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喫茶 輪

コーヒーカップの耳

古書目録「けやき書店」130

2022-12-15 16:09:28 | 本・雑誌
気の毒に今年も送ってきてくださった。東京のけやき書店さんから。



立派な目録です。約360ページ。
そしてカラーページが美しい。17ページもあります。


まど・みちおさんの色紙が27500円。永井龍男の書簡が11000円。
わたし、むかし、まどさんからていねいなハガキをいただいています。そして、永井の葉書も所持していて、これに関するエッセイを最近書きました。1月号某誌に載ります。
今回最も高額だったのは開高健草稿(8枚)が220000円でした。
他に気になったのは田中冬二の詩集『故国の歌』、110000円。
田中冬二の書簡もわたし持っていて、それに関するエッセイを今年すでに書きました。
ほかにも興味深いものがたくさん。
楽しませてもらえます。

日本文学史秘話満載の本。『触媒のうた』
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落ち葉焚き

2022-11-27 09:42:40 | 本・雑誌
『一個・秋その他』を読み終え昨日図書館にお返ししました。

全編、美しく細やかな描写で魅了されました。
最後の方の「日常片々」の中にこんな場面が。いいですねえ!
←クリック。
わたしが特に興味を持ったのはこの文章。
《落ち葉焚きの匂いもよいものである。(略)通りがかりの人の身にまつわる。》
たしかにこんな情景がかつては日常的にあったものですが。
我が家の隣のお地蔵さんの境内でも焚いていましたが。
今はダメなんですね。
焚火をするには許可が要るのではなかったか?
こんな味気ないこと、永井龍男が知ったらどう思うだろうか。
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永井龍男の比喩

2022-11-23 10:15:28 | 本・雑誌
永井龍男の『一個 秋その他』だが、いい比喩がいっぱい出て来る。

今読んだのはこんなの。
《船頭のかけたエンジンが、ポンポンポンと弾んで鳴り出す。青い煙りの輪が、細い煙突から一枚一枚皿を投げるように空へ上がって、舟は速力を早める。》
その数行あとにはこんなの。
《川口の橋の上を、市電が通る。鉄骨で造った、鳥籠のような橋であった。》
こんなのがいっぱい。比喩を楽しむだけでも楽しい。
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昭和の小説

2022-11-20 09:46:12 | 本・雑誌
永井龍男の小説を読んでいる。



短編集だが、細やかで自然な描写が素晴らしい。
いっぱいいい描写が出て来るが、今読んでいるのはこんな場面。

《闇と雨気を存分に吸い込んだ植込みの重さで、門の脇のくぐり戸まできしんでいるような住居(すまい)だった。それに、もうずいぶん長く、植木屋も入っていない。
 くぐり戸のねじ鍵を締めながら、千三は外灯を見上げて、しばらくぬか雨に顔を濡らした。今年伸びた竹の細枝が、千三の行く手を半分さえぎって垂れていた。》
 「青梅雨」より。

「ねじ鍵」なんて昭和ですねえ。そういえばほかの場面で電灯のスイッチをひねって点けるというような表現もあった。
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また「負け嫌い」

2022-11-16 19:35:01 | 本・雑誌
読んでいる本『定本 高濱虚子全集』第十三巻ですが、「おっ」という箇所が。
本を読んでいてわたしはよく「おっ」と言います。
この箇所。
204ページ、6行目に「負け嫌ひ」という言葉があります。
昔のものを読んでいるとチョコチョコ出て来るんですけどねえ。
わたしが最近書いた原稿にこの言葉を使いました。
「宮っ子」11月号の「わが町この人あり」のページ。
原稿を提出した時に編集者から「間違いでは?」と言われたのですが、「これでお願いします」で我が意を通しました。
というのも、昔わたしの長男が小さい時に「負けず嫌いというのはおかしいよ。それも言うなら負ける嫌いでしょ」と言ったのです。
そう言われればそうだと、以来わたしは「負ける嫌い」あるいは「負け嫌い」を使ってます。昔の本を読んでいると出てきますしね。
ただし『広辞苑』には《ズは否定の強調から挿入されたもの》とあります。
でもやはり、わたしは納得がいかないですね。

因みに、この本、いい作りです。
開いたページが安定します。手で支えなくても置いて読めます。
今の本は開いて置くとパタンとすぐに閉じてしまいます。
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文春文庫に誤植が

2022-11-15 16:03:26 | 本・雑誌
わたしの車は古いので、ある部品が消耗してしまって取替えることに。
その部品が準備出来たとのことで今朝は修理工場に車を持ち込みました。
一時間以内に出来るとのことだったので、そこのロビーで待たせてもらうことに。
その時間つぶしのために本を持参。
『坂の上の雲(二)』です。
読んでいて「あれ?」と思う箇所が。

誤植です。234ページ。
二行目、丸印のところ。
《面会日を指定してきた。》
珍しいですねえ。一流出版社の文庫本にこんな単純な誤植があるとは。
しかもこの本、第15刷です。

車の修理は20分で済みました。
後期高齢車なので、修理代も一割にしてもらえないかなあ?
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「坂の上の雲」に高浜虚子が

2022-11-07 08:31:39 | 本・雑誌
先日から読んでいる『坂の上の雲』に高浜虚子がチラチラと登場します。

主役の一人、秋山直之に憧れる少年として。
その虚子の直筆ハガキをわたしは所持しています。
言わずと知れた宮崎翁から託されたものです。

小さく「虚子」と署名されています。
虚子の性格は頑なだったという説もありますが、どうだったのでしょうか。
この署名を見ると、控えめな人だったのかとも思えますが。
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長編小説に再挑戦

2022-11-04 08:32:48 | 本・雑誌
昨年から今年に一年間かけて大長編小説『徳川家康』全26巻を読み切った。
長編小説のギネスブックに登録されているとか。
読み切った時に、もう今後長編小説は読まないと思ったのだった。
ところがまた今、性懲りもなく長編小説を読み始めた。
司馬遼太郎さんの『坂の上の雲』だ。



司馬さんの代表作はほとんど読ませてもらっていて、この『坂の上の雲』も以前に読み始めたのだった。
だから全8巻、購入してある。しかしなぜか途中で挫折してしまっていた。
わたしはいつも何冊かの本を併読しているので、別の本に集中してしまって離れてしまい、そのままになったのかもしれない。
でも今回再挑戦。『徳川家康』ほどの大長編ではないので今度は読み切りたい。


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『薄紅色のいのちを抱いて』読了

2022-10-30 13:55:29 | 本・雑誌
実はもう三日ほど前に読み終えていました。
『薄紅色のいのちを抱いて』(幻冬舎)1320円(税込)です。





野元正さんの短編集。
短編集とありますが、中編小説といってもいいのではないでしょうか。
収録されている三篇とも読みごたえがありましたが、やはり表題作の「薄紅色のいのちを抱いて」が出色でした。
著者の野元さんが造園家ということもあり、その知識と経験が十分に生かされています。
といっても決してひけらかすようなものではなく、物語の中に自然に溶け込んでいます。
やわらかな言葉の運びが読者の心を包みこむように、しみじみと読めて共感します。
読後感も良かったです。
いい小説を読ませていただきました。
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『薄紅色のいのちを抱いて』

2022-10-24 16:19:32 | 本・雑誌
さあ次はどんな本を読もうかな、と思案をしているときに届きました。



野元正さんの短編小説集『薄紅色のいのちを抱いて』(幻冬舎)です。



読むのが楽しみです。
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児童書『じろはったん』

2022-10-15 10:29:07 | 本・雑誌
何十年ぶりかで読みました。
『じろはったん』(森はな作・アリス館)です。
挿絵は十数枚載ってますが絵本ではありません。児童書です。
170頁を超えるしっかりとした読み物です。




激しく懐かしく、改めて感動しました。
これについてはエッセイに書きます。

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『湯気の向こうから』

2022-10-09 19:39:35 | 本・雑誌
短歌誌『六甲』に2016年の5月号から書かせていただいていた随想「湯気の向こうから」は先月9月号をもって、連載を終えました。
6年余にわたり、77回書かせていただきました。
それをすべてコピーして簡易製本しました。
一冊のみですが。



 

けっこう読みごたえがあります。

10月号からは新しいタイトルで書かせて頂いています。

『触媒のうた』 楽しい文学史秘話。
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見返しに

2022-10-08 11:57:37 | 本・雑誌
図書館からお借りしていた本を返しに行き、リサイクル本の棚から一冊いただいて帰って来ました。



庄野潤三さんの本がありましたので。
『鉛筆印のトレーナー』です。
1992年発行ですので、丁度30年前の本。
見返しにこんなのが貼ってありました。
←クリック。
これは帯文ですね。
「あとがきより」とありますが、なんだか読むのが楽しみです。

『触媒のうた』本好きの人、必読の書。
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読むのをやめた

2022-10-06 15:01:50 | 本・雑誌
一年以上前に図書館に予約をして、やっと順番が回って来た本。

『いのちの停車場』だが、四分の三ほど読んだところで、もうやめにする。
テーマは在宅医療。主人公は有能な女性医師だが、登場する患者は高齢者。いわば終末医療の現場だ。
わたしが今、体調不安で病院通いをしている身なので読んでいて鬱々としてくる。
有意義な話ではあるのだが、自分が落ち込みそうになってくる。
結末は知らないが明日にもお返ししよう。待っている人がまだたくさんおられる。

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『いのちの停車場』

2022-10-01 08:59:57 | 本・雑誌
昨日、久し振りに図書館まで歩いて行って、お借りした本はこれです。



『いのちの停車場』(南杏子著・幻冬舎)。
2020年5月刊。
図書館から「予約されていた資料がご用意できました。受取希望館までお越しください。」というメールが届いたのです。
忘れていました。
もう一年以上も前に予約を入れていたのでした。
あの頃、吉永小百合さんの主演映画ということで話題になっていたのでした。
今ではもうそれほどの興味を失くしているのですが、まあ読んでみることにします。
まだ後ろに100人以上の人が予約待ちをしておられるようです。

『コーヒーカップの耳』想像を絶する庶民の本音の言葉が満載。

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