BOXING観戦日記

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WBO世界Sバンタム級タイトルマッチ

2011-05-09 22:20:47 | Boxing
王者 ウィルフレド・バスケスJr VS 挑戦者 ホルヘ・アルセ

アルセ 12ラウンドTKO勝利

考察 ~バスケスJr~

バスケスSrと重ね合わせて見ても類似点はそれほどない。
Srと聞いて思い起こされるのは何といっても葛西戦。
ジャブに被せるクロスカウンター、ショートのアッパー、脇を締めた左フックで
葛西を面白いように転がした。
カウンターのタイミングにおいてSrは天稟があったが、Jrにそれはない。
それでもある意味セオリーとも言える右からの返しの左フックでダウンを奪ったのは見事。
長谷川がバンタム時代に愛用していたコンビネーションの対称形で、
近年の印象的なこのコンビネーションによるダウンといえば
A・アブラハムがゲボルに、コットがマヨルガに、内藤が清水に喰らわせ、
やや古いところでは竹原が豆タンク型のKorean fighterにダブルノックダウンしたこともある。
この刹那の交錯にカウンターの醍醐味がある。
また、過去のJrの防衛戦から判断するにパンチ力はそこそこありそうだ。
やはりどことなくコット的で、体形も階級において長身ではなく、
太腿周りとふくらはぎの筋肉が発達しており、脚も使えて、
さらに打たれてもどこか脆い。
プエルトリコの名王者は3階級が宿命づけられているように思えるが、
現状なままならフェザーあたりでもう一回こけるかな。


考察 ~アルセ~

パッキャオの前座というと対ミハレス以来かな?

頭から突っ込むスタイルはもはや芸術の域(皮肉ではなく)に達していて、
胴回りと太腿が太く、下腿と腕回りは相対的に細く、
頭蓋骨が固く、鼻梁はvulnerableという身体的特徴と自身の気性にマッチしている。
階級を上げることでスタイルチェンジを余儀なくされる選手もおり、
逆に減量苦から解き放たれることで、本来のボクシングがさらに活きるタイプもいる。
アルセの場合は後者で、額と額をこすり合わせるような極端な前掛かりの体勢から
バッティングとパンチが同時に出ていく感じ。
かつて鬼塚はvsキリロフの徳山のワン・ツーを指して「ワツッなんですよ」と評していたが、
左右どちらから入るにせよ、アルセの踏み込みもまさにそんな感じ。
節目とすべき試合で近年はことごとく負けていたが、ここにきてこの勝利はでかい。
メキシカン初の4階級制覇は本命ソト、対抗モンティエル、大穴アルセと思っていたが……
今秋もしくは年末年始あたりで西岡と激突してほしい。
場所はアメリカでも日本でもメキシコでもいい。

興毅がまたもアルセと対戦したいと言っているようだが、話半分に聞いておこう。
しかし、正味の話、アルセになら25%の確率で判定勝ちできるかもしれない。

管理人はアルセを評するにミハレス戦でひびが入り、ダルチニャン戦で割れ、
ノンクァイ戦で壊れたと感じていたが、どうしてなかなか頑丈にできている。
某分析ブロガーのAさんがかつてアルセを評して
「ガッティのような激闘王としてまだまだ3年は戦える」と評したが、
それから2年11か月にしてこの激闘。
氏の炯眼には脱帽するしかない。

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