御託専科

時評、書評、そしてちょっとだけビジネス

「終戦のローレライ」読み始め

2005-02-23 19:49:30 | 書評
最近小説を読まないなあ、と気になってはいたので、映画にもなった「終戦のローレライ」を買った。4巻あるから文庫とはいえ2千5百円ぐらいする。映画1500円で見たほうがよかったかなあ、ってちょっと後悔もしたが、ま、レッドオクトーバーの映画と小説の違いからすりゃ、小説読んだほうがよっぽど楽しめるだろう。
読み始めたばかりだが、潜水艦を主語とするのに「彼女」とカッコつきでしかも英文の和訳をそのまま使っているのはいただけない。それは、とかその物体はとか、あるいは苦心するかもしれないけど主語を隠すとか、なんか工夫があったろうに。ま、筆者としても試行錯誤はしたんだろうけど。叙述自体はなかなかいいだけに惜しまれる。福井敏晴は亡国のイージスを読んだ事がある。とても面白かったが最後の方の艦長が死ぬ場面がやたら長く、巨人の星でボールがキャッチャーミットに収まるまで30分で終わらないのと似た感覚があった。全体は面白いのだから、煮詰まってしまってやりすぎる作家をちゃんとコーチする編集者がいればいいのにな、と思う。「彼女」だってそういうことを会話にする場があればもっといい表現になったかもしれない。
おっとまずいまずい。まだ数ページしか読んでいないのにしゃべりすぎ。読んだ部分より長くならないうちにこの辺で。