BOXING観戦日記

WOWOWエキサイトマッチなどの観戦記

WBO世界Sライト級団体内王座統一戦

2010-01-23 00:27:39 | Boxing
正規王者 ティモシー・ブラッドリー VS 暫定王者 レイモント・ピーターソン

考察 ~ブラッドリー~

カーン、マイダナが台頭するSライト級で一歩抜け出したかな。
ジョー小泉はP・ウィテカーの左右を変えてエネルギッシュにしたようだと評するが
私にとってはactiveでbusyなメイウェザーを見るようでもあり、
往年のモハメド・アリのfloat like a butterfly, sting like a beeの
再現VTRを観るようでもあった。
サイドステップを駆使し、左を的確に打ち分けていく様はスピードの差というより
板垣vs星ばりの体感時間のズレにさえ思える、はさすがに大袈裟か。
左でコツコツ叩きながらダックしてのサイドステップは華麗すぎるmaneuverだが、
これを12ラウンド続けるには地味すぎる練習を積み重ねるしかない。
リズミカルに動けば疲れないとはジョー小泉の言だが、
リズミカルに打ち続けても疲れないのだ。
そしてそれは打たれずに打つからこそ可能な業で、
体重も重からず軽からずと、減量苦もないのだろう。
ストイックに練習に打ち込み、ノリノリで戦うボクサーは当節貴重な存在。
マリナッジと戦わせてみるのも面白い。
実現しないかねえ。


考察 ~ピーターソン~

右の一発の威力は最後の最後まで期待感を持続させたが、
強く打ちたい意識が強いあまりにわずかなテークバックのモーションを
正規王者に見切られた。
リングを両足親指で噛み、背骨を伸ばした状態から打つパンチは
癖のないモーションだが、特徴の無さそれ自体が見切りを容易にし、
フェイントも上体の振りもなしに当てるにはスピード差がありすぎた。
視界の外から巻き込むフックはこれまでの相手ならばもらってくれたが、
王者級ともなればさらに内側から捻り込み、また1発に対して2発を返してくる。
インサイドでは意外に打つ場所が見当たらず、あれこれ考えながら打った時には
相手は目の前から消えていただろう。
ミドルレンジでは詰めたい、右を打ちたいという意識に囚われ、
時に上体からつんのめるような格好にもなり、
また相手の余裕のスイッチにも心理を乱されたように見えた。
プランAのみで戦いに臨み、プランBを持たずして敗れた試合の典型だった。

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