ぼくが地域放送に関わるようになって、もう12年が過ぎました。回数も4月には600回を迎える予定です。 放送番組のタイトルが「絆を創るために」となっていますが、必ずしもすべて絆を意識してきたわけではあり ませんが、そこはかとなく感じてもらえれば、との思いで取り組んできました。
この間、ゲストとして出演した下さった方は193名にも及びます。中にはお目にかかった事もないのに、 いきなり電話で出演依頼をした方も含まれています。みなさん初めは躊躇される方も終わってみると 案外時間の経過が早かったと漏らす方がほとんどです。
このような方の中には今も交友が続いていて、ありがたいことだと感謝しています。放送といっても 地域放送ではないか、と捉えられるかもしれませんね。しかし、私たちが住んでいるところは小さな社会です。 その中の話題を拾いながら1時間じっくり話せる場などそうたくさんあるわけではないのです。
地域放送はメジャー局と違い、足もとの話題を拾い、人々に語りかけるのが使命ですから、高度な専門家が 豊富な知識を披露する場でもありません。ぼくの放送はそうはいっても極少の硬派な物ですから、いわば 大衆向きではないかもしれませんが、今の時代のように、雲行きが怪しくなれば、自分に降りかかってくる 難問に沈黙するわけには行きません。
それこそ、メディアが痛い目に遭わないためにも主張すべき事はできるだけ取り上げたいと思っているのです。 手弁当のボランティアが朴訥に話をするのもいいではなうかと思いながら取り組んでいます。結局のところ、 放送体験は、得たものが実に大きい事に、これはもう感謝しかありません。こんな超高齢者が毎週1回 マイクを通して話が出来るなど、ちょっと贅沢すぎるかもしれませんね。
リスナーの方々には失礼なことですが、これはもうぼく自身のために用意してくださった神からの贈り物の 時間なのだとありがたく頂戴しているのです。生き続けるための「よすが」とでもいえるでしょうか。
やさしいタイガー