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喫茶 輪

コーヒーカップの耳

短歌誌「六甲」10月号

2017-10-19 08:47:41 | 文学
短歌誌「六甲」10月号を早くにお贈りいただいていた。

最初のページに載っている、志方ひろ子さんのこの歌。
  今朝もまたバッグの中を点検す畳の上にひっくり返して 
わたし笑ってしまいました。たった31文字の中に「ひっくり返して」なんて俗語を使うとは!
わたしの中の短歌のイメージとは大きく離れた言葉です。
詩でもなかなか使わないのでは?
ということで、わたしには新鮮でした。
こんなんやったらわたしにも作れるのではないか?と思わせられました。

牧野秀子さんの歌は相変わらず端正。
  のうぜん花の咲き継ぎ散り継ぐ八月はわれに祷りの日日の続くよ
お手本のような短歌。

次は田岡ひろ子さん。さすがに達者ですねえ。
  百歳の現役見せくれし日野原さん逝きぬテレビに粛と聞きたり
これを前書きとして
  「ふやすならほほえみのしわを」遺されし言葉大事に私はしまふ
  日野原さんの逝きし齢へ二十年どうなるだらう私の日日は

そして、ハッとする歌。  
  花に来て遊ぶだなんて言ったけれど蝶には蝶のひたすらの生
感受性がお若い。

この三人さんはもうベテランなのでしょうね。
誰にでも作れそうな気にさせて、でも実際は難しい。そんな感じの歌でしょうか。
  
コメント
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