BOXING観戦日記

WOWOWエキサイトマッチなどの観戦記

予想 WBAスーパーフライ級タイトルマッチ

2012-08-31 11:58:37 | Boxing
王者 テーパリット・ゴーキャットジム VS 挑戦者 名城信男

予想 テーパリットの中終盤KO勝利

名城敗北予想の判断材料としては、スリヤン、ロハス戦がある。
この二人は分類すればslickなボクサーで、
一本気で直線的な名城のボクシングと相性が良かった。

また王者有利の判断材料としては亀田大毅戦、清水戦がある。
日本人ボクサー、そして日本の地に苦手意識など皆無だろう。

管理人は現時点では残念ながら名城を評価していない。
亀田大毅と戦っても順当に判定負けすると考えているぐらいだ。

伸び盛りの若手王者と世界戦の敗北経験豊富なベテランとなれば、
この予想に落ち着いても仕方がないかなと思う。
それでもラストマッチともなれば観に行きたい。

誰か仕事代わってくれーーーー!

IBF世界Sミドル級タイトルマッチ

2012-08-26 00:57:41 | Boxing
王者 ルシアン・ブテ VS 挑戦者 カール・フロッチ

フロッチ 5ラウンドTKO勝利

考察 ~フロッチ~

初回ゴングからの90秒のfeel outから、
左フックの着弾でブテが一瞬狼狽したのを
見逃さなかった、もしくは敏感に感じ取ったのだろう。
戦う前の段階では冷静に相手の力量を互角もしくは少し上と
見積もっていたと考えられるが、その分析はこのわずかな時間で
正しく修正されたようだ。
徳山昌守氏はかつてインタビューで
「相手の力量は向かい合って30秒で大体分かる」と語っていたが、
この夜のフロッチもまさにそんな感じだったのだろう。

肩幅・胸板がありながら、リーチが数字以上にありそうに思えるのは、
アゴを常に引いて、脇を絞っているからだろう。
浜さんは右の一発を強調するが、フロッチの隠れた本質はジャバーだ。
この試合ではそのジャブをフェイント(おそらくブテ=対戦相手にしか見えない)を
多用して、対サウスポーの定石の右をとことん的中させた。
でなくば、あれほどのカウンターパンチャーが
これほどまでに打ち込まれるはずがないではないか。
コンビネーション最初に着弾した右の一撃は
全てブテがガードを上げた瞬間にその隙間にぶち込んだもの。
ガードをぶち破ったのも数発あった。

攻めの部分ばかりクローズアップしたが、
ブテからの左アッパーをボディにも顎にも一発受けていないのは大きい。
当たらなかった、打たれなかったではなく、打たせなかった。
これもおそらく相手にしか見えないフェイントで
ヒットポイントを見出させなかったのだろう。
カウンターの左はフック、ストレートで連打の最中に
数発ジョーとテンプルに食ったが、
それでガクっとくるやわなタフネスでもなかった。

弱った相手を目の前にするとついつい飛び掛ってしまうのは
ボクサーの習性だが、vsテイラーの最終ラウンド同様に、
フロッチは仕留め時でも冷静さを失わない。
一番の強みはこの『クールに切れる』メンタルかもしれない。


考察 ~ブテ~

サウスポーのカウンターパンチャーで地元で連続防衛。
統一戦あるいはそれに類するレベルの試合に敗れるという
まるで長谷川を想起させるそのキャリアはしかし、
決してunderdog hunterではなかったと信じたい。

カウンターパンチャーは入念なフェイントを織り交ぜるタイプ(J・カサマヨルなど)と
相手のパンチそのものに合わせていくタイプ(N・ドネアなど)の2つに大別される。
ブテは当然前者で、これまでは面白いように相手を引っ掛けたが、
今度は自分が豪快に釣られたようだ。
サウスポーが往々にしてサウスポーに弱いように、
カウンターパンチャーもフェイントマスターに弱いのか。

効いた時に真っ直ぐ後ろに退くという動きにキャリアの底浅さを見た気がする。
フットワークに長けたボクサーが真っ直ぐ下がるのは気持ちが折れた時に他ならず、
vsA・マルガリート1の11ラウンドのコットが最も分かりやすい。
またはvsパッキャオ3のモラレス、vsテーパリットの清水など。

アンドラーデ1以外に効いたことすらなく、
その後あまりにも順調に勝ちすぎたがために
伸びしろを伸ばせなかったか。
M・アリの至言「あまりに順調に勝っているボクサーは実は強くない」を
そのキャリアで以って証明してしまったようだ。

互いに1戦挟んでカナダで再戦決定らしいが、勝ち目は?
モズリーがV・フォレストに連敗したように、
フロッチはブテの天敵なのかもしれない。

IBF・WBO世界S・バンタム級王座統一戦

2012-08-13 22:15:20 | Boxing
WBO王者 ノニト・ドネア VS IBF王者 ジェフリー・マセブラ

ドネア 判定勝利

考察 ~ドネア~

試合開始早々から殺気のこもった左フックを振り回し続けたが、
退がり続ける相手にそうたやすく当たるものでもない。
蛙跳びのような左フックから水平斬りの左フック、
はじめの一歩の千堂も真っ青のスマッシュまで出したが、
最初のクリーンヒットはタイミングの合った軽打の左。

その後のボクシングも相手の距離の再構築に律儀に付き合ったりするあたり、
自分自身の型できれい決めたいという意識が強すぎるのかもしれない。
左に次ぐweaponとしての右が欲しいところだが、
それをやると魅力を減じてしまう可能性が大。
G・リゴンドー以外のSバンタムでは勝てないだろう。

PS.

VS西岡では中差判定勝ち以上の結果を出しそう。
なんだかんだで左殺しは健在。
しかし一方的ではなく、年間最高試合候補となるような
スピード、技術、一発、メンタルタフネスのコンテストとなろう。

考察 ~マセブラ~

C・カバジェロにしてもそうだったが、
この身長・体躯でこれほどバネのあるダッキングを繰り返すというのは
筋肉の質が根本的に我々東洋人とは違うんだな。
絶対的な筋肉量も階級アベレージより劣るはずだが、
上半身をくねくね間断なく動かせるのは骨の質まで異なるからかもしれない。

序盤から過剰なまでに相手の左を警戒していて、
実際にその威力を肌で感じていた。
4ラウンドのダウンは警戒していた強打ではなく、
タイミングのパンチだった。
そこから自身の距離を構築するまでにさらに5ラウンドを要したが、
終盤に見せた左ジャブからのコンビネーションがこの選手の真価だろう。

並みのスピード・パワーの選手では、歯が立たないだろう。
ドネアを除けばSバンタムの現ラインナップではまだまだトップレベル。