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医学研究関連記事の新聞紙面から切り抜き
再生医療、薬理学、生理学、神経科学、創薬

究極のダイエット法、脳酵素を阻害することで空腹感を抑制する実験に成功

2008年05月07日 | 心のしくみ
【Technobahn 2008/5/7 11:56】米研究者がマウスを使った実験で特定の脳酵素の働きを阻害することで、空腹感を抑制させることに成功していたことが6日、米学術専門誌「Cell Metabolism」に掲載された論文により明らかとなった。

 この研究を行ったのは米デューク大学医学部のトニー・ミーンズ(Tony Means)研究員を中心とする研究グループ。

 研究グループは空腹時に分泌されるグレリン(ghrelin)というペプチドを脳酵素を使って阻害することができないか、研究に着手。その結果、遺伝子操作により「CaMKK2」を欠落させたマウスを使った実験により、「CaMKK2」の働きを抑制させることにより空腹感を和らげたり、満腹時の満足感を持続させることができること突き止めた。

 研究グループでは将来的には、「CaMKK2」の働きを抑制させる経口摂取薬を開発できないか、今後も研究を続けると述べている。

 グレリンは1999年に国立循環器病センターの児島・寒川らによって発見されたペプチドホルモン。視床下部に働いて食欲を増進させる働きを持つ役割があることが知られており、グレリンをコントロールすることで肥満や糖尿病予防につなげることができないか、世界中の研究機関で研究が行われている。

[Technobahn / 2008年05月07日]
http://www.technobahn.com/news/2008/200805071156.html

鉄分アップでコメ収穫6倍に、運搬促進たんぱく質特定=東京大学

2008年05月06日 | 蛋白質
 植物が成長に欠かせない鉄分を吸収し、必要な部位に運ぶ際に働くたんぱく質を、東京大大学院農学生命科学研究科の西澤直子教授(新機能植物開発学)らがイネで特定した。オオムギなど他のイネ科植物にもあり、働きを高めることで収量増が期待できるという。9日付の米国生化学会誌に発表する。

 西澤教授らは、このたんぱく質をIDEF2と名付けた。植物では、鉄分の取り込みに関する複数の遺伝子が働いている。IDEF2は、これらの遺伝子と結合し、働き始めるようにスイッチを入れる元締役として機能するという。

 IDEF2の働きを抑えたイネは、鉄分がうまく利用できなくなる一方、働きを高めると、収量は同じ条件で栽培した普通のイネの4~6倍になった。

 鉄分は葉緑素を作るのに不可欠で、不足すると光合成が不十分になる。アルカリ性土壌では鉄分はほとんど水に溶けないため、植物に吸収されにくく、成長が抑制される。こうした土壌は世界の陸地の約3割を占める。

 西澤教授は「IDEF2の働きを詳しく調べ、植物が鉄分を利用する仕組みの全容を解明したい。食糧の増産や鉄分の豊富な栄養価の高い穀物作りにつながる」と話している。【関東晋慈】

[毎日新聞 2008年05月06日]
http://www.mainichi.jp/select/science/archive/news/2008/05/06/20080506ddm002040029000c.html

脳機能:マウスに電圧→記憶力アップ 脳梗塞軽減も=国立循環器病センター

2008年05月03日 | 心のしくみ
 高電圧のかかる板の下でマウスを飼うと、記憶力向上や脳梗塞(こうそく)の軽減などの効果があることを、国立循環器病センター(大阪府)の柳本広二脳血管障害・脳外科研究室長らが実験で示した。柳本さんは「認知症予防などに応用できるかもしれない」と話している。

 床から20センチの高さに電極板を配置し、床との間に飼育ケースを置き、マウスを入れた。電極板には1日5時間ずつ6週間、5500ボルトの電圧をかけた。その後、マウスを濁った水に入れ、水面下の足場を繰り返し探させた。マウスは次第に足場の位置を覚え、最後は平均20秒で見つけた。電圧なしのマウスは同条件で60秒かかった。また人為的に脳梗塞を作る実験で、電圧をかけたマウスの脳梗塞の体積は、かけないマウスの約半分だった。【高木昭午】

[毎日新聞 2008年05月03日]
http://www.mainichi.jp/select/science/archive/news/2008/05/03/20080503ddm003040089000c.html

心臓の筋肉、血管細胞作成=マウスiPSから=カリフォルニア大学ロスアンゼルス校

2008年05月01日 | 再生医療
 マウスの皮膚細胞への遺伝子導入で新万能細胞「人工多能性幹(iPS)細胞」を作り、心臓を構成する3種類の細胞に分化させたと、米カリフォルニア大ロサンゼルス校のロブ・マクレラン准教授らが1日、米科学誌ステム・セルズの電子版に発表した。今後、ヒトiPS細胞でも実現させ、心筋梗塞(こうそく)などの治療への応用を目指す。
 同准教授らは、マウスiPS細胞を心筋細胞に分化させ、実験器具内で拍動させたほか、血管の内皮細胞と平滑筋細胞に分化させた。
 iPS細胞を世界で初めて作った京都大の山中伸弥教授らは昨年11月、既にヒトiPS細胞から拍動する心筋細胞を生み出したと発表している。各国で研究が進むことで、より効率的で安全性が高い技術の確立が期待される。

[時事ドットコム 2008年05月01日]
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200805/2008050100060&rel=j&g=soc