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喫茶 輪

コーヒーカップの耳

一冊だけの本

2023-03-29 08:49:30 | 本・雑誌
昨日、一冊の本を作り上げた。
手作り本はこれまでもよく作ってきたが、今回のはページ数が少々多くていつものようにホッチキスで留める訳にはいかなかった。
大型ホッチキスでも無理。そこでちょっと工夫して作った。



『手料理はいつ』とタイトルをつけ、サブタイトルは「欣史・恒子の往復メール」というもの。
昨年末緊急入院した妻との往復メールを移しとって編集して本にしたもの。
たった一冊のみ。120ページある。
人様には絶対に見せられないものである。
だから余分は一冊も作らない。
「あとがき」の一部。

《12月28日から1月12日までの15日間、ちょうど半月だったが、長かった。だが、その間に日ごろは言えなかったようなこともメールなればこそという感じで伝え合うことが出来たように思う。これも二人にとっていい思い出になるのではないか、これを残しておくことも意味があるのではないかと考え、メールボックスから移しとり作ったのがこの『手料理はいつ 欣史・恒子の往復メール』である。》

昨年は結婚50周年の記念詩集『恒子抄』を作り、それは身近な人のみに配ったが、
これは誰にも見せられない。秘密の宝物である。
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『俺』読了

2023-03-24 17:00:25 | 本・雑誌
木割大雄さんの『俺』(角川書店・2013年刊)読了しました。
句集となってますが、俳句だけではなく木割さんの散文も各所に挟まれていて、読みやすかったです。
俳句は赤尾兜子さんのお弟子さんだったということもあり、わたしには理解できない句も多かったです。
しかし、心動かすものも少なくなかったです。
例えば、お母さんのことを書かれた句。

  尿匂う母のベッドの大晦日
  母看つつ冬のバナナを食いにけり
  心電図斯く乱るるも春が来る
  裏門より母出でませり月冴えて


この中でも「尿匂う…」などはなかなか書けるものではないと思います。
まして刊行する本に入れるとは。

随所に挟まれている散文を読むことによって、木割さんのこれまでの人生を垣間見ることができます。
やはり好奇心の旺盛な人だということがよくわかります。
それがこの人の多彩な人脈につながっているのでしょうね。
しかもその散文が達者です。
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木割大雄さん

2023-03-23 19:34:19 | 本・雑誌
先に書いた、俳人、木割大雄さんですが、この人の本『南のくにに雪ダルマ』と題してこのブログに書いてます。
その本のカバーに載っている写真。

これは1996年ということですので、この時57歳。
若々しい写真です。今はそれなりのお歳になっておられます。でもお元気にご来訪でした。

好奇心が旺盛な人でした。
書棚のある本に目を留められて、開くなり「これは凄い本だ。面白い。若ければお借りして帰りたい」と言って、食いつくように読んでおられた。
ほかの本にも目を留めて「凄い本がある」と言いながら興味津々の様子。
いずれも宮崎修二朗翁の遺品です。わたしはパラパラと開いてみた程度でした。
ということで、この木割さん、私なんぞが言うのは失礼ですが、なかなかの人物とお見受けしました。

もう一つ付け加えると、木割さんは尼崎在住だが、西宮市与古道町のお生まれだとのこと。
そして昭和20年に用海国民学校、現用海小学校に入学し、一学期が終ったあとに学校も家も空襲で焼けてしまって、その後与古道町には帰れなかったと。
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『坂の上の雲』読了

2023-03-22 19:43:50 | 本・雑誌
昨年の11月から読み始めた『坂の上の雲』全8巻(文庫本)を読了しました。
司馬遼太郎さんはやっぱり凄い作家さんですね。
よう、こんな小説を書かれたものだと。
10年がかりだったというが、心底凄いと思いました。
主人公の中では、わたしは海軍軍人になった秋山真之が好きです。
島田謹二さんの解説の中にこんな記述がありました。
《ロシア事情に精通する外交官や軍人たちは、ロシアをご都合主義の国とみた。自分が有利になるためには、約束もするが、都合が悪くなれば、何もかもけとばしてしまう。(略)ロシアはいつも土地をまきあげる。(略)この侵略癖は、あの国の根性といおうか、国柄といおうか、とにかく油断はできない。》
小説の中にもそのような記述が何度も出てきて、わたしは「ロシア」という国は、今も変わっていないのだなあと思ったことでした。
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文庫本『流人道中記』

2023-02-25 09:47:36 | 本・雑誌
今朝の神戸新聞にもうもう一つの記事。というより広告。



浅田次郎さんの『流人道中記』が文庫本になったんだ。
この小説、単行本が出た時に購入して読んだのだが、メッチャ面白く、メッチャ感動したのだった。
もう三年前になるんだ。ブログに書いてます。
その後、本はどなたかに進呈したので今はない。
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『漂砂のうたう』読了

2023-02-23 17:33:48 | 本・雑誌
『漂砂のうた』(木内昇著)読み終えました。

結論から言うと、良かった。
始めはストーリーがあまり進まず退屈感があったが、そのうち推理小説的な伏線も予感させられて、先を読むのが楽しみになり。
終盤はどんどん読み進んだ。
ラストで思わぬ展開もあり、またやはり伏線だった事柄の種明かしのようなものもあって、それが感動的だった。
また機会があれば木内昇さんの小説を読んでみよう。

『コーヒーカップの耳』まちの喫茶店は日本の文化だった。涙と笑いがいっぱい。
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同じ著者か?

2023-02-19 16:22:11 | 本・雑誌
先日終わった新聞小説「かたばみ」がよかったので、その著者のほかの本が読んでみたくて借りてきた本。

『漂沙のうたう』(木内昇・集英社刊)。直木賞作品。
三分の一ぐらい読んだところだが、力作で読みごたえがある。
明治初期の廓を舞台にした小説で、わたしの知らない言葉がたくさん出て来る。
作者の木内さんがこの小説を書いた時はまだ40歳代だから、よほど勉強されたのだろう。
巻末に記された参考文献の数が27冊。努力の末の小説なのだ。
「かたばみ」とは大いに作風が違う。
作家さんも10年過ぎるとこうも変わるのか?
「かたばみ」は肩に力が入っておらず、軽く読めたが、「漂沙のうたう」は少し重い。
これからどんな風に展開してゆくのか楽しみ。


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『漂沙のうたう』

2023-02-17 15:14:33 | 本・雑誌
図書館まで歩いてきました。
約4200歩。
いいお天気で、途中でジャンパーを脱ぎました。
セーター姿になりましたが、それでも暑いぐらいでした。
お借りした本。
『漂沙のうたう』(木内昇著・集英社・2010年刊)。
先日終わった新聞小説「かたばみ」が良かったので、作者木内昇さんのほかの小説を読んでみたくなったのです。
2011年の直木賞作です。
著者の木内昇さんが女性だと知って驚きました。
「木内昇」は「きうちのぼり」と読むのだと。
ほぼ一年間、男性作家とばかり思ってました。
今頃そんなことをいうわたしは、とても読書家とは言えません。無知ですね。

『コーヒーカップの耳』 おもしろうて、やがて哀しき喫茶店。

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「カライモブックス」

2023-02-02 09:22:36 | 本・雑誌
「図書」2月号の巻頭エッセイに、奥田直美さんが「雑念」と題して書いておられる。



←二段階クリック。

この奥田さんの子どもさんのことを、わたし「KOBECCO」2021年12月号に「やまありたにあり」と題して書きました。
「唐芋通信」という「カライモブックス」さんが発行しておられる情報誌に載っていた口頭詩のことを書いたのです。
「カライモブックス」は京都の古本屋さんですが、今年春にここを閉じて水俣へ移転されるとのこと。
石牟礼道子さん夫妻の旧宅へと。
奥田さんご夫妻は石牟礼さんをリスペクトしておられたのではなかったか。

この「図書」2月号の岩波書店の新刊広告欄に、奥田夫妻の本、『さみしさは彼方』—カライモブックスを生きる―(2200円・2月16日発売)が出ています。

『コーヒーカップの耳』 おもしろうて、やがて哀しき喫茶店。
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『梟の拳』

2023-01-26 12:33:19 | 本・雑誌
先月7日の本欄に次のようなブログを書きました。

《『朝茶で一冊』、今朝読んだところ。
《面白い小説は、読むのが早い。坂道を自転車で走り下るように、次第に加速され、あっというまに、読み切ってしまう。》
同感ですね。もしかしたら詩集もかもしれない。
ただし、「おもしろい」の意味にはいろいろあります。
で、出久根さんがこの項でおっしゃっている面白い小説は『梟の拳』(香納諒一著)。
出久根さんはこう書いておられる。
《私は五百三十二ページのこの小説を、医院の待合室で一気に読了した。二時間ちょっとで読み終った勘定である。》
是非読んでみたい。


この度やっと読みました。三泊四日の”避寒”の間に。
わたしハードボイルドを読むことはほぼないのですが、これは面白かったです。



『梟の拳』(香納諒一著・講談社文庫・1998年刊)。
出久根さんは532ページと書いておられますが、わたしが読んだのは文庫本で638ページでした。
これを出久根さんは二時間ちょっとで読んだと。遅読のわたしにはとても考えられません。
退院30分前にやっと読み終えたのでした。


 
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『南のくにに雪ダルマ』

2023-01-18 13:01:08 | 本・雑誌
今、読んでいる何冊かの本のうちの一冊。



『南のくにに雪だるま』(木割大雄著・1996年・邑書林刊)です。
二十数年前に出たもの。川柳人の中野友廣さんにお借りしている本です。
著者の木割大雄さんは俳人。

本の見返しにこのような言葉が。
←クリック。

  いちゃりばちょーで(出会えば兄弟)
    2200キロメートルの友情
               木割大雄

  北海道のユーコちゃんから
  沖縄のユーコちゃんへ
  雪だるまのプレゼント。

  ゆったりとした友情は
  ある日の熱情から生まれました。
  人と人とが
  不思議な縁で結ばれて
  とうとう
  2200キロメートルの友情が
  育っていったのです。
  一人の琉球舞踊家が
  アイヌの人たちと踊りたい―
  そう思いつめて
  実現した
  アイヌ古式舞踊との共演。

  そのいきさつを
  聞いてください―


ということで、この本はアイヌと琉球が舞踊を通じて交流する話。
差別が根底にあって重い話でもあるのですが、プロデュースする木割さんの人間性豊かな人柄とその筆致であたたかく読ませます。
添えられた中野さんのメッセージにこうあります。
「私は私なりに読んで、その昔、感動したものです。」と。
わたしは今、半分少し読んだところです。
読み始めは少々退屈だったのですが、読み進むにつれ、木割さんの人間性に魅かれて行き、感動が徐々に迫ってくる感じです。
中野さんはわたしに木割さんの魅力を知らせようと思われたのですね。

追記 上のブログを書いてからも読み続け、今、大きな感動と共に読み終えました。3時間です。
途中、165ページにこの本を貸してくださった中野友廣さんの名前が登場しました。
《仲村米子さんへのプレゼンターは、園田学園の職員、中野友廣さん。彼を指名したことにも理由がある。五年前、私に仲村米子さんを紹介してくれたのが中野さんだったのだ。》仲村米子さんはこの本の主人公ともいうべき主要な登場人物。そうか、そうだったのか、でした。



『コーヒーカップの耳』木割さん読めばどう思われるだろうか?


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『空が魔』

2023-01-18 12:43:49 | 本・雑誌
先に読み終えたいた本、エッセイ集『空が魔』(由良力著)です。



表紙絵は先年お亡くなりになった力さんの夫人、佐知子さんの手になるもの。

本文の中にはチラチラと佐知子さんも登場しますが、具体的には語られてなく、
「○○の旅に妻と行った」とか、「妻は用事があって先に帰国した」という程度のもの。
ちょっと残念です。佐知子さんの姿は見えません。
エッセイの半分以上(?)は旅行の話。ほぼすべて海外旅行の体験記です。
貴重な体験をしておられます。
学校の教師や教授をなさっていたということで、ゆとりのある休暇が取れて、長い時には一ヶ月以上もの旅もあります。
そういえば佐知子さんの詩にも異国でのものがありました。
わたしには叶わぬことです。
因みにこの本の発行日は2022年11月30日になっていますが、これには意味がありそうです。
ただそのことについてはここでは書かないでおきます。
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読みたいけれど

2022-12-26 18:42:09 | 本・雑誌
読みたい本が溜ってきました。
続けてお贈りいただいています。

歌集『わらべ唄』(今村明美著・豊岡プリント社)。


詩集『破れ』(松本衆司著・ひかり企画)。


エッセイ集『空は魔』(由良力著・ブイツーソリューション)。


その前に戴いている本もありますし、図書館からお借りしているのもあり、ほかにも読む必要のあるものなど、溜ってきました。

お贈りいただいたものには感想のお返事を書きたいのですが、すこしお待ちくださいね。

『コーヒーカップの耳 何度読んでも悲しく、そして面白い本。
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佐野眞一さん

2022-12-26 10:24:19 | 本・雑誌
今朝の神戸新聞「追想メモリアル」欄に三遊亭円楽、アントニオ猪木さんらと共にノンフィクション作家の佐野眞一さんの記事が載っていた。9月26日死去。
偶然だ。
今ちょうど佐野さんの本を読んでいる。

佐野さんの本は結構読んだと思う。
宮崎翁に勧められて読んだ『旅する巨人』が最初だったと思う。
まだ75歳だったんだ。惜しい。

『コーヒーカップの耳』噛めば噛むほど味が出る、「喫茶・輪」提供のジャパニーズ・チューインガム、スルメのアンヨ(足)。
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『窓ぎわのトットちゃん』

2022-12-23 09:48:41 | 本・雑誌
昨日の「徹子の部屋」に出演の古田貴之さんはユニークだった。
https://mantan-web.jp/article/20221222dog00m200035000c.html
若い日に徹子さんの著書『窓ぎわのトットちゃん』に救われたことがあると。
その『窓ぎわのトットちゃん』、わたしも昔読んだことがあり、どこかにあるはずと探しました。
出てきました。



裏表紙を見ると古書店「蝸牛」さんのラベルが貼ってありました。

『コーヒーカップの耳』究極の喫茶店物語。
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