BOXING観戦日記

WOWOWエキサイトマッチなどの観戦記

WBC世界フライ級タイトルマッチ 内藤大助VS清水智信

2008-07-30 22:03:12 | Boxing
内藤 10ラウンドKO防衛

相変わらず左フックをもらったらスッテーンと転ばされそうなスタンスで戦うが、
逆に左フックで清水に決定的ダメージを与えられるのだから大したもの。
清水のフットワークとカウンターの巧みさに誤算があったか、途中採点で狼狽を受け入れたか、
距離とタイミングを合わせる工夫に欠けていた感があるが、
勝負所を見誤らなかったのはお見事。
ひょっとしてオーソドックスが苦手になってしまったのか?
左ボディが鳴りを潜めていたが、右ショートアッパーは来ないのだから
勇気をもって飛び込んでほしかった。
それとも右ストの打ちおろしでビビった、またはダメージがあったのか。
ミランダ戦に向けてやや暗雲が立ち込めている。

清水には世界戦の経験が生きていた。
個人的に感銘を受けたのは左足首と左膝の使い方。
A・マルガリートとは比ぶべくもないが、清水の左腕と左足の連動は見事だ。
単発になりがちなジャブだが、相手を退がらせるジャブ、牽制するジャブを
つま先の蹴り出しと左膝の屈伸で打ち分けていた。
翁長よりはるかに上の能力を持っているんじゃない?
左の体側を軸に巻き込むようなフックを打てるようになれば世界獲れるよ。


後記

相変わらずTBSの実況と解説は無能だ。
徳山が1ラウンド47秒負けだと?1ラウンド1分47秒TKO負けだ。
清水が13勝5敗だと?13勝2敗だ。
「チャンピオン、劣勢ですがどうすればいいですか?」
「・・・うーん、有効打を当てていきたいですね」
いったい視聴者に何を伝えたいんだ?

さらに内藤防衛成功直後の亀田の乱入。
WWEのフライ級タイトルマッチじゃないんだ。
挑戦を表明したいのなら挑戦状を携えて控え室へ行けばいい。
優等生を演じているが、boxingscene.comで知り合ったメキシカンから
現地での悪い噂をいっぱい聞いてるぞ。
Private Messageを公開しようなどとは思わないが。
内藤であれ坂田であれ王者に挑む前にマニー・ローマンと戦うべきだ。

追記

予想は2つがドンピシャ、1つは大ハズレ。
坂田王者、おめでとう&ごめんなさい。
個人的には坂田vs亀田が実現するように祈ってます。

WBA世界フライ級タイトルマッチ 坂田健文VS久高寛之

2008-07-30 22:00:28 | Boxing
坂田 ユナニマスディシジョンで防衛成功

管理人採点では1,2,3,7,12は久高に与えてもいい。
坂田に118は与え過ぎだと思うが・・・
それにしても坂田、こんなに雑なファイターだったか?
顔面を血に染めずに戦い終えたのがバスケス戦以来ないのは気掛かりだ。
距離を潰して細かいパンチを当てていく。
シンプルながらそれが坂田の持ち味だ。
この試合でもある程度それは実践できたが、頭を動かすなり、体を振るなり、
フェイントを交えるなどしないと、必要のないダメージを受けてしまう。
山口戦でもそうだったが、ワン・ツーに頼り過ぎの感も否めない。
スタミナと突進力は世界のフライ級の中でも特筆大書できるが、そこにやや陰りが見られた。
久高の左ジャブ、右アッパーで素直に止まってしまう場面もたびたび見られ、
パンチを受け止める力は低下していると思う。
露骨にKOを狙っていたのかもしれないが、パンチだけが前に出過ぎて、
下半身の安定を欠くところもあった。
相手が強豪でないと真価を発揮できないというのは本当かもしれない。
しぶとく防衛を重ねていく予感はあるが、安定王者の雰囲気は感じない。
しかし、本人が目指すのはそんなものではないだろう。
不屈の意志で戦い抜く姿は泥臭くも美しい。
個人的な意見だが、愚直さと泥臭さでは川嶋勝重を超えたと言っていいと思う。

久高は2ラウンドで安心してしまったか。
山口と同じ轍を踏んだとも言えるが、不甲斐なさすぎた。
嶋田と一緒だったとも言える。
カウンターを狙うのは構わんし、それで正解だが、
一発当てるたびに感触を確かめるのはやめろと言いたい。
これはカウンターパンチャーの持病なのか。
killer instinct不足だと言ってしまえばそれまでだが、
坂田の前進を止めるには息の根を止めるしかないのだから、
そのつもりで襲いかからないといけない。
展開次第では勝利の芽もあった。
バッティングでも何でもいいから右目を潰して負傷判定に持ち込むぐらいの勢いが欲しかった。
(あくまで勢いね。本当にやったら大問題)
残念ながら世界戦のチャンスはあと3年は得られないだろう。

WBA世界ウェルター級タイトルマッチ ミゲール・コットVSアントニオ・マルガリート

2008-07-28 23:21:35 | Boxing
マルガリート 11ラウンドTKOで勝利

2ラウンドにコットが打ち合いに応じたことで、3ラウンドの対応次第で勝負が決まると感じたが、
引き続きアウトボクシングを選択したことでマルガリートの勝利を確信した。
逆説的だが、痛めつけることに主眼を置いたマルガリートと勝ちにいったコットの違い(≠差)が出た。
相手を倒さない限り、いつ倒されるかわからない。
これがボクシングの恐ろしいところ。
コットの敗因、あるいはマルガリートの勝因を挙げるのは簡単だ。
サイズ、打たれ強さ、スタミナ、メンタリティ、ゲームプラン、どれも等しく正解だと思う。
個人的に一番の要因として挙げたいのは、コットの勝ちたいという気持ちの在り様だ。
この日のコットからは勝利への執念ではなく、勝利への希望が感じられた。
その希望が絶望に転化した時、コットの敗北は決定していたように思う。
本人に訊いてみないと分からないが、おそらく6ラウンドぐらいから恐怖感を覚えたのでは?
「ヤバい」という危機感はこれまで何度も味わってきただろう。
トーレス戦、コーリー戦、ジュダー戦、モズリー戦とそういった機会はいくらでもあった。
「怖い」と思ったのは、しかし、この夜が初めてだったのではないかと思う。
あれだけカウンターを顔面に打ち込んでも平然と前に出てくる、
自分の一番の武器である左ボディを打たせてくれる距離または隙は作ってくれない、
闇雲な連打に見えるが、テンプル、アゴ、リバーといった急所を的確に狙ってくるなど、
マルガリートはただ体格の利を活かすだけの突貫ファイターではなく、
洗練された技術を持った叩き上げのボクサーであることを思い知ったに違いない。

それにしてもマルガリートのこの打たれ強さと意志の力はどうだ。
あれだけ顔面にパンチを打ち込まれながら微塵もダメージを感じさせないとは。
生まれ持った頑丈さとキャリアで培ったパンチの受け止め方を身につけているとはいえ、
これはもう人間離れしているとしか表現できない。
アンドラーデといいマルガリートといい、大型メキシカンのタフさには舌を巻くばかりだ。
そのタフネスをコットに分けてやれよ、とさえ思ってしまう。

そのコットだが、終わってしまったかもしれない。
マルガリートもかなり弱ってきてはいたはずだが、
それを冷静に判断するだけの余裕はコットにはなかったと思う。
パッキャオに圧倒されたD・ディアスはまたリングに帰ってくるだろうが、
コットは果たしてこれまでの力量を保持したコットのままリングに帰ってくることができるか、
個人的にはほぼ不可能だと考えている。
一度目のダウンは肉体へのダメージの蓄積、二度目のダウンは精神的な屈伏だった。
無敗の選手が敗北を喫した時、立ち直れるかどうかは負け方によるところが大きい。
立ち直った例はオスカー・デラホーヤや内藤大助など。
立ち直れなかった例はバルガス、フレイタス、レイシーなど。
コットは後者の部類に入ると見る。

予想で、コットが勝ってもデラホーヤやメイウェザーは引っ張りだせないと書いたけど、
この内容で勝ったとしたら、メイウェザーが喜々として引退撤回しただろうね。
当然、デラホーヤも熱烈なラブコールを送ったことだろう。
逆にマルガリートはさらにビッグマッチから遠ざかってしまった感がある。
ここは何としてもデラホーヤVSマルガリートの機運を高めたいところだが、
次戦にモズリー、その後にコットとのリマッチだと?
そんなマッチメークは無意味で無価値だ。
コットはそもそも再戦など受けないだろう。
シントロンの二の舞を演じるのは火を見るより明らかだ。
マルガリートがデラホーヤを叩きのめし、JCCのリベンジを果たすことで、
メキシコボクシングは復権し、アメリカボクシングは新世代に突入する。
アメリカ・メキシコ両国の世論の盛り上がりに期待したい。

LA BATALLA アンダーカード

2008-07-28 22:42:39 | Boxing
S・バンタム級10回戦 バーナベ・コンセプションVSアダム・カレラ

コンセプション 3ラウンドTKO勝ち

若さと躍動感にあふれたいいボクサーだ。
パッキャオ的であり、3ラウンドのKO前に見せた左フックはドネア的でもあった。
順調にいけば1~2年で比墨戦争の最前線で戦う優秀な兵隊になるだろう。


S・ライト級10回戦 マイク・アルバラードVSセサール・バサン

アルバラード 4ラウンドKO勝利

新鋭VSベテランらしい構図。
若造にアッパーを教授する場面、若造の馬力に屈する場面、
10敗を喫しながらもリングに上がり続けるベテランの意地に哀愁が漂う。
戦い続けるのは若者の壁となって立ち塞がるためか、
若者の飛躍を助ける踏み台となるためなのか。

国内・海外の注目タイトルマッチを勝手に大予想

2008-07-24 22:09:09 | Boxing
☆国内編☆

WBA世界フライ級タイトルマッチ
王者 坂田健文 vs 挑戦者 久高寛之

予想:久高が中盤から終盤にKO勝利

坂田陥落の予感。
明確な根拠があるわけではないが、歴戦の疲労・ダメージがそろそろ顔を出してくると見る。
アゴの骨折は完治したとはいえ、骨の強度までが100%回復しているとは考えづらい。
坂田攻略の鍵は中盤から後半にあると思う。
前半は久高が流して戦ってもポイントは取れるだろう。
坂田のエンジンがかかってきた時に強気で迎え撃てるかどうか。
坂田のスタミナとプレスにうんざりしては駄目だ。
「いくらでも向かってこい。なんぼでもカウンターぶち込んだるわ!」
ぐらいの心構えで戦えば、十分に勝ち目はある。
あるいは最初の3~4ラウンドで全精力を注ぎ込んでしまってもいいかもしれない。
アゴを割られても戦いを放棄しない坂田なのだから、
息の根を止めるぐらいのつもりで襲いかかってしまってもいい。
6:4で久高だ。


WBC世界フライ級タイトルマッチ
王者 内藤大助 vs 挑戦者 清水智信

予想:内藤が終盤にKO勝利

しばしばtrickyと評される内藤のボクシングだが、まさにそのとおりだ。
変則は正統派に強く、また逆も真なり(vice versa)と言えるが、
結局、勝敗を分けるのはどれだけ自身のボクシングに熟達しているかという点だ。
内藤のボクシングの変則具合がよく分からないという人は、パンチのリズムに注目してほしい。
変速と表現しても間違いではないのではないか、と思えるほど、彼のパンチのリズムは一定しない。
ボクシングと音楽には実は共通点が多い。
ジャブからストレートのワン・ツーや返しのフックを加えたワン・ツー・スリーなどからは、
そのボクサー自身が持っているリズムが明確に現れる。
坂田などは愚直とも言えるほど一定のリズムで手を出すが、
内藤が刻むパンチのリズムは他のボクサーとは全く異質である。
ポンサクレック4戦のビデオを見直せば、そんな場面がいくつもある。
ジャブで飛び込んで、間髪入れず左フックをボディへと見せかけて一拍休み、
ポンサクレックが右を振るおうとした瞬間に左ボディを放ち、
すかさずポンサクレックの右に合わせた右のカウンターを顔面にヒットさせた場面など、
何度見ても混乱させられる。
清水も久高と同じく、メンタルタフネスを試される試合となる。
コテルニクがリースを破ったように、正統派が変則に勝つには、
peace of mindを保つことが重要となる。
清水の世界戦の敗戦、日本タイトル奪取の経験が問われる。
8:2で内藤と見る。

★海外編★

WBA世界ウェルター級タイトルマッチ
王者 ミゲール・コット vs 挑戦者 アントニオ・マルガリート

予想:マルガリートが中盤から終盤にかけてKO勝利

現地の賭け率はコット有利で推移しているようだが、
管理人はティファナの竜巻を推したい。
正直な話、コットってそんなに強いかなあ?
確かに強豪ではあるが、一番のウリが無敗というのはいま一つ魅力に欠ける。
打たれ弱さはトーレス戦(これはSライトだったか)やジュダー、モズリー戦で明らかだし、
攻撃力もウェルター級ではトップクラスとは言い難いと思う。
一番の武器である左ボディが当たる距離はマルガリートが望む距離でもあり、
マルガリートのタフネスと縦から横から際限なく繰り出される連打と
コットのアゴの脆さを合わせて考えれば、明らかにコットが不利だ。
陣営が明言しているように毎ラウンド確実にポイントを奪う作戦を実行するのか?
モズリー戦の終盤に見せたようなパフォーマンスを見せるようでは、
万が一勝ったとしてもデラホーヤを引っ張りだせないと思う。
無論、メイウェザーも。
マルガリートはここまで5敗を喫しているが、それで今の地位にあることの意味は大きい。
ボクシングにおける1勝または1敗は他の競技のそれと比べて圧倒的に重く、
だからこそ無敗=undefeatedという響きが一種のステータスともなり得る。
だが、負けを重ねながらもしぶとく生き残るボクサーにも注目したい。
C・ドーソンに惜敗したグレン・ジョンソンが好個の一例だ。
長らくスター不在だったライトヘビー級ゆえの悲劇の判定だったと言えるが、
ウェルター級タイトルマッチではこういうことは起こらないと信じたい。
待望のビッグマッチ、さらにその先のデラホーヤのラストファイト、
メイウェザーを引きずり出してのP4P決定戦などで意気上がるマルガリートが7:3で有利か。

WBC・WBO世界ミドル級タイトルマッチ ケリー・パブリックVSゲイリー・ロケット

2008-07-21 23:19:59 | Boxing
パブリック 3ラウンドTKO勝利

こちらのミドル級王者も存分に持ち味を発揮した。
恵まれた身長とリーチでロケットを圧倒したが、
一番の見せ場は左ジャブに右クロスを返されてもろに被弾した直後の表情。
あのニヤリという不敵な笑みにこの選手のメンタルタフネスを改めて感じた。
私見だが、パブリックは決して打たれ強くない。
我慢強いんだ。
被弾のダメージを全く見せないことでロケットを心理的に圧迫させたことで
圧勝につながったが、このファイトスタイルは危険だ。
ストッピングは上達していたが、やはりテーラーとの初戦のダウン応酬で
懲りた面があったのだろう。
ホプキンスと対戦する必要などない。年末にでもアブラハムと三冠統一戦を行うべきだ。

イギリスからの刺客ロケットだったが、無残としか言えない。
右クロスをぶち込んで活路を切り開くプランは2ラウンド途中までは有効だったが、
クリーンヒットさせた直後に上からあの笑顔で見下ろされたら、
どうやってもパニックに陥らざるを得ない。
精神と肉体の両方が音を上げるのは時間の問題だった。

S・ミドル級12回戦 アルツール・アブラハムVSエディソン・ミランダ

2008-07-21 23:10:11 | Boxing
アブラハム 4ラウンドTKO勝利

アーサー王、アメリカに上陸す。
やっぱりボクシングは不公平な競技だ。
どれだけ攻勢を仕掛けようと、ポイントを奪おうと、KOされれば一巻の終わり。
アブラハムはそれを知っている。
ここ3試合ほどで左に新境地を見出したのだろうか、ダウンを奪ったのは全て左だった。
一度目のダウンは右のカウンターですでにミランダがぐらついていたが、
2年前の時点ならあそこで左フックの切り返しは出なかった。
底が見えそうで見えないボクサーと以前評した記憶があるが、
アブラハムのボクシングにも深みが出てきた。

パンテーラはある意味で終わったかな。
アブラハムより先にSミドルにadjustしていたはずだが、そこで完敗。
パブリック戦で深刻なダメージを負ったかと心配していたが、
壊れていたような印象は受けなかった。
チャンピオンとして勝ち続けてきたアブラハムと世界戦線一歩手前で足踏みしていたミランダの
成長度、充実度の差が出てしまったのか。
獲物に飛びかかる黒豹さながらの攻撃力は健在だったが、
6勝0敗と験の良い会場で敗れたこと、自分に有利な(はずの)ウェートで敗れたことで、
今後のモチベーションの上げ方に苦労するだろう。

WBO世界S・バンタム級タイトルマッチ ダニエル・ポンセ・デ・レオンVSファン・マヌエル・ロペス

2008-07-21 22:58:48 | Boxing
ロペス 1ラウンドTKO勝利

ロペスの右フックの切れ味に舌を巻いてしまった。
脇を絞った状態から肘をたたんで振り抜くフックとは違い、
この選手はフックを腕のpronation=内旋を効かせて打つ。
相手の頭部が完全に自分の懐の中に収まっていながら
あれだけのダメージを与えられるのだから、この右フックはロペスの持ち味なのだろう。
元オリンピアンということだが、アマチュアらしさが良い意味で全く感じられない。
プエルトリコは定期的にスターを生むから羨ましい。

デ・レオンも負ける時にはあっさり陥落する予感はペニャロサ戦から漂っていたが、
これほどの完敗は予想していなかった。
当然リベンジするしかないが、プロモーターが首を縦に振るかどうか。
中途半端というか評価が微妙に上がり下がりするチャンピオンだったが、
地力自体はそこそこある。
返り咲きは難しいが、ロペスを標的に戦い続けるしかない。
かくしてメキシコとプエルトリコの因縁と確執は続く。

WBC世界L・フライ級タイトルマッチ エドガル・ソーサVS國重隆

2008-07-21 22:47:27 | Boxing
ソーサ 8ラウンドTKO勝利

無念、國重・・・
敵地での挑戦ということを意識したのかもしれないが、
中間距離でボクシングをしても勝ち目は薄いのだから、
いつもどおりのクリンチ戦法で良かったのでは?
結果論に過ぎないがそう思ってしまう。
武器であるはずの左ストレートもダイレクトで振るうことはほとんどせず、
ほぼ必ず右ジャブから繰り出され、伸びがあるが故に返しの右フックがついてこない。
そこをソーサに上手く突かれてしまった。
計量で不正が行われたと報じられた試合で、正直、観戦意欲が損なわれていたが、
果敢に戦った國重の姿勢だけは称えるに値する。

ソーサは生粋のメキシカンファイターの叩き上げで、見るたびに面構えが凄みを増している感じ。
浜さんが指摘したように、試合をこなしながら成長してきたのだろう。
腰の位置が安定していて、自分の距離になった時には小気味よく連打を上下に打ち分けられる。
ストップがかなり早かったが、あれはあれでいいのだろう。
松田の時は正直?だったが、今回は一方的な嬲り殺しを未然に防いだレフェリーの好判断だった。

IBF・WBO世界ヘビー級タイトルマッチ ウラディミール・クリチコVSトニー・トンプソン

2008-07-14 22:23:51 | Boxing
クリチコ 11ラウンドKO勝利

相手が大柄になるだけでこんなに窮屈なボクシングをするようになるのか。
左のリードを活かせないというだけでリズムを失ってしまったが、
それにしてもスタミナがなさすぎる。
5ラウンドから口を開けてるようでは4団体統一は・・・それでもしちゃうんだろうけど。
案外ワルーエフあたりに喰われるかな?
10ラウンド終盤の足の踏みつけは個人的には悪印象。
マリーシアと呼べるようなtacticsではなかった。
イブラギモフ戦がkiller instinctゼロの試合だったからか、プロモーション関係かは分からないが、
ドイツ開催にしても塩試合すぎる。
タイソンのようなスピードやスリルをクリチコに求めているわけではないが、
ヘビー級のタイトルマッチというよりも単なる巨漢同士のタイトルマッチにしか見えなかった。
旧ソ連勢に席巻されているヘビー級だが、彼らのボクシングの根底にあるのはリズムと技術。
80年代、90年代のスピード、パワー、アグレッシブネスで構築されていたヘビー級時代の
再来を望むわけではないが、団体統一の旗頭のクリチコがこの相手にこの有様では・・・

トンプソンもアメリカの期待を背負っていたのかもしれないが、
完全に力不足、スピード不足、スタミナ不足、メンタルタフネス不足。
一体全体どこらへんがTigerなんだ?
まだホリィのほうがいいパフォーマンスを見せられる。
気乗りしないがデビッド・ヘイに期待するしかないのか。