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王者 フェルナンド・モンティエル VS 挑戦者 ノニト・ドネア
ドネア 2ラウンドTKO勝利
考察 ~モンティエル~
トレーニングキャンプでのイメージ、減量、計量後の増量(134lb)のどこかに
ミスがあったとは感じられなかった。
なぜなら比較的静かでやや劣勢な立ち上がりは長谷川戦を彷彿させたから。
切るべきカードを切るタイミングを計っているように感じた観戦者は多かったはず。
最大の誤算はフェイントが早々に見切られたこと。
左右ともに微妙で微細なフェイントを入れていたが通用しなかった。
フェイントの要諦はリズムの構築とリズムの撹乱。
刹那の間隙を縫っての一発、当たりだしたら当たり続ける連打。
その始動を粉砕するカウンターを打ち込まれるのはもはや誤算ではなく予測の埒外の出来事。
ハプニングというよりもアクシデントと呼ぶ方が近いか。
よく「雷に打たれたような」と表現するが、
あの左フックを喰らった瞬間はまさに大脳に電気がビリビリッと来たことだろう。
管理人は数年前に一度だけてんかん発作の現場に居合わせたことがあるが、
不随意に四肢を痙攣させたモンティエルの様にそのことを思い出してしまった。
長谷川戦の鮮烈な戦勝そのままに今度は自身が倒されたわけだが、
モンティエルも長谷川も評価は下降しない。
挑戦者の力が王者を上回っていただけ。
”構図”や”結末”としては驚くに当たらない。
刮目すべきはその”衝撃”の度合いに対してのみ。
考察 ~ドネア~
Knockout of the Year決定の一発と2月の段階で断言しても異論はなかろう。
にらみ合いが続くと予想したが、結果はご覧の通りの大ハズレ。
初回から左がボディに2度突き刺さり、顔面にも一発入った。
心理的な駆け引きを拒否するかのようにスピードで煽り、スピードで打ち込んだ。
対戦者同士にしか見えない火花は確かに散っていたが、
実際のところはこのレベルの競技者でなければ相手の心情の忖度などできはしない。
微に入り細を穿った駆け引きだったからではなく、
その駆け引きを読み取ろうとするこちらの思考速度を遥かに上回る展開と
それにふさわしい唐突かつ計算されたフィニッシュ。
フェイントに反応しないというのは読み切っているからか、
(そもそもフェイントに気付かないというのもいたが)
己の眼によほどの自身があるかのいずれかだろうが、
ドネアの場合はその両方と見る。
テクニカルなカウンターパンチャーは虚実のあわいに対戦者を落とし込むが、
「フィリピンの閃光」はそれを超越する領域に到達したようだ。
因縁の名城は負け戦で勇名を馳せた真田幸村に扮して史実通りに玉砕したが、
その真田幸村つながりで評すれば、ドネアの閃光さながらのカウンターの左フックは
「其の速かなるは疾雷の耳を掩ふに及ばざるが如し」か。
武器で言えば日本刀、それも居合切り。
さらに日本のボクサー絡みで言うならば、亀田興毅、下田、西岡、長谷川の4名は
単にサウスポーだというだけでドネアに対しての勝ち目がないようにすら思える。
ドネア 2ラウンドTKO勝利
考察 ~モンティエル~
トレーニングキャンプでのイメージ、減量、計量後の増量(134lb)のどこかに
ミスがあったとは感じられなかった。
なぜなら比較的静かでやや劣勢な立ち上がりは長谷川戦を彷彿させたから。
切るべきカードを切るタイミングを計っているように感じた観戦者は多かったはず。
最大の誤算はフェイントが早々に見切られたこと。
左右ともに微妙で微細なフェイントを入れていたが通用しなかった。
フェイントの要諦はリズムの構築とリズムの撹乱。
刹那の間隙を縫っての一発、当たりだしたら当たり続ける連打。
その始動を粉砕するカウンターを打ち込まれるのはもはや誤算ではなく予測の埒外の出来事。
ハプニングというよりもアクシデントと呼ぶ方が近いか。
よく「雷に打たれたような」と表現するが、
あの左フックを喰らった瞬間はまさに大脳に電気がビリビリッと来たことだろう。
管理人は数年前に一度だけてんかん発作の現場に居合わせたことがあるが、
不随意に四肢を痙攣させたモンティエルの様にそのことを思い出してしまった。
長谷川戦の鮮烈な戦勝そのままに今度は自身が倒されたわけだが、
モンティエルも長谷川も評価は下降しない。
挑戦者の力が王者を上回っていただけ。
”構図”や”結末”としては驚くに当たらない。
刮目すべきはその”衝撃”の度合いに対してのみ。
考察 ~ドネア~
Knockout of the Year決定の一発と2月の段階で断言しても異論はなかろう。
にらみ合いが続くと予想したが、結果はご覧の通りの大ハズレ。
初回から左がボディに2度突き刺さり、顔面にも一発入った。
心理的な駆け引きを拒否するかのようにスピードで煽り、スピードで打ち込んだ。
対戦者同士にしか見えない火花は確かに散っていたが、
実際のところはこのレベルの競技者でなければ相手の心情の忖度などできはしない。
微に入り細を穿った駆け引きだったからではなく、
その駆け引きを読み取ろうとするこちらの思考速度を遥かに上回る展開と
それにふさわしい唐突かつ計算されたフィニッシュ。
フェイントに反応しないというのは読み切っているからか、
(そもそもフェイントに気付かないというのもいたが)
己の眼によほどの自身があるかのいずれかだろうが、
ドネアの場合はその両方と見る。
テクニカルなカウンターパンチャーは虚実のあわいに対戦者を落とし込むが、
「フィリピンの閃光」はそれを超越する領域に到達したようだ。
因縁の名城は負け戦で勇名を馳せた真田幸村に扮して史実通りに玉砕したが、
その真田幸村つながりで評すれば、ドネアの閃光さながらのカウンターの左フックは
「其の速かなるは疾雷の耳を掩ふに及ばざるが如し」か。
武器で言えば日本刀、それも居合切り。
さらに日本のボクサー絡みで言うならば、亀田興毅、下田、西岡、長谷川の4名は
単にサウスポーだというだけでドネアに対しての勝ち目がないようにすら思える。
サウスポーが不利というのは、ジャブに左フックを合わせられてしまい、手詰まりになるということですか?
モンティエルが捨てパンチを打ってガードが空いたところを「こざかしい!」とばかりに左フック一閃! まさに居合い。
余計な駆け引きなんて無用。
ちょっとでも相手にスキができた瞬間、そこに
恐ろしく速い全力パンチをぶち込む。
正直、ドネアのような選手は見ていて気持ちいいですよね。
モンティエルには悪いけど、今回に限っては熟練された技巧も、軟弱な「小細工」に見えてしまったよ・・・
えいすけさん - 熟練の技巧が軟弱な小細工に見える。まさに言い得て妙ですね。剣の道には詳しくないのですが、ドネアにはフェンシングや剣道のような瞬間的な勝負勘がありますね。それにしても「フィリピンの閃光」というのは誰が名付け親なのでしょうか。これほど名が体を表す例は珍しいと思います。
さんちょうさん - ボクシングにおける様式美には様々あると思いますが、戦慄走るKOシーンというのがやっぱり最も華がありますね。私はどういうわけか偶然のバッティング後のボクサー同士のグローブタッチが好きですね。池原vsシドレンコの何ラウンドでしたか、池原が右のグローブで額をポンポンとやりながらバッティングをアピールすると、シドレンコがガードをすっと解いて即座に直立不動になり左グローブを差し出したところ。そこで両者が間髪入れずグローブを合わせ、まさに阿吽の呼吸で両者が同時にガードを構築した場面が特に印象的です。ボクシングにおける一連のアクションにはその選手のキャリア、トレーニング、性格までもが往々にして現れてきます。そういうところも美しいと感じます。