12月8日って?何の日?この日がかなり風化しているようだ。「戦争状態に入れり」とラジオから流れる声に国民は覚悟はしていたものの、さぞ仰天したことであろう。そして「撃ちてしやまん」と勝利を信じ込んでいたであろう。1941年12月8日は太平洋戦争に突入した日であることを今の若者は、ほとんど意識の中にない。実はぼくも結果として後で知るのであって、当時この日が戦争開始日だとは理解していなかったと思う。
過去の様々な苦難や犠牲や貧困、そして軍部の独裁政治は多くの後遺症を残した。オキナワにあり、ヒロシマ・ナガサキにあり、あらゆるところに悼みと痛みを残した。今の時代を多くの人は「平和ボケ」と感じている。平和を多少でも自分たちの誇りの中に組み入れることが出来たのは政治の力よりも国民の理性と監視の結果ではないか。
ぼけてもいい。大惨事は引き起こすよりはいい。口では平和といいながら実態はどんどん戦争の誘いに乗るような言動が日本の国の指導者たちの間から洩れるとき、ぼくたちはよい意味で「平和ボケ」を戦いに明け暮れる人々に輸出してもいいくらいだ。それが12月8日という日の意味では、とぼくは思っているのだ。大事な日だ。
やさしいタイガー