electric

思索 電子回路 論評等 byホロン commux@mail.goo.ne.jp

反転する世界2

2007-09-10 22:20:20 | 思索
実は、僕が「反転する世界」を書いたのは、正に、かの文集で巧妙に語られていた「唯我論」からインスピレーションを得てのことだったのです。

唯我論のネガ・ポジの間での僕自身の揺らぎ。これは案外大丈夫だと思っています。まず、ポジをロジックで無効にすることを、かの文集が教えてくれていますね。それだけでも多くの人は十分安定すると思いますが、僕の場合は、かなり昔のある時点で”Aタイプの宇宙に立脚する”と決めたのです。だからどうにか揺らぐこと無く今まで来れました。でも何故そう決めたのかな? ロジカルな根拠はもちろんありません。でもそれはかなり強い直感でしたね。その直感はBタイプの宇宙を完全に否定してしまうほどの強さがありました。その直感に訴えたものは、たぶん”耐え難い人の悲しみ”だったと思います。これほどのやるせない悲しみは、それが現実だからこそ知覚され得るのだと理性が結論付けたのでしょう。ホロコーストにせよ、イラク戦争にせよ、直感を確信に近づけていく出来事は、僕にとっては今も毎日のようにあります。これは世の全てが作為ではなく、偶然であることの裏づけにもなっています。もちろんこれも僕にとってということですが。

さて、Aタイプの宇宙を意識の中で展開すると、Bタイプの宇宙と見かけ上一致しますね。ネガ・ポジの関係であることには変わりませんが、両者とも意識の産物であり極めて近い位置にあるように思えます。そこでこのAタイプ宇宙の意識内概念をaタイプ宇宙とすると、人は日々の営みとしてAタイプとaタイプの宇宙の間を頻繁に往来しています。その往来はとても心地のよいことでもあり、人の心に豊かさをくれるものだと思います。

「反転する世界」ではaタイプ宇宙が、a’に反転する現象について考えてみました。a’タイプ宇宙は極めてネガティブ(悪しき意味での)な世界です。aを実軸とすると、a’は虚軸になり、僕はこの虚軸の世界が心の病を象徴するものと捉えています。人は様々な事情により、時として世界が反転し、虚軸の世界の息も止まるような苦しみを体験することもある訳ですが、実軸世界に戻る力は常に体内に作用しているのだと思っています。

原因と結果は相対的に入れ替わることがよくありますが、人間のリビドーが外界の対象にしっかり注がれているか、外界に対する生き生きとした関心を失ってしまうかは、むしろ、実軸世界から虚軸世界への反転の結果であるようにも思います。お互いが相関して入れ替わりながら、原因となりまた結果となるのかも知れませんね。

>「脳という機械」の単なる変調ではなく、人格と密接に関係した
>人間的な現象(実存の病)なのだと感じています。

そうですね。全てを脳機能に求めてしまうと、唯物論の中に取り込まれてしまいますね。全てが物質に還元できる?などと考えるとなんだか半信半疑ですが、ただ、昨今のフラフラさん達を見ていると、機械的故障が発生しているようにも見えてなりません。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする