ES細胞で作った肝細胞移植で病状改善──京大が動物実験、人体へ応用も
京都大学再生医科学研究所は、あらゆる組織・器官に成長する万能細胞である胚(はい)性幹細胞(ES細胞)から作った肝臓の細胞をマウスに移植し、病気の症状を改善させることに成功した。ES細胞から肝臓細胞を作る研究は以前からあったが、実際に細胞移植治療の有効性を確認したのは初めてという。将来、生体肝移植の代替医療となる可能性がある。
石井隆道研究員と中辻憲夫教授らは、マウスのES細胞を約10日間培養。成長して肝臓に特有の遺伝子を持つようになった細胞だけを選び、肝障害を起こしたマウスに移植した。
細胞は移植後7日目では肝臓の一部に存在するだけだが、35日後には3割超を占めるまでに成長した。肝臓で合成されるたんぱく質で肝臓の働きの指標となるアルブミンも分泌しており、移植したマウスの肝臓に細胞が生着し、きちんと機能しているのが確認できた。
通常、35日後の肝障害マウスの生存率は20%程度だが、細胞移植したマウスは約67%が生存していた。一方、ES細胞を成長させないまま移植した場合では生存率の改善はみられなかった。
[日経ネット関西版 / 2007年04月30日]
http://www.nikkei.co.jp/kansai/news/39705.html
京都大学再生医科学研究所は、あらゆる組織・器官に成長する万能細胞である胚(はい)性幹細胞(ES細胞)から作った肝臓の細胞をマウスに移植し、病気の症状を改善させることに成功した。ES細胞から肝臓細胞を作る研究は以前からあったが、実際に細胞移植治療の有効性を確認したのは初めてという。将来、生体肝移植の代替医療となる可能性がある。
石井隆道研究員と中辻憲夫教授らは、マウスのES細胞を約10日間培養。成長して肝臓に特有の遺伝子を持つようになった細胞だけを選び、肝障害を起こしたマウスに移植した。
細胞は移植後7日目では肝臓の一部に存在するだけだが、35日後には3割超を占めるまでに成長した。肝臓で合成されるたんぱく質で肝臓の働きの指標となるアルブミンも分泌しており、移植したマウスの肝臓に細胞が生着し、きちんと機能しているのが確認できた。
通常、35日後の肝障害マウスの生存率は20%程度だが、細胞移植したマウスは約67%が生存していた。一方、ES細胞を成長させないまま移植した場合では生存率の改善はみられなかった。
[日経ネット関西版 / 2007年04月30日]
http://www.nikkei.co.jp/kansai/news/39705.html