王者 フリオ・セサール・チャベスJr VS 挑戦者 セルヒオ・マルチネス
マルチネス 判定勝利
考察 ~マルチネス~
初回終了ゴングと同時に相手をねめつける様に
ふとシントロン戦を思い起こした。
あの試合もえらく emotional になる瞬間がいくつもあった(当たり前!)が、
この試合では、試合にこぎつけるまでに相当emotionalなコメントが聞かれた。
クールにキレるメンタルがボクシングには重要だが、
ホットにキレてしまうとしばしば自滅してしまう。
これまでそういうボクサーは掃いて捨てるほど存在した。
セルヒオもそうなってしまうのか……という懸念は杞憂であり現実だった。
punishすると華々しく宣言してはいたものの、
ゴングが鳴ってみればいつもどおりのセルヒオ。
フリッカー気味のジャブに&「肘を少し上げてからの独特の左スト」(by村田)
で組み立てる出だし。
打つ場所が見つからなくともジャブで距離を保ち、
隙間を縫うようにパンチを見舞っていくテクニックはまさにMaravilla。
ただし、本当に表面を縫うようなパンチで、
これまでの防衛戦で見せたようなダメージングブローは打てな/打たなかった。
それが変わったのは4ラウンドの終わり際に叩き込んだ左ストレート。
Jrの鼻はあれでちょっと潰れたのでは?
以降、打ち合いに応じつつ、右フック、左ショートアッパーを引っ掛けながら、
懐からするりと抜け出し、小刻みでリズミカルなサイドステップと
ジャブで距離をコントロールする様はまさにバレリーナ。
11ラウンドの右フック被弾から、ロープ際に押し込まれた際の猛反撃で
Jrを後退させた時には、小泉純一郎並みに「感動した!」
そしてマルガリート戦のストップ負けを思い起こさせる12ラウンドの攻防。
私的に年間最高試合候補としたい。
それにしても何というドラマチックなラストラウンド、ラスト1分だったことか。
久々に本当に言葉そのままの意味で手に汗握った。
勝利の代償が骨折に靭帯損傷で、場合によっては手術とは……
ダイレクトリマッチなら歓迎するが、1年後の再戦は不要。
このまま勝ち逃げしていい。
考察 ~チャベスJr~
乱暴ながらも一言で試合を評すなら、大人と子どもの戦い。
ただし翻弄、応戦、蹂躙されたというわけではなく、
上り調子の若竹と下り坂に差し掛かろうかという古兵のあるべき交錯と言おうか。
Jrはキャリアのリセットがここからまだまだ可能だが、
マルチネスはキャリアの11ラウンドに差し掛かってしまったと言うべきか。
立ち上がりから、まるでフライ級時代の亀田興毅を見るような展開。
忖度するに試合前から相手に恐怖を感じていたのかな。
2ラウンドぐらいで早くもパフォーマンスを見せたが、
ああいうのは7~8割は余裕のなさの裏返し。
毎ラウンド開始時に相手にスツールをいやいや立っているように見えたし、
あまりのnon-agressivenessにセルヒオが業を煮やしたのも2度3度ではなかった。
それでも時折振るう左右フックはdecapitatingなパワーが込められ、
事実11、12ラウンドとそれが火を噴いた。
もっと早く攻めていればと思われるが、それは結果論。
先に攻めていれば、先に倒されていたかもしれない。
ただポンサクレック相手に結局最後まで手が出なかった興毅とは違い、
土壇場で見せ場を生み出せるのは「持っている男」の証左に他ならない。
11、12ラウンドのどちらかは Round of the Year に選ばれるだろう。
長嶋一茂には月見草チームに入るという不幸があったが、
JrはS・マルチネスと同時代に生きたことを悔やむ必要などない。
ゲストのOlympic Gold Medalist村田の言葉
「強いやつと戦ってこそ証明できるものがある」
は深く、重く、正しい。
予想は的中せず。
それもまた愉しからずや。
JCC Jr has finally earned my respect.
マルチネス 判定勝利
考察 ~マルチネス~
初回終了ゴングと同時に相手をねめつける様に
ふとシントロン戦を思い起こした。
あの試合もえらく emotional になる瞬間がいくつもあった(当たり前!)が、
この試合では、試合にこぎつけるまでに相当emotionalなコメントが聞かれた。
クールにキレるメンタルがボクシングには重要だが、
ホットにキレてしまうとしばしば自滅してしまう。
これまでそういうボクサーは掃いて捨てるほど存在した。
セルヒオもそうなってしまうのか……という懸念は杞憂であり現実だった。
punishすると華々しく宣言してはいたものの、
ゴングが鳴ってみればいつもどおりのセルヒオ。
フリッカー気味のジャブに&「肘を少し上げてからの独特の左スト」(by村田)
で組み立てる出だし。
打つ場所が見つからなくともジャブで距離を保ち、
隙間を縫うようにパンチを見舞っていくテクニックはまさにMaravilla。
ただし、本当に表面を縫うようなパンチで、
これまでの防衛戦で見せたようなダメージングブローは打てな/打たなかった。
それが変わったのは4ラウンドの終わり際に叩き込んだ左ストレート。
Jrの鼻はあれでちょっと潰れたのでは?
以降、打ち合いに応じつつ、右フック、左ショートアッパーを引っ掛けながら、
懐からするりと抜け出し、小刻みでリズミカルなサイドステップと
ジャブで距離をコントロールする様はまさにバレリーナ。
11ラウンドの右フック被弾から、ロープ際に押し込まれた際の猛反撃で
Jrを後退させた時には、小泉純一郎並みに「感動した!」
そしてマルガリート戦のストップ負けを思い起こさせる12ラウンドの攻防。
私的に年間最高試合候補としたい。
それにしても何というドラマチックなラストラウンド、ラスト1分だったことか。
久々に本当に言葉そのままの意味で手に汗握った。
勝利の代償が骨折に靭帯損傷で、場合によっては手術とは……
ダイレクトリマッチなら歓迎するが、1年後の再戦は不要。
このまま勝ち逃げしていい。
考察 ~チャベスJr~
乱暴ながらも一言で試合を評すなら、大人と子どもの戦い。
ただし翻弄、応戦、蹂躙されたというわけではなく、
上り調子の若竹と下り坂に差し掛かろうかという古兵のあるべき交錯と言おうか。
Jrはキャリアのリセットがここからまだまだ可能だが、
マルチネスはキャリアの11ラウンドに差し掛かってしまったと言うべきか。
立ち上がりから、まるでフライ級時代の亀田興毅を見るような展開。
忖度するに試合前から相手に恐怖を感じていたのかな。
2ラウンドぐらいで早くもパフォーマンスを見せたが、
ああいうのは7~8割は余裕のなさの裏返し。
毎ラウンド開始時に相手にスツールをいやいや立っているように見えたし、
あまりのnon-agressivenessにセルヒオが業を煮やしたのも2度3度ではなかった。
それでも時折振るう左右フックはdecapitatingなパワーが込められ、
事実11、12ラウンドとそれが火を噴いた。
もっと早く攻めていればと思われるが、それは結果論。
先に攻めていれば、先に倒されていたかもしれない。
ただポンサクレック相手に結局最後まで手が出なかった興毅とは違い、
土壇場で見せ場を生み出せるのは「持っている男」の証左に他ならない。
11、12ラウンドのどちらかは Round of the Year に選ばれるだろう。
長嶋一茂には月見草チームに入るという不幸があったが、
JrはS・マルチネスと同時代に生きたことを悔やむ必要などない。
ゲストのOlympic Gold Medalist村田の言葉
「強いやつと戦ってこそ証明できるものがある」
は深く、重く、正しい。
予想は的中せず。
それもまた愉しからずや。
JCC Jr has finally earned my respect.