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思索 電子回路 論評等 byホロン commux@mail.goo.ne.jp

なんとか会社を変えてやろう  

2007-09-17 22:28:46 | その他レビュー
柴田昌浩 著 日経ビジネス人文庫

問題点とは何か。これを余りにも的確に言い表しているので、随所で頷き、また、”そう!そう言いたかったんだ”という思いを代弁して、どんどん言ってくれる、その点では痛快無比、読んでいて胸のすく思いだ。例えば、「問題のある組織」を、”なるべく波風は立てたくない”という感覚が支配している状態、と一言で表しているが、正にその通りだと思う。また、「マネジメントに関する感度の悪い人」を、形式主義、権威主義、管理主義といった”型”を重んじるタイプの人、と言っており、これにも大いに賛成できる。更に、こんな問題ある組織であって、経営者がマネジメント感度の悪い人の場合、解決の方法はほとんどないので、できるだけ早く辞めて逃げ出した方がいい、と言い放たれており、思わず深い溜息をついてしまう。しかし、事実はその通りなのだ。

さて、この問題ある組織を変革し、健全な活力ある組織に改善していくことが、文化及び風土改革であり、その一つの手法が詳細に記述されているのであるが、この肝心な部分に可能性としての実感が湧いてこないのは、私の所属する組織が、もう処置無しの状態にあるからなのかも知れない。
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唯我論、独我論

2007-09-17 00:02:09 | 思索
人と社会が、その存在ゆえに有する病巣へのアプローチとしての考想。

常識的なAタイプ世界と、唯我論で展開されるBタイプ世界は、実際問題として何ら変わりがないが、BタイプはAタイプの意識反転であり、ロジックとして「全存在」と「単存在」である。

論理としての「単存在」故に、Bタイプ世界は、心理的に圧倒的に孤独で、身も凍りつくような宇宙である。AタイプとBタイプは心理的なポジとネガの関係と言える。
 
しかし、この孤独な心理的ネガの世界は、必ずしも否定的なものではなく、そこに身を置くことにより、宗教者の悟り、哲学者の明察、アーティストのインスピレーションの「きっかけ」になりうるものである。

人以外の動物、また幼少の人にBタイプが認識されることはなく、人がある年齢層に達した時に突然Bタイプが認識され、それ以降は人は二つの世界を有することになる。その後も、人の心的世界が無意識にBタイプになることは無く、積極的に意識反転することによってBタイプに身を置くことができる。しかしこれは一般論であり、異常な心理状態にあっては、自己の世界の同一性は定かではない。

Bタイプ世界は、宗教的悟り、哲学的解の一つであり、活性化したリビドーに基づき、Aタイプ世界と明確に関わることにより得られる。つまり、しっかりとAタイプに立脚してこそBタイプが認識される。しかし生き生きとした外界からリビドーが退却し、自己の内側に閉じ込められて、停滞してしまうと、Aタイプ世界の明確性が乏しくなり、その意識反転であるBタイプ世界も同時に不明確となって、両世界の境界線が曖昧となる。これによって無意識に移行してしまったBタイプ世界が、悪しき意味でのネガ世界である。
 
この悪しきネガ世界は、人間に対し、ある種のモラルの崩壊(モラルハザード)を引き起こす。なぜなら、それはモノクロで、モノトーンな世界であり、およそ他人 の痛みや苦しみを実感できない(それは影絵のよう……)で、ひいては、自分が生きているという実感さえ、危うくなるような場所である。
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