BOXING観戦日記

WOWOWエキサイトマッチなどの観戦記

3団体統一世界S・ミドル級タイトルマッチ(WBA・WBC・WBO)

2007-11-26 22:07:35 | Boxing
ミッケル・ケスラーVSジョー・カルザゲ 

カルザゲ ユナニマスディシジョンで勝利

And now... For the tens of thousands in attendance, and the millions watching around the world・・・か。
すごい会場、すごい数の観衆だ。
両者ともにreigning defending undefeated championだもんね。
結論から言うとリングジェネラルシップの差で明暗が分かれた。
スタンダードなボクシングのケスラーとファンタズマゴリックなボクシングのカルザゲ。
実は有効打の数には両者それほどの差はない。
パンチの威力や角度、軌道、タイミングはケスラーのほうが上。
まとめ打ちについては互角。
だが、試合運びのうまさはカルザゲの方が上。
どっしり構えて徐々に自らのペースに持っていくケスラーに対して、
無理やり自分のペースを創り出せるカルザゲ。
ケスラーがパンチをまとめるのは自分の距離・展開になってからだが、
カルザゲは被弾上等で試合を自分のものにする。
無理やりつめてくるところにドンピシャで打ち込めそうな雰囲気はあるのだが、
今まで誰もそれに成功していない。
ノーガードのパフォーマンスを見せるのは大体いいのを一発喰らった後で、
会場の雰囲気と歓声がこのリングジェネラルシップを強力に後押しした。
ケスラーも右アッパーと左フックが随所で光ったが、生命線のワン・ツーが生きなかった。
サウスポーに苦手意識は無いようだが、右を打ち込むタイミングを12ラウンドまで掴めなかった。
前回のケスラー戦放送時に浜田さんが、今やればカルザゲ勝利と予想したまんまの結果になったね。
ベルトは失いはしたが、ケスラーはこの敗戦を機にさらに強くなると信じる。

WBO世界クルーザー級タイトルマッチ エンゾ・マカリネリVSモハメド・アズーイ

2007-11-26 22:06:35 | Boxing
マカリネリ 4ラウンドKO勝利

マカリネリのジャブ、試合運びはどことなく徳山昌守を彷彿させる。
右を置く位置に若干の違いはあるが、ジャブを多用しながら右を撃つタイミングを常に計っている。
相手のジャブはヘッドスリップ、ウィービングでかわし、強く打ち込んでくるパンチはがっちりとブロック。
呼び込む姿勢に見えるが、実際は飛び込むスピードも持っている。
左ボディーを入れた瞬間にアズーイは少しガードが下がったし、急に距離を取り出した。
アズーイの打開策は・・・何だろ?
まずはメンタル面の強化かな。
最後のはkidney blowだというふうに抗議してたみたいだが、あそこまで露骨に逃げる姿勢見せちゃだめ。

WBC・WBO世界ミドル級タイトルマッチ ジャーメイン・テイラーVSケリー・パブリック

2007-11-19 23:40:24 | Boxing
パブリック 7ラウンドTKO勝利

結果論だけどエマニュエル・スチュワードの改造は失敗だったなあ。
皮を切らせて肉を斬るのがテイラーだったのに、
肉を切らせて骨を断つボクシングをさせてどうする。
以前の、たとえばスピンクスを下したときのようなノラリクラリのボクシングをすれば、
あっさりテイラーが判定勝ちしたと思う。
パブリックは決して打たれ強くはないが、我慢強い。
このメンタルタフネスをアンドレ・ベルトに分けてやってほしいものだ。
どうやらテイラーとパブリックにはリマッチ・クロースがあるらしいが、
問題はどこでやるかだ。
今回の敗戦でテイラーがスタイルを戻すのは確実。
あとは観客の期待に応えたい、人気を博したいという願望さえ捨てられれば、
ホリフィールドを退けたイブラギモフのような試合ができる・・・はず。

WBC世界L・ヘビー級タイトルマッチ チャド・ドーソンVSエピファニオ・メンドサ

2007-11-19 21:14:26 | Boxing
ドーソン 4ラウンドTKO勝利

ポール・ウィリアムスのボクシングの特徴をしなやかさだとすると、
このドーソンのボクシングの特徴は鋭さだ。
懐の深さもさることながら、クロスレンジでの脇の閉め方、肘の畳み方が実に上手い。
瞬間的なバックステップも速く、ウィービング、ダッキングも巧みで、相手に的を絞らせない。
メンドサには悪いが、勝ち目ゼロのマッチアップだった。
全くの無抵抗のところに左右フックをボディにまとめられて止められたところなど、
菊井VSミハレスを思い出してしまった。

WBC・IBF世界ウェルター級挑戦者決定戦 アンドレ・ベルトVSデビッド・エストラーダ

2007-11-19 20:52:27 | Boxing
ベルト 11ラウンドTKO勝利

黒人選手は気が弱い傾向があるが、このベルトもその例に漏れない。
綺麗なジャブを放つが、これは間合いを測るため、そして相手を牽制するためのもの。
コンビネーションの起点はストレートで、ジャブではない。
これは中間距離できれいなボクシングをしたいという気持ちの表れだろう。
裏返せば、打たれたくない、相手に距離を詰められたくないということ。
TKOまで持っていけそうな流れでも安全運転してしまう。
これはもうの性格の問題で、弱点や欠点という類のものではない。
最後はショートアッパーから右の打ち抜きでダウンを奪ったが、実に美しかった。
メンタル的なものはさておき、強引さを身に付ければ将来的に王座を獲得できると思う。

WBA世界ウェルター級タイトルマッチ ミゲール・コットVSシェーン・モズリー

2007-11-12 22:43:09 | Boxing
コット ユナニマスディシジョンで勝利 

コットのドロー防衛かと思ったが・・・
モズリーのハンドスピードとクイックネスが序盤を支配したが、
コットもジュダー戦から教訓を得ていたようだ。
中間距離でむやみに攻勢に出ず、相手の打ち終わりを冷静に狙っていく
というゲームプランだったと思われる。
それでも結構もらってはいたが。
ただ、やはりジュダーにアッパーをあれだけもらったことを
コットは血肉にしていた。
自分よりもスピード、リーチに優る相手を消耗させる、
確実にポイントをものにするラウンドを作る、
といったことをキャリアを通じて確実に身に付けている。
ただし、最終ラウンドは残念だった。
逃げ切れると確信していたのだろうが、
下手したら、テイラー戦の時のスピンクス並みのピエロになるところだった。
が、そういったところもコットは次戦には修正してくるだろう。
修正してきてほしい。

WBOインターコンチネンタル・ウェルター級王座決定戦 

2007-11-12 22:26:02 | Boxing
アントニオ・マルガリートVSゴールデン・ジョンソン

マルガリート 1ラウンドTKO勝利

最初から距離が近すぎだろ、ジョンソン。
台風の目に活路を見出していたのかもしれないが、
ティファナのハリケーンの左アッパーのダブルは完全に想定外だったようだ。
マルガリートもポール・ウィリアムス戦のスロースタート振りを反省していたのか。
またすぐに世界戦線に戻ってくるのは間違いない。

WBC世界S・フェザー級タイトルマッチ ファン・マヌエル・マルケスVSリカルド・フアレス

2007-11-05 21:52:32 | Boxing
マルケス ユナニマスディシジョンで勝利

4ラウンドにタイムキーパーのボーンヘッド。
2分で鳴らすか?
まあ、珍しいものを見たということでOK。
やっぱりマルケス兄は上手い。
潜り込もうとしてくる相手のパンチに対してナチュラルにダッキングできる。
そこからさらにカウンターも撃てる、牽制のアッパーも出せる。
ワン・ツー、ダブル、ワン・ツー・スリー、トリプルも自由自在。
フアレスも世界を狙えるとは思うが、世界を獲れるかというと微妙な感じ。
粟生もKO率上げたいなら、左右の違いこそあるけど、
パッキャオよりマルケスをコピーすればいいのでは?