初心者のクラシック

有名な曲からおすすめの曲まで、できるだけ初心者にも分かり易く紹介します。

チェロソナタ

2007年03月21日 | ショパン
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はショパン:チェロソナタです。

ショパンというとピアノのイメージが強く、イメージどおりそのほとんどの作品がピアノのために作曲されていますが、こんな曲も作ってたんですね。(ちょっとビックリ)
なので、このチェロソナタに関してもピアノに重点が置かれた作品として紹介される事が多いようですが、もちろんチェロも大活躍していますから、聴き所もたくさんあると思います。

曲調としてはやや暗めで、どちらかというと地味な感じのする曲ですが、そこはショパンの世界が魅せてくれるアンニュイな魅力を持った曲という事が出来るのかも知れません。
演奏時間も30分程度とやや長めですが、しっとりとしたチェロの味わいを満喫するにはちょうどいい時間なのかもしれません。


 第1楽章:ポロンと始るピアノの悲しいフレーズが盛上がってすぐに崩れ落ちると、
 薄暗い影の中から表れるようなチェロのやわらかい低音が、切なくも悲しく響きます。
 朗々と歌い上げるチェロに対して、高らかに派手に鳴り響くピアノはとても対照的
 に聴かせます。
 悶々とした嘆きのような旋律を響かせながらも、ピアノの細やかなフレーズが
 表れると、それに負けじとチェロも素早いフレーズで対抗してきます。
 そして、ピアノを落ち着かせると、やはりチェロは伸びやかなフレーズで
 切々と苦しい胸の内を語るように歌い上げていきます。
 やがて、ピアノもチェロの心境を察したかのように、やわらかいチェロの響きを
 活かしながら見事にそのフレーズを飾り立てていきます。

 第2楽章:力無く、か細いフレーズでチェロが奏でると、ピアノも優しい響きで
 サポートします。
 おだやかに低音でしっとりと聴かせるチェロの音色は決して大きくありませんが
 しっかりとこころに響く音を聴かせてくれます。
 ゆるやかで寂しい音色ですが、
 
 第3楽章:軽快なリズムですが、やはり切なさを隠し切れないピアノのフレーズから
 チェロもだんだんと激しさを増していき、ピアノが高い音を鳴らすと、
 チェロはこれまでにも増して強く訴えかけるように、力強い響きを奏でます。
 ピアノはまるでそれを煽るように、激しく投げかけると、
 チェロはやがて、はちきれんばかりの感情を表に出して激しくピアノとぶつかり
 合っていくように聴こえます。
 そして最後までピアノとチェロの激しい掛け合いが続き、やがてお互いに
 力を合わせながら盛上がって終わります。


少し暗い曲ですが、チェロの激しい面としっとりとした面を際立たせながら、その微妙な表情を味わえる曲だと思います。
チェロの作品自体が一般的には有名なものがあまり多いとは言えませんが、その中でもショパンの作曲したチェロの作品ですから、その意味でも貴重な作品と言える一曲だと思います。

≪オススメCD≫
マイスキーとアルゲリッチのコンビでどうぞ。
ショパン:チェロ・ソナタ ト短調 作品65/フランク:チェロ・ソナタ(ヴァイオリン・ソナタ・イ長調の編曲版)/ドビュッシー:チェロ・ソナタ ニ短調
アルゲリッチ(マルタ) マイスキー(ミッシャ), マイスキー(ミッシャ), アルゲリッチ(マルタ), ショパン, フランク
ユニバーサルクラシック

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【コレってどんな曲】
喜:☆★★★★
怒:☆☆☆☆★
哀:☆☆☆☆☆
楽:☆☆★★★

≪おすすめシチュエーション≫
ピアノとチェロの切なくも悲しいメロディを堪能してください。


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