もうどこを歩いてもほとんどの大木の葉っぱは散って、まるで丸坊主になってしまった寂しい光景をみてしまう。ぼくはそんな光景を見るたびに、「葉っぱのフレディ」を思い出す。レオ・バスカリーナが書いた「大人の童話」は移ろう四季に合わせて繁っては散る葉っぱになぞらえて人のいのちについて教えている。
先日、ぼくが所属する団体のクリスマス会があった。そこでこの「葉っぱのフレディ」の背景の絵を描き、流す音楽も選び、そしてぼく自身が朗読した。初めての試みだ。アルコールが深まるにつれ、だいたいこんな真面目なプログラムは嫌われるのだが、シーンとしてみんな聴いてくれた。
ときにはちょっとした隙間にふと「考える」という時があってもよいのかもしれない。終わって「私はずっと以前から読んでいるの」という人や「会社で使ってみたいので拝借」という方に材料を渡した。人はときどきふざけた自分をさらけ出しながらも、心のどこかに大切なものを抱いていることをつたない朗読をとおして教えられた気がした。
やさしいタイガー