中学校の体育館で避難していた被災者の方が、学校側から3日以内に退去してほしいとの通告を受け、どこへ行けばよいのか、戸惑うニュースを聞きました。もう体がすっかり弱り果てたシニアの方にとって、ガラスの割れた体育館への移動はとても残酷に聞こえます。
学校側は新1年生が入学してきても、教室がないという理由です。急遽仕切って使うとの話でしたが、中には学校側の言い分もわかると移動を決めた被災者もいました。どちらも悲しい現実です。そうした中で政府や自治体の姿がまったく見えないのはどうしたことでしょうか。次第に多くの関係者が疲労困憊の中で、思考能力が低下しているのかもしれません。
人命優先で、亡くなった方を懸命に探す自衛隊や警察官、その他危険な仕事に立ち向かう関係者の方やボランティアの昼夜を分かたず、活動する姿には尊ささえを感じます。にもかかわらず政府関係者の反応の鈍さと一体化しない駆け引きは本当に明日をもしれぬ命を持ちこたえている人たちに何をしているのか、遠くにいるからでしょうか。まったく見えません。
それを実行するのは政府や国会議員たちです。子どもも大人も団体も皆いろんな機関に募金をしてきました。今もしています。その何億円というお金はもう被災者に届いているのでしょうか。捧げた人もそう思いながら一日も早くとの思いで捧げた募金がじっと止っているようでは意味がありません。
私たち国民が見えない形で動かされることのないよう情報を充分公開し、早く戸惑いから解放してさし上げてほしいと思うのです。今も10万人の方々が避難生活をしています。細々とした食糧品しか与えられず、それで行き届いているなんて言うべきではありません。
力を落とさず、前に向かっていけるよう祈る私たちは、まだまだすることがあるのかもしれません。今、もう一度考えるときにしたいものです。
やさしいタイガー