goo blog サービス終了のお知らせ 

初心者のクラシック

有名な曲からおすすめの曲まで、できるだけ初心者にも分かり易く紹介します。

歌劇「シチリア島の夕べの祈り」序曲 (ヴェルディ作曲)

2008年10月21日 | 序曲と前奏曲
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はヴェルデイ:歌劇「シチリア島の夕べの祈り」序曲です。

歌劇でおなじみのヴェルディのこの作品。現在では序曲のみが演奏されることが多いこの曲ですが、短い中にも緩急がついた、ヴェルディらしい劇的なオーケストレーションが楽しめる一曲です。

1855年に行われていた第1回パリ万国博覧会で初演されたようです。
歌劇の題材としては、もともと13世紀のシチリア島はフランス領としてフランスの支配を受けていた頃、教会では夕べの祈りを捧げる時間に教会を監視するフランス人兵士が、礼拝に来た女性に触れるのでした。その事に怒りを覚えた女性の夫が勢いで兵士を刺し殺してしまったのでした。
もともとフランス人支配に反感を持っていたシチリア島では、これの事件が引き金となって全島に広がっていくのでした。「シチリアの晩鐘事件」



 弦楽器とティパニ(大太鼓)が静かな地響きのように始まります。
 しばらくして、落ち着くと木管楽器のやわらかいフレーズがゆっくりと流れますが、
 弦楽器がザクザクとその流れを断ち切るかのようにどんどん盛り上がります。
 そして、ようやくそれも静かに収まったかと思うと、
 ティパニのドラムロールが急に盛り上がり、シンバルの勢いと共に荒れ狂うような
 オーケストラが始まります。かなり激しく盛り上がりますが、
 それが終わると、今度はチェロの伸びやかでゆったりとしたフレーズが
 ゆらゆらと揺れ動くように広がっていきます。
 その後はフルート等の木管楽器が軽妙なリズムに変わり、リズムにシンバルの勢いが
 つくと、再びすさまじい勢いの音楽が吹き荒れていきます。
 そして、再び勢いが収まると、美しい弦楽器から、あのゆったりしたチェロの響きが
 蘇ります。今度はフルートの彩りも加わり、輝くように心地よく響きます。
 いよいよラストに向けて弦楽器がザクザクと刻むと、シンバルもそのリズムに勢いを
 付けて、更にトランペット、トロンボーンの金管楽器が高らかに響き渡ると、
 一気に盛り上がり華やかに最後を飾ります。


ダイナミックなオーケストラとゆっくりやわらかな音色が緩急を効かせて、ヴェルディならではの一曲になっていると思います。
序曲なので演奏時間も約8分と短めですし、聴いているだけなのに、かなりドラマチックなイメージをかもし出している気がします。
ましてや上みたいなエピソードを聞いちゃったりすると余計に感情移入してしまいそうな一曲と言えるでしょう。

≪オススメCD≫
ヴェルディの序曲集です
ヴェルディ:オペラ序曲・前奏曲集
シノーポリ(ジュゼッペ)
ユニバーサル ミュージック クラシック

このアイテムの詳細を見る

【コレってどんな曲】
喜:☆☆☆☆★
怒:☆☆★★★
哀:☆★★★★
楽:☆☆☆★★

≪おすすめシチュエーション≫
短い時間で、オーケストラを聴いた気になれます!


音楽ブログランキング
 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。