世の中には、いろんな分野で優れた才能を発揮する人が多いのに、いつも刺激を受けます。先日、大阪のある民間放送のラジオを聴いていたら、一人の女性ゲストが出ていて、その方が出版された本の紹介を兼ねてのインタビュー放送が聞こえてきました。
おっとりとした関西弁の語り口は、どこかやさしいお人柄を彷彿とさせるものがあり、最後まで引きずられるように聞き入ってしまいました。
で、この方は、12年間ある航空会社の客室乗務員をされた後、独立してコミュニケーション開発のような団体を主宰されて、マナーや話し方などの訓練をしている方です。さきごろ一冊の本をお出しになりました。
「100%好かれる1%の習慣」というタイトルで、要するによい人間関係を作るには、日々の生活の中からちょっとした心得があればできるということです。そういえば、とかく世の中腹立つことや周囲に対しても「われ関せず」といった人は確かに多く見受けます。いったい日本人はやさしいのか、相手への関心が薄いのか、しばしば戸惑うことがあります。
この方から受ける空気は、自分を振り返ることができない人は、周囲への気配りができない人に多いということのようでした。それにはこんな心得が必要なのではと言われます。
「目をかけ、気をかけ、声をかけ」の「3かけ」だと。なるほどそう思います。どれも簡単なようで、いざとなるとうまくいきません。幅広く人と付き合っていると、立派な人は多いのですが、反対の人もまた少なくありません。
世の中、すべて自分の好みの人ばかりと付き合っているわけではありません。表面的な付き合いで済む場合は、何も考えずに遠ざかっていけばよいのですが、やはりいろんな人との関係を豊かにしていくには、まず自分が発信者にならなければなりませんよね。目と気と声をかける、それは大事なことなのです。
さらに人間関係をうまく推めるにはもう一つあるのです。それは「3かん]というのです。
「共に感じる 共に汗をかく 共に歓ぶ」と言われていました。どれも「かん」と読みます。うなづける言葉です。やさしいようでいざ実行となると、難しい気もします。
これらに含まれている金言は、たった一つ、自分から変えていこうという姿勢があるかないかです。人間はちょっと耳が痛いような言葉は聞きたくないし、うっかり発言を指摘されたら、急いで言い訳をしたり、居直ってみたりすることもよく見かけます。明日の自分のためには今日から磨いていくことを大切にしないといけないとも思います。僕は謙虚になることでは、と思っています。
人は何歳になっても、成長しようという意欲を失ワなければ、新しい発見があるものです。僕はそう信じています。なかなか理屈通りにはいかないこともあるでしょうが。
やさしいタイガー