夜なかなか寝つけないのが悩みの種ですが、そんなこともあって以前からずっとそうしているのですが、 床に入ると、イヤフォーンでラジオ深夜便を聞きながら、いつしか眠れることを待ちます。 ところがたまに放送の中身に興味を示すと、眠ることより聴き続けようという気になって、結局はまさに 深夜まで聴きっぱなしということになってしまいます。
先日がそうでした。出演していた詩人の方が、リクエスト曲にトワエ・モアの「虹と雪のバラード」をされ、 流れました。ご存知のように1972年の札幌冬季オリンピックのテーマ曲とも言える懐かしい曲です。 この詩人は札幌出身だそうで、真っ白な美しい雪景色が広がる札幌の街が、これを機会に変貌していったと 語っていました。
作詞したのは札幌医科大学の整形外科の教授で詩人でもある河邨文一郎先生です。 「虹と雪のバラードの一番はこんな歌詞です。 ”虹の地平に歩み出て 影たちが近づく手を取りあって 町ができる美しい街が あふれる旗 叫び そして唄 ぼくらは呼ぶあふれる夢に あの星たちのあいだに 眠っている北の空に 君の名を呼ぶ オリンピックと”
この詩には直接アスリートたちを表に出さず、選手たちの影を描き、夢や恋も生まれる白い町札幌の 発展を願う詩であると話していました。河邨先生をよく知るぼくは、生前の低音のよく透る声を思い浮かべ、 すっかりエキサイトして眠れない一夜となりました。 来月に開催されるピョンチャン・オリンピックの成功を祈ってこの唄をプレゼントしたい、そんな気分になりました。
やさしいタイガー