goo blog サービス終了のお知らせ 

喫茶 輪

コーヒーカップの耳

『川端康成の運命のひと』

2022-03-30 19:23:54 | 本・雑誌
凄い本が届きました。



『川端康成の運命のひと 伊藤初代』(森本穫著・ミネルヴァ書房)8000円+税。
A5版の大型書籍です。
姫路在住の文芸評論家、森本穫氏から。
これは川端文学愛好家にとっては大いに貴重な本になるでしょう。
森本氏渾身の一冊。
ゆっくりじっくりと読ませていただきます。
今、最初の数ページを読んでみましたが、先を読むのが興味津々です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ソ連のワルクチ

2022-03-28 09:47:31 | 本・雑誌
ちょっと手に取った本、『女の居酒屋』です。



田辺聖子さんのエッセイ集。
初出は昭和56年の「週刊文春」。
古い本です。
その中のこのページに「オッ」と思いました。
←クリック。
《しかしソ連のやりくちも感心できない、目を覆うようなことばかりする。》
なんて文章が。
ソ連ソ連と書いてありますが、ロシアと変えたら今に通じるような。
でも、今は国名よりも「プーチン」ですね。
そこが昔と今の違いかも、ですが。

『コーヒーカップの耳』おもしろうて、やがて哀しき喫茶店。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

いい短編集でした

2022-03-13 16:20:29 | 本・雑誌
読み終えました。

短編集『麻衣子の小指』(藤代美沙子著・2011年・北星社刊)。
良かった。
短編小説が18篇。
私小説のようです。
わたしにも似たような生い立ちがあるので、より共感するのかもしれない。
女と男の違いはありますが。
それぞれの物語の根元には体験があって、テーマが設定され、創作を織り込みながら展開する。
心の体験とでもいうのだろうか、著者にとって大切な思いであり、だからこそそれは大切に描かれてゆく。
18篇のどれにも言えることで、読む方も知らず知らず大切に読むことになる。
心の綾を描いて見事というほかない。感動が深まるわけだ。
この人のほかの作品も読んでみたくなる。
次の本の計画はあるのだろうか?
この本が出てから11年過ぎているのだから、そろそろではないのだろうか?

『コーヒーカップの耳』 心の綾、人情の機微。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

無駄ではなかった

2022-03-13 08:51:49 | 本・雑誌
昨日のこと。
お借りしていた本、『徳川家康』第26巻を返却に図書館へ。
そして予約していた本を受け取りに。
ついでにエッセイの棚を覗いて、一冊お借りして帰りました。



ところが、予約してお借りした田辺聖子さんの本を調べてみると、思っていた事柄が載ってる様子がなく残念でした。
そして、棚から抜き出して借りた出久根さんの『日本人の美風』ですが、これはわたし所持している本で、以前このブログで紹介してました。
免許更新の認知症テスト大丈夫かな?
でも、健康のためにはプラスかも?
ちょっと寄り道したりで、約4500歩。
無駄ではなかったと思おう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最後の二行だけで

2022-03-11 15:10:48 | 本・雑誌
途中で読むのをしばらく休んでいたこの本。



『麻衣子の小指』ですが、残りを読み始めました。
今日は終りから三つ目の「不可愛」。
どうやら姫路のJR網干駅あたりが舞台になってるらしい。
読み始めて、「なんだ、こんな悲しいことばかり起こる小説」と思いながらだった。
もう後半、このまま終わるようなら、これはダメな小説だなと思っていたら、
最後の二行で、「うわっ!」だった。
そうか、すでに題の「不可愛」に答えが出ていたようなもんだった。
しかしそれに気づかずに読んでいた。「面白くないなあ」と思いながら。
それも作者の思惑通りだったんだろう。
いや、参りました。
いい小説でした。
やはりこの人の短編小説はいいと思う。
ここまでの十何作も大事に大事に読んできたが、やはり、一作読んで、すぐに次へは進めない。
じっくりと余韻を楽しんでからでないと。そんな思いがする作品集だ。
著者も、一作一作を大切に大切に書き継いで来られた作品のように思う。
藤代美沙子さん、世に知られてはいないけれど、いい小説を書く人だ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「おめでとう」?

2022-03-11 12:42:19 | 本・雑誌
昨年初めから読み始めた『徳川家康』だが、このほど26巻すべて読み終えた。

一巻当たり約500ページ、世界で最も長い小説。
50年ぶりぐらいになるだろうか?二度目の完読である。
若い時とはまた違った感動があった。

ところで、読み終えたのは今朝。
「読み終えた」と声に出したら、妻が「おめでとう」と言ってくれました。
本を読み終えて「おめでとう」と言われたのは初めてのこと。
わたしが一年以上も図書館へ通い続けて読み切ったのをそばで見ていての感想だったのかもしれない。思わず出た言葉なのだ。
わたしも感慨深いものがある。
残りの人生で、もう二度とこんな大長編を読むことはないだろう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『徳川家康』第26巻

2022-03-08 13:35:11 | 本・雑誌
『徳川家康』(山岡荘八著)第26巻を読んでいます。
若き日に一度は読んだ本ですけれど。



完結編です。
読み始めたのはたしか昨年初め。だからすでに一年以上。
読む本はほかにもたくさんあって、その合間のことではありますが。
それでも一巻約500ページ。しかも小さな文字。
これは世界最長篇ギネス記録の本ではなかったかな?
あと少しのところまで来ました。
もうこんな長編を読むことは一生ないでしょう。
先に「あとがき」を読んでみました。こう書き出されます。

《昭和25年3月から書き出した「小説徳川家康」が、足掛け18年後の昭和42年の陽春に終わった。これを書こうとして準備にとりかかったのはその2年前からだったので、私の年齢にすると満40歳から60歳まで、とにかく「平和――」に一つの祈りをこめて書き継いできたことになる。(略)私はこれをまず、わが家の庭の一隅にまつる「空中観音」の霊に供える。空中観音は、昭和20年の春、私が鹿児島県の鹿屋飛行場から大空に見送った特攻隊の若人たちの諸霊である。諸霊よ、私はあなたがたに、「後を頼む!」と云われた言葉を忘れてはいない。しかし微力な文学の徒であった私には、こうした方法の供養しかできなかったことを、笑って許してくれるであろうか。》

その後のいろんな世界紛争のことが書かれていて、次の言葉へ。

《この小説を契機にして、いよいよ家康の構想した「戦のない世界(当時の日本)」が、いろいろと世界の照明をあてられることになればうれしい。》

《やがて彼の神霊の鎮座している日光の地は、トインビー博士の指摘のように、平和の聖地として世界中から見直される日が来るのではなかろうか。》


この後もう少し書かれていて、

 昭和42年3月29日 空中観音小堂において       山岡荘八 》

とあります。

昨今のロシア、プーチンによるウクライナ攻撃の報道を見て、「いまだに人間は…」と情けなく思っている今日です。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

書は「人格から生まれる」

2022-03-02 11:14:26 | 本・雑誌
『行蔵は我にあり』より。
北大路魯山人の章。
《作品のよしあしは技術より、人格の現れなり、と魯山人は(略)語った。》と始まり
《つまりよき人でなくてはよき字は書けない。要するに人物の値打ちだけしか字は書けるものではないのです。》で終わる。
『行蔵は我にあり』は見開き2ページで、一人ずつの話が載っている。
読みやすく勉強になる本です。

しかし、わたしは自分の字を省みて恥ずかしい限り。
まあその程度の人格だ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

数学と詩

2022-02-22 15:49:34 | 本・雑誌
今読んでいる『小川洋子対話集』。
田辺聖子さんなど9人の人との対話集だが、そのうちの一人、詩人の清水哲夫さんがこんなことを言っている。
《僕の友達の数学者は、数学は詩なんだ、詩がわからないやつには数学ができないというのが持論なんです。》
ほほう、と思ってしまう。
わたし、教科の中で数学が最も好きで得意でした。
ただし中学生の時の話です。
あ、そうか、それで作る詩も中学生程度なんだ。

そして、小川さんはこう言っている。
「星や花や鳥が美しいという気持ちと全くイコールの感情を、数や数式に対して抱ける感性が、数学者には必要なんですね」
そこで、今日は、2022・2・22です。
そして200年後の今日は、2222・2・22です。
美しい!

『コーヒーカップの耳』中学生にもよく解る詩心満載の本。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「麻衣子の小指」

2022-02-17 09:56:23 | 本・雑誌

『麻衣子の小指』の第三作目、「麻衣子の小指」を読みました。
さすが、本のタイトルになっている作品です。
大いに感動しました。
登場人物4人の語りによって構成されています。
その構成が良かったです。
そして、何といっても語り口が見事。
作者は何度も何度も胸の内で言葉を転がしながら仕上げていったものと思います。
そして、そうしながら自らの思考を深めて。
これ、作者の朗読を聞いてみたいですね。
多分、作者は途中で泣くでしょうね。

『コーヒーカップの耳』 泣ける話がいっぱい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

宇宙人と知性の比較をするには

2022-02-16 17:30:01 | 本・雑誌
この本もまだ読んでる途中です。

『世にも美しい数学入門』(藤原正彦・小川洋子著)。
ほぼ終わりのところにこんな興味深いことが。

《どこかの宇宙人と地球人との知性を比較するときには、どうやって比較するか。文学を比較したってしようがない。物理だって(略)、化学だって(略)、だから比較にならない。ところが、数学だけは、必ず同じです。(略)。たとえばどこかの知的生物が地球にやってきて、「ここの生物の知能はどのくらいだ」と聞く。「フェルマー予想を解いた」とわれわれが言えば、「なるほど。なかなかのものだ」と言うに決まっている。われわれもどこかの星に行って、数学の話をすればだいたいわかる。》

なるほどね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

姫路朝日山

2022-02-16 15:15:03 | 本・雑誌
図書館からお借りしている本を読み終えたので、気になっている本を読み始めました。
 『麻衣子の小指』(藤代美沙子著)です。
この前、一作目を読んで良かったので、あとも早く読みたいと思っていたのでした。
で、第二作。
「秋の実り」ですが、これは想像していたものとは趣が違っていました。
軽く楽しめるもので、心の奥に刺さるというようなものではありません。
ただ途中で二度、思いがけない展開に驚かされましたが。
話の舞台は播州なのです。どうやら姫路。
しかも「朝日山」というのが出てきます。
なんということ。わたしこの前、すぐ近くまで行ってました。その時に撮った写真です。
姫路網干の朝日山です。

しかし、小説ではこの山に御社があって、そこに願をかけるという話。
わたしがググってみたところでは大日寺というお寺があるようです。でも神社はどうなのかな?
小説ですから、ここは創作なのかもしれませんね。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『麻衣子の小指』

2022-02-09 10:32:37 | 本・雑誌
姫路の森本穫さんからお送り頂いた『文芸日女道』642号の「畦道」(藤代美沙子)という短編小説が良かった。
作者、藤代さんのほかの作品も読んでみたくなり、その作品集を入手した。



『麻衣子の小指』(2011年・北星社刊)。
帯文を森本穫さんが書いておられる。
《人間の哀しさ、切なさを描いた、珠玉の作品集》
「作風は、一貫して、揺るがない。私たち読者は、藤代作品を読みながら、私たちの生きているこの世界が、結局は人間と人間との情愛によって成り立っており、それ以外の要素は所詮、どうでもよいことなのだと思い知らされる。」

短編が18作収められている。今は他に読まねばならない本が何冊もあるので全部は読めないが、冒頭の「腕」だけを読んでみた。
これは多分私小説だと思うが、わたしの人生の一部とも重なって思えて、身につまされるところがあった。
人の心の綾が静かな筆致で描かれていて感動するしかない。
あとの作品も読みたいが、今は辛抱。
因みに、巻末に解説があり、三人が書いておられる。
あら、そのお三人ともわたしの知った人。驚きました。
森本穫さん、高橋夏男さん、そして市川宏三さん。
市川さんはすでにお亡くなりになっているが、その昔、拙著、詩集『コーヒーカップの耳』を絶賛してくださった人。
そのお便りは今も所蔵しているが、便せん何枚もに詳しく感想を書いてくださっていて感激したのだった。
高橋夏男さんは、言わずと知れた加古川の詩人であり評伝作家。「輪」へも何度かご来店いただいたことがある人。
ということで、この『麻衣子の小指』はわたしにとって縁の深い本なのだ。
ただし、作者の藤代さんのことは全く知りません。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日本人の独創性

2022-02-06 22:46:55 | 本・雑誌
『世にも美しい数学入門』の中にこんなことが載っている。藤原正彦氏の話として。

《ノーベル賞に数学があったなら、日本人は20人は受けていただろう。》
《日本人には美的感受性が豊かだから数学をやるにはおあつらえ向きなのだ。》

そして、
《よく日本人に独創性がないなんて批判する変な評論家とか学者がいますけれども、まあそういうことを言う人の独創性がないことはわかりますけれども(笑)。
日本人というのは、ほんとうにすごい独創性、美的感受性を持っているんですね。欧米の国々は日本が猿真似だとか言って、自信を失わせようとする。ライバルに対しては、戦略上、相手の自信をなくさせるのが一番効果的ですから。それを鵜呑みにして日本人はダメだダメだと日本人までが言う。》


『コーヒーカップの耳』 ここに独創性あふれる日本人の姿が。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

変人?落合

2022-02-02 14:05:25 | 本・雑誌
図書館からお借りしてきた本です。



『落合博満論』(ねじめ正一著・集英社新書・2021年6月22日刊)。

何か月か前に予約したのですが、やっと。
まだあとに10人ぐらい待っておられます。
早く読んで回さなくっちゃ。
落合博満さんのこと、嫌われ者のように思われているふしがありますが、わたしは凄い人だと思っています。
チームを優勝させて辞めさせられた(?)監督さんですからね。
「あいうえ おちあいくん」を書いた絵本作家の武田美穂さんとねじめさんとの対談の章にこんなことが書かれています。

 武田 「普通の野球人とプライドの持ち方がちょっと違うんでしょうか。俺は監督だぞ、みたいな、立場や地位へのプライドはまったくなくて、でも、野球選手としての自分に対する責任とプライドはあるから、最初は首位打者を連続して獲りたい、やがて三冠王をもう一度獲りたい、とはなる。権力や地位志向じゃなくて、とても合理的ですよね。繰り返しちゃいますが、やはり、何といっても群れないスタンスが格好良い。(略)落合さんの代名詞「変人」は、(略)群れに属して、必要ならば忖度することもよし、とする日本人気質とは相容れない、おのれにとって「真っ当なこと」を貫く態度から冠されたと思っています。」
(略)
 ねじめ 「(略)落合は東芝府中に臨時工で入ってます。彼が中日の監督になってからも財界人に挨拶せず、球団幹部を困らせていたのは、その時の社会や組織の隅っこにいた目線があったのではないかと思っている(略)」


落合さん、阪神に来てくれないかなあ。簡単に優勝するでしょう。
でも無理でしょうね。ファンが許さないし、会社も呼ばないでしょう。
阪神では、野村さんのようにつぶされてしまうでしょう。それを予測して落合さんも阪神には決して来ないでしょうね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする