BOXING観戦日記

WOWOWエキサイトマッチなどの観戦記

WBOインターコンチネンタル・クルーザー級王座決定戦

2011-03-21 22:16:18 | Boxing
オラ・アフォラビ VS ルボス・スダ

アフォラビ 5ラウンドTKO勝利

考察 ~アフォラビ~

E・マカリネリをぶっ倒した映像をYouTubeで観たが、
この試合から判断するに、あの劇的KOは意図せざるものか。
ジャブからのワン・ツーおよびコンビネーションのリズムと幅に富み、
ディフェンスにおいても都度、距離に応じたボディワークとガードができる。
黒人特有のバネとスピード、反射神経に科学的なトレーニングと合理的なマッチメークで、
試合しながら洗練されていったタイプなのだろう。
黒人選手は全般に気弱なメンタルを持つ傾向にあるが、
中には野性味どころか野人なのではないかと疑わせる選手もいる。
何によらずスポーツは素材だけで勝負できるものではないが、
料理人によってその味を変えることにかけてはボクシングは他の追随を許さないように思う。
その理由を書き出すと一昼夜を要するので、機会があった時に譲るが、
それでも、たとえばZ・ジュダーがこの選手と同じキャリアを積んでいれば、
どれほどのスーパーマンになったのかと、ふとあらぬ想像をしてしまう。


考察 ~スダ~

ベストパンチの射程(≠リーチ)が相手に比べグローブ1つ半短く、
またリーチ自体の短さから撃てるパンチがストレート系に限定された。
ガード上をある程度打たせるスタイルで、打ち終わりに合わせる意図は見てとれたが、
距離もスピードも違い過ぎて全く当てられなかった。
観ているこっちが息苦しくなるほど両脇を絞っていたが、
あの体勢から即座にパンチを打つには、眼、柔軟な筋肉、柔軟な関節、太すぎない腕が必要で、
たとえばI・クオーティがこれに当てはまる。
あるいはこの条件に当てはまらないが、これができるのはA・アブラハム。
まあ、無い物ねだりしてもしょうがない。

WBC世界ヘビー級タイトルマッチ

2011-03-21 22:15:43 | Boxing
王者 ビタリ・クリチコ VS 挑戦者 オドラニエル・ソリス

クリチコ 1ラウンドKO勝利 

考察 ~クリチコ~

ダラリと下げたガード。
遠すぎず近すぎないジャブ。
ジョンソン戦、ソスノフスキー戦、ブリッグズ戦(ICU送り…)から
良い意味でも悪い意味でも変わっておらず、
この試合でも頑固に自身のポリシーを貫くかに思われた。
相手は右にも左にもハンドスピードがあり、フットワークと合わせて
間合いを作りつつあるなか、反射的に出したショートフックがテンプルにコツン。
典型的なdelayed reactionによるノックダウンだった。

終了直後にソリスに歩み寄り吼えたのは、不甲斐ない結末に対する怒りからか。
ボクサーという人種は、やたら勝ち方にこだわるのもいれば、
勝ちさえつけば内容には拘泥しない者まで様々だ。
ビタリは前者、日本では西岡。
終盤にはビタリがジャブ(ワン)にカウンター被せられつつも被弾直後に
右ストレート(ツー)を着弾させるかな、という展開が頭をよぎっただけに
なおさら残念なストップとなった。
というか、パッキャオ、マルチネスに次いで管理人が心待ちにしているのはビタリなのだ。


考察 ~ソリス~

五輪金メダリスト、全勝、ランク1位、若い、スピード豊か、カウンターがとれる。
あらゆる要素が観る側にそれなりの期待を抱かせるが、
この選手はそれに良い意味でも悪い意味でも応えてくれた。
まず最初の1分をゆるいサークリングで相手のパンチを誘いながら、
ガードを上げるリズムとタイミングをシンクロさせていき、
1分を過ぎた頃から右のカウンターを単発でヒットさせていった。
これはワン・ツーに偏向しがちなビタリに対するメッセージ。
つまり、カウンターがとれるぜということ。
また、長丁場を予定してボディを打つための布石でもあったろう。

膝の負傷はアクシデントに違いないが、記事によると陣営はパンチによるKOではなく、
怪我による負けだと主張しているようで。
それは負け惜しみと考える。
なぜなら、あの右を喰った直後、即座にガードを上げたが、
その1秒後、顔が下がり、目の焦点が合わなくなっていたから(REPLAY見る限り)。
つまり、パンチが効いてしまったということ。
カウンターパンチャーがカウンターに弱いというのはままあるが、
プロキャリアが浅い時点で怪我に弱いというのはいかがなものか。
推測するに、体重UPのペースが膝の許容範囲を超えていたのかな。
陣営はダイレクトリマッチを要求しているようだが、それはさすがに厚かましい。
また順番に列の後ろに並んでくれたまえ。

雑記

2011-03-20 14:58:43 | Private
世間を騒がさせた京大入試(英作文)に今年も遅ればせながらトライしてみる。



楽しいはずの海外旅行にもトラブルはつきものだ。たとえば、 悪天候や自然災害によって飛行機が欠航し、
海外での滞在を延ばさなければならないことはさほど珍しいことではない。
いかなる場合でも重要なのは、冷静に状況を判断し、当該地域についての知識や情報、
さらに外国語運用能力を駆使しながら、目の前の問題を解決しようとする態度である。

(1)
Traveling abroad is usually a fun experience, but troubles can turn up there.
For instance, flights are cancelled due to bad weather conditions and natural disasters.
As a result, people are forced to extend their stay in foreign countries.
These things do happen. What is important in any and all cases is the attitude
with which to solve the problem right before you by avoiding getting panicked,
analyzing the circumstances, making good use of knowledge and information
regarding your located area along with your communication skills of foreign languages.

(2)
There can be troubles even in overseas trips which should have fun.
To take in example, a situation like this can happen where planes are restricted from taking off
because of ad weathers and a natural disaster, which will make your stay abroad longer.
You will have to be coolheaded, ascertain the situation, make most of the knowledge and data
of the region you are in, and use your foreign language abilities to the maximum.
This is how you deal with the clear and prsent problems and thus,
the attitude you are expected to take on in any contingencies.

講評

難しいのか簡単なのか分からない。
いかようにも訳せるし、どんな答案であっても、よほど基本的なミスがなければ
減点を喰うことはなさそうに思える。
「飛行機が欠航」、「冷静に状況を判断」、「目の前の問題」あたりは面白い。
基礎的な訳からハイレベルな訳までが入り乱れたことだろう。
こういう英作文に取り組む際には原文の構成を気にするな、というのがある。
小説や文学ではない、ただの散文で、表現形式そのものに重要な意味が込められている
わけでもないのだから、日本語の文章の並びをそのまま英語に転写する必要はなさそう。
むしろ、こんな英文があったら自分はこういう日本語に翻訳してやる、
ぐらいの態度がいいのかもしれない。
つまり、出題文そのものがすでに翻訳されたもので、その原文を推測するという逆転の発想だ。
どこぞの予備校あたりはそれぐらいの指導はするだろう。
生徒がついていけるのかどうかは定かではないけれど。




人と話していて、音楽でも映画でもなんでもいいが、何かが好きだと打ち明けると、
たいていはすぐさま、では一番のお気に入りはなにか、 と聞かれることになる。
この問いは、真剣に答えようとすれば、かなり悩ましいものになりうる。
いやしくも映画なり音楽なりの愛好家である以上、お気に入りの候補など相当数あるはずであり、
その中から一つをとるには、残りのすべてを捨てねばならない。

(1)
While talking with someone about music, movies or whatever it may be,
there are times when you happen to mention that there's something specific you are into.
And then, you will often and quickly find yourself with the very question directed at you;
what is your most favorite among them all? You could very well be bogged down
in this kind of question, especially when you try to answer it seriously.
If you declare yourself a faithful of something such as music and movies,
then you should definitely have a huge favorite works list of your own.
Picking just one is equal to eliminating the rest.

(2)

When you mention that you are fond of something like music, movies and whatsoever in the course of
conversation with other people, most of the time they will ask you right on the spot "Well then, what's
your top favorite?" A question like this could give you a rather stressful thinking time,
depending on how sincerely you attempt to give an answer. hose who dare to call themselves big fans of
movies, music et al ought to have a great number of top favorite candidates,
and they must eventually abandon everything else before reducing them down to one.

講評

これは難しい。どこが難しいかというと日本語の文章そのもの。
愛好家である、の「である」を単純にbe動詞で表現すると×、もしくは△だろう。
また「お気に入りの候補」をどう訳すかで、その受験生のセンスと勉強量が見える。
最後の一文は特にそれが顕著で、語彙や文法を超えた、語学力を求められていることが分かる。
文章、文脈を充分に吟味してから英訳しなさい、という出題者の声が聞こえてくるようだ。
全体的にかなり自由に訳しても大丈夫と思われる。
敢えて行わなかったが、ある程度なら前後のセンテンスを入れ替えて訳しても
正答扱いされるはず。
かなり昔に流行した、いわゆる「捨てる技術」に関する文章だが、
これは高名なドイツのキリスト教神学者の思想にも通じている。
そんなこと知ってる受験生は皆無だろうが。

PS.

HDDレコーダーが故障しました。
嗚呼、何十、何百時間と詰め込んだエキサイトマッチその他が……

体を壊して看護学校を約一年休学することになりました。
来週から外来漬けで検査と診察の日々になりそうです。
実習を休むだけでなく、実習時間中に倒れて詰め所で点滴を受けているようでは……

ブックマークにさりげなく追加があります。

関東・東北の震災と津波による被害には言葉が出ない。
ここ兵庫県も震災を経験したが、いまや街にその爪痕は小さい。
しかし、それは傷が癒されたわけではなく、整形手術の上に形成術を重ねたに過ぎない。
関西広域連合が東北住民の受け入れを開始するが、
阪神大震災後の多くの孤独死の教訓から学び、地域単位で公営住宅を提供するという。
これは良いことだ。
人と人とのつながりを分断しないことが、人が生きる支えになるのだから。
自分にできることと言えば、ささやかな募金と祈りのみ。
被災者の方々、そして彼らを救わんとする方々の努力の結実を祈ります。