルマンボクサーの一つの到達点でもあり限界点でもあるボクサーだ。
フルで見たいよ。

WBO世界S・フライ級タイトルマッチ フェルナンド・モンティエルVSマーティン・カスティーリョ

2008-03-24 21:20:14 | Boxing
モンティエル 4ラウンドKO勝利

こんなに強かったっけ?
フェイントとパンチが同時に飛んできて、
パンチ自体もジャブの軌道で放たれてからフックになるとは。
もし、フェイント部分をジャブにして間髪入れずにこの左フックを出せば
『はじめの一歩』の真田の飛燕になるかな?
とにかく足捌きも上手く、下半身と上半身を連動させて
相手の動きを観察しながらその距離とタイミングでの
ベストパンチを繰り出せるのがモンティエルの強み。
最後のロープ際でのフィニッシュの連打はまさにそれ。
この能力は練習して身に付くのだろうか、いや、無理だ。
サラブレッドは血で走るんだ。

フライ級10回戦 亀田興毅VSレクソン・フローレス

2008-03-22 17:13:59 | Boxing
フライ級10回戦 亀田興毅VSレクソン・フローレス

亀田 ユナニマスディシジョンで勝利

なんで国歌が?
まあ、いい。
しかし、これが現役世界ランカー同士の試合なのか・・・
ここまで低レベルになるとは正直なところ予想していなかった。
よくまあ、こんな弱い相手を毎度見つけてくるなあ。
マッチメーカー誰よ?ジョー?林?

「見る人が見ればわかる試合をする」のが亀田のテーマだったらしいが、
ごめん、俺にはよく分らんかった。
亀ガードでにじり寄っていくスタイルは捨てたみたいだが、
他に見るべきところが見当たらない。
あえて言えば、左ストレートをカウンターで放つタイミングはいい、ということぐらいか。
ただその左のパンチ自体は軽いと見る。
パンチの引きが早すぎて、インパクトが弱い。
亀ガードの意識が全身に染み込んでいてパンチが伸びない、伸ばせない。
べた足は否定しないが、両足のつま先の蹴り出しと踏ん張り、これがないと、
パンチには威力や伸びは生まれない。
ミハレスから左ストレートやコンビネーションを教えてもらわなかったのか?
左をあれだけヒットさせて(ダウンは一度とったが)ぐらつかせることすらできないのは、
フローレスがタフというより亀田のパンチが軽いからだ。
にもかかわらずなんとかの一つ覚えみたいに左だけ繰り出して右の返しはわずかに2回。
フェイントを交えていけば意表を突くタイミングで打ち込むこともできるが、
それも無し。
ディフェンスもお粗末。
不用意なパンチをもらいすぎだ。
バックステップだけでも覚えればカウンタパンチャーとして
そこそこのレベルにはなれると思うが、馬鹿正直に相手のクリンチに付き合っている。
本当に年内に二階級制覇狙うのか?

あとは、まあ、色々言いたいことあるんだけどかいつまんで。
ノーガードでアゴに打ってこいと挑発するならウィービングでかわさないと。
そこでブロックしてるようじゃパフォーマンス先行型と言われても仕方ない。
そもそもそういうパフォーマンスは相手の射程距離内でやらないと、単なる道化だ。
ロープ背負ってまでやる意味あるか?

総評

ジャブ無し、コンビネーションブロー無し、リズム無し、目立つ特長は無い。
下田-(スピード+センス)=亀田って感じかな。
弟と同じく日本ランク下位レベル。
とにかく毎回毎回中途半端なボクサータイプとばかり試合するんじゃなくて、
特徴ある選手と戦わないと。
探せばいくらでもいるでしょ、リトル川嶋みたいなボクサー。
または、リトル徳山みたいな。
コテコテのインファイターか生粋のアウトボクサーと試合しないとこの先も成長は無い。

WBC世界S・フェザー級タイトルマッチ ファン・マヌエル・マルケスVSマニー・パッキャオ

2008-03-17 22:04:02 | Boxing
パッキャオ スプリットディシジョンで勝利

攻撃の多彩さ、ヒット数などで優勢だったマルケスだが、
パッキャオの一撃の威力と迫力がよりジャッジにアピールしたか。
3ラウンドのダウンは伝家の宝刀のパッキャオの左だったが、
これは爆発的な踏み込みから生まれるいつもの左ストレートではなかった。
ディアスの左フックを軽くいなしたマルケスが
パックの左も同様にかわせるかどうかか注目だったが、これは見事にクリア。
だが、バレラと同じくそこから先の決定打がなかった。
長い左フックでパックのボディを的確に攻め、
待ちの姿勢からあらゆるカウンターを放ったが、
ダウンは奪えなかった。
行けそうな場面はいくつかあったがマルケス本人のダメージも深く、
そこはやはりパックの攻撃力が勝ったようだ。

これでまたyoutubeでメキシカンとフィリピーノの大激論が
交わされるんだろうな。

スプリットについては同感。
どちらの勝ちでもよかった。
個人的採点ではパックの1ポイントリード。
ジャッジさえ違えば、僅差のユナニマスでマルケス勝利も十分ありえた試合。
しばらくはパックも休養か。
バレロ、グスマンが絡むのはもう少し先になるだろう。

NABO北米バンタム級タイトルマッチ アブネル・マレスVSディオスダド・ガビ

2008-03-17 20:29:30 | Boxing
マレス 2ラウンドTKO勝利

ボディワークとパワーの無さがやや気にかかるが、
ワン・ツーのスピードは出色だ。
肩口からまっすぐに伸びてくる右ストレートはかなり見づらいだろう。
ジャブもシャープ。
2ラウンドで終わってしまったのでなんとも言えないが、
右ストレートから左フックを返すような逆ワン・ツーを持っているとしたら、
さらに持ち前のスピードを活かした戦い方ができる。
ただ、バレラのような本格的なテクニシャンを前にしたらどうか。
右ジャブそのものを見切られたときにパニックに陥らずに済むか。
もう少しキャリアを積み上げたい。

ガビはフライ上がりということもありすでに骨格の面で負けていた。
にもかかわらずオーバーしてくるか?
結局は会場を温めるための負け役かつ若手の踏み台か。

WBC世界ヘビー級王座統一戦 オレグ・マスカエフVSサミュエル・ピーター

2008-03-10 21:51:24 | Boxing
ピーター 6ラウンドTKO勝利


塩試合。
マスカエフの敗因は、ピーターのパンチを怖がったこと。
まあ、実際怖いけど、勝負はもうびびった時点で負け。

ピーターもはっきり言って前途多難。
ホリフィールドあたりが舌なめずりしてるだろう。

追記。
えっ!?
キャンベル3団体統一王者認定?
ライト級が始まったのか、終わったのか…

IBF世界ライト級タイトルマッチ ファン・ディアスVSネート・キャンベル

2008-03-10 21:10:56 | Boxing
キャンベル スプリットディシジョンで勝利

ディアスはファーストコンタクトで出鼻をくじかれたか。
いつもどおりの試合運びに徹しているはずなのに、
何かが違うというもどかしさを終始感じていただろう。
6ラウンドのカットから一気にinitiativeを持っていかれてしまった。
左フックを攻撃の起点にするディアスだが、
左まぶたのカットで左ガードを上げざるを得なくなり、
距離感と同時に攻撃のリズムも失ってしまった。

キャンベルは初回から「ディアス恐るるに足らず」だった。
Galaxy Warriorの二つ名の通り(?)、メンタルが強い。
黒人選手にしては珍しいね。
見栄えという点ではやや不恰好だが、
close rangeで肘をたたんでの左右フックは効果的にヒットした。
これでライト級も一気に動き出すね。
木村が一つ下げて割って入れるか?