ラットは今日も、きみのために。

マウスも研究者も頑張っています。
医学研究関連記事の新聞紙面から切り抜き
再生医療、薬理学、生理学、神経科学、創薬

iPS、2遺伝子導入で作成、マウス神経幹細胞から-安全性向上に前進=マックスプランク研究所

2008年06月30日 | 再生医療
 成体マウスの脳から採取した神経幹細胞に2種類の遺伝子を導入するだけで、増殖能力が高く、身体のあらゆる細胞に変わる新万能細胞「人工多能性幹(iPS)細胞」を生み出すことができたと、ドイツのマックスプランク研究所などの研究チームが30日、英科学誌ネイチャー電子版に発表した。
 神経幹細胞は、自ら増殖するとともに、さまざまな神経細胞に変わる細胞。世界で初めてiPS細胞を作った山中伸弥京都大教授らは昨年12月、こうした特殊な性質がなく、マウスやヒトの皮膚から簡単に採取できる線維芽(せんいが)細胞に3種類の遺伝子を導入する方法でiPS細胞を作成したと発表している。
 遺伝子を導入するのに発がん可能性があるレトロウイルスを使う点は変わらず、今回の方法自体は再生医療応用に向けた実用性が高いとは言えない。しかし、今後導入する遺伝子を1種類でも薬剤に置き換え、レトロウイルスに伴う発がんリスクを下げる上で、遺伝子の種類を減らすことには意義があるという。
 研究チームが神経幹細胞に導入した遺伝子は、遺伝子群全体の司令塔役Oct4と、多様な分化能力を担うKlf4。神経幹細胞はもともと、山中教授らが導入した3種類目の遺伝子Sox2の働きが高く、改めて導入する必要がなかった。

[時事ドットコム 2008年06月30日]
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2008063000007

ブームだったのに… 「バイオポスドク」に受難の季節(msn産経ニュース、コラム)

2008年06月28日 | 徒然に
 大学院で博士号を取得後、定職を得ずに不安定な身分で研究を続ける「ポストドクター(ポスドク、博士研究員)」。その数は国内で1万5000人以上にのぼるとされ、うち生物学や農学などライフサイエンスを専門とする“バイオポスドク”の割合が4割も占める。1990年代のいわゆる「バイオブーム」に乗って、関連する大学の学部・学科の新設が相次いだが、“出口”や“受け皿”に関しては、未整備の状態が続いている。「末は博士か…」といわれた立身出世物語も今や昔。博士の受難を追った。(信藤敦子)

■ブームに踊らされる

 「バイオブームに踊らされたのが、われわれバイオポスドクです」

 大阪大学先端イノベーションセンターの特任研究員、吉岡宏幸さん(32)は農学の博士号を持つバイオポスドクだ。大学、大学院と農学一筋に歩み、カナダへの留学後の平成18年に阪大の研究員に。雇用期間は3年。給料も時給制で、契約時に決められた上限分しか支払われることはない。しかしそれでも恵まれているという。「保険にすら入れない人もいるんです」

 昔から植物の分子レベルの構造に興味があったという吉岡さん。大学も迷わず農学を学べるところを選択した。「高校のころは博士をとれば助手、助教授…と進んでいけると思っていました」。だが、学位取得後の吉岡さんを待っていたのは厳しい現実だった。助手になるにも採用枠は1人か2人。応募しても100倍以上の狭き門は当たり前だ。大学の正規教員になるのは「(博士の中でも)一握りのエリート」と話す。

 現在は“専門外”のレーザーを使った植物構造の解析を行う。「研究できる場があるだけ幸せ」と吉岡さん。だが、センターの雇用期間も来年で終了、契約の更新は原則ない。3年間の研究成果を携えて、職探しが始まる。

 吉岡さんは今年結婚。9月には子供が生まれる予定だ。具体的には決めていないが、九州の実家に戻り農業に携わることも選択肢に入れているという。「民間への就職も“奇跡的なマッチング”がなければ無理。これから私の本当の人生が始まる気がします」

■研究職は削減の一途

 ポスドクなどの余剰博士問題は、世界競争力を高めるため文部科学省が進めた「大学院重点化政策」に端を発する。博士課程の在籍者数は、就職氷河期とも重なり、この12年間で2.5倍に増加した。

 その一方で、18歳人口の減少を見据えた大学のスリム化に伴い、博士らが本来就くはずの研究職は削減の一途をたどり、ポスドクは1万5496人(平成17年度)にまで膨れ上がった。そのうちバイオポスドクは6471人を占める。

 「国の施策は10年先を見据えてやったとは思えない」。こう厳しく批判したのは、バイオサイエンス研究の権威、新名(しんみょう)惇彦(あつひこ)・奈良先端科学技術大学院大学名誉教授。

 新名さんは昨年、「ポスドクとバイオ系企業との連携」と題した事例研究を行い、バイオポスドクの現状を分析したが、そこからは、行き場を失ったバイオポスドクの悲哀がうかがい取れる。「これだけ増えてしまった以上、ポスドクは(研究継続をあきらめ)普通に就職することもやむをえない」と新名さん。

 しかし、その責任を国だけに帰することはしない。「企業にも、大学にも、そしてポスドク自身にも問題があった」

■実績ある研究者を優先

 DNA研究の進展とともに脚光を浴びたバイオ産業。だが時を同じくし、医薬・化学系の大手企業などの外資系による吸収合併が進み、ポスドクよりも、実績ある研究者を優先的に採用する傾向を強めていった。

 新名さんは「技術力の高い中小企業やベンチャーには人材のニーズがあるのだが、ポスドクは(採用枠の狭い)上場企業研究職を希望したがる」とし、マッチングの差異を指摘する。

 また、新名さんとともに調査にかかわったシンクタンク「ダン計画研究所」常務取締役の宮尾展子さんは、「(ポスドクは)インターンシップなどを使って積極的に企業へアプローチすることも必要なはずだが、現状では参加するポスドクは数%」と語った。そこからはポスドクの研究者としてのプライド意識が、問題の悪循環を招いている実態もうかがい取れる。

 実際、「企業のポスドクに対するイメージが、あまりにも悪いことに驚いた」と宮尾さん。調査では複数のベンチャー企業にアンケートを実施したが、「(ポスドクは)協調性がなさそう」「使いづらい」などというマイナスイメージが多数を占めたという。

 宮尾さんは「(国策としてポスドクを増やしながらも)企業側、ポスドク側双方がお互いを知る機会が少なく、そのこと自体が依然として問題視されていないことが最大の問題」と指摘。「双方が接点を作る機会を官民が積極的に創出していかなければ何も変わらないだろう」と予測した。

[msn産経ニュース 2008年06月28日]
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/080628/trd0806282146020-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/080628/trd0806282146020-n2.htm
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/080628/trd0806282146020-n3.htm



 好きなこと(研究)だけをやって生きていける、と思っていた若者には憂鬱なニュースかもしれません。
 世の中、どこを見ても景気の良い話はなくなってきています。 研究トレンドの移り変わりもとても早くなっていて、時間をかけた研究がしづらくなっています。 それどころか社会の構造が世界規模で短期間に変化を完了してきています。 そんな中、日本の「バイオ産業」がまだまだ産業として未成熟のまま取り残されています。 記事にもあるように外資系による吸収合併も進んできます。しかし、製薬会社などでは、国内企業による外資ベンチャーの買収など、まだまだ善戦しているシーンもあります。

 こんな世の中でも強く生き抜いていくためには、個人個人が能動的な力を持つ起業家になれるような力をつける教育も必要だったのではないかな、と思います。 日本は「お金儲け」に対する後ろめたさを感じる考え方が色濃く残っていますが、試薬を買うのにも動物を飼うのにも、ご飯を食べるのにもお金はかかります。 ですから、変なプライドは捨てて、真の目的にまい進することも時に必要です。 海外のラボでは、研究資金を集めることが研究者の最も重要な仕事になります。 そしてそれ以上に実力社会だということはよく耳にします。 やっぱり現実は厳しいのです。

 スペシャリストでジェネラリスト(!?)←矛盾していますけど、世の中が求めているのはこんな感じのものかも知れません。
 これからもこの状況は、苦しくなりはすれ楽になることはないかも知れません。それでも若人さんたちに「頑張れ」とラットはエールを送りたいと思います。 好きなことを見つけて、そしてチャンスにも恵まれて、それを生かす力が存分に発揮できますように、と。

ペリソダス:アフリカの熱帯魚、右利きは左利きを好む 異型交配、初の確認=京都大学

2008年06月26日 | 生きもの色々
 アフリカのタンガニーカ湖固有の熱帯魚ペリソダスが繁殖の際、自分とは「逆利き」の相手を好んで選ぶことを高橋鉄美・京都大研究員(動物分類学)らのグループが突き止めた。ヒトは近親交配を避けるため自分とにおいの違う相手を選ぶ「異型交配」をすることが知られているが、野生動物で明確な異型交配が確認されたのは世界で初めて。

 25日、英国王立協会のバイオロジー・レター誌(電子版)に発表した。

 ペリソダスは他種の魚の体を口で突き、はぎ取ったうろこを食べる。攻撃する際、口が左右いずれかに曲がり、左に曲がる場合は右側の筋肉や骨が発達しているため「右利き」とされる。

 グループは、ペリソダスがつがいで稚魚を保護する性質を利用し、04年9~10月と07年11月に24組を採集。口が曲がる向きを調べたところ、21組が逆利き同士と判明した。

 ペリソダスのつがいは外敵が近付くと、いずれかが追い払いに行く。外敵の魚にも左利きと右利きがあるといい、高橋研究員は「どちら利きの敵からも子供を守りやすいよう、逆利き同士でつがうのでは」と推測している。【朝日弘行】

[毎日新聞(東京夕刊) 2008年06月26日]
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2008/06/26/20080626dde041040018000c.html



「稚魚をつがいで守る」という、その素敵な習性に思わず萌えてしまいました。
ペリソダスという魚をググってもあまりヒットしなかったのですが、タンガニーカ湖を地図で見たらまあ遠いこと(びっくり)。タンザニア、ザンビア、コンゴなどの国境で、南北650kmってその広大さに2度びっくり。Wikipediaでは固有種の多さについても記されていました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%82%AC%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%82%AB%E6%B9%96
(タンガニーカ湖詳細マップ)
http://tanganyika-cichlids.com/Cartographie/Carte_du_lac_Tanganyika_EG.gif
研究スタッフの皆さんは遠路はるばるフィールドワーク、お疲れさまでした。他にも色んな生き物のたくさんの不思議を見つけられましたでしょうか。続報も楽しみにしたいと思います。

「ニモ」絶滅の危機に、映画人気が仇(あだ)=カンブリア大学(英国)

2008年06月26日 | 生命&倫理
【ロンドン26日時事】英カンブリア大学のビリー・シンクレア教授はこのほど、ディズニーのアニメ映画「ファインディング・ニモ」の主役として取り上げられた熱帯魚カクレクマノミが絶滅の危機にひんしているとの研究報告をまとめた。
 映画人気によるペット需要の高まりや、地球温暖化に伴うサンゴ礁の白化現象が原因。海中の生態系を描き、自然の大切さを子供に伝えるはずの映画が皮肉にも深刻な自然破壊を招いている。
 同教授によると、オーストラリアで行われた調査では、1つの群れの平均個体数が25匹から6匹に激減。繁殖の維持が難しくなっているという。(2008/06/27-06:04)

[時事ドットコム 2008年06月26日]
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200806/2008062700059


とても憂うべきニュース。
wikipediaでも既にクマノミの乱獲問題は記事にされていました。
クマノミ 
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%9E%E3%83%8E%E3%83%9F
ファインディング・ニモ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%BB%E3%83%8B%E3%83%A2

ところが某オークションを覗いてみたら、手頃な値段で常時数十件の出品があるんですね。
http://search.auctions.yahoo.co.jp/jp/search/auc?p=%A5%AB%A5%AF%A5%EC%A5%AF%A5%DE%A5%CE%A5%DF&auccat=0&alocale=0jp&acc=jp
出品者のコメントによりますと、国産ブリード(養殖)ものの「商品」を購入することが「天然カクレクマノミ捕獲を減らし生態系を守り自然破壊を防ぐ」ことになるのだそうです(!!??)。ホント、ニンゲンの欲の深さには呆れてしまうばかりです。

IWC総会、捕鯨国アイスランド「クジラ可愛い」の感情論をバッサリ=ロイター

2008年06月26日 | 生命&倫理
【IWC総会】捕鯨国アイスランド、「クジラは可愛い」の感情論を斬って捨て、環境保護の観点にも「持続可能」とバッサリ=ロイター電

アイスランドは、クジラを他の動物と違って特別待遇する理由はないとし、西側諸国の「クジラ可愛いから保護すべき」といった感情論を斬って捨てた。

アイスランドは世界最大の捕鯨国である日本とノルウェーと共に、1986年の捕鯨モラトリアム(一時中止令)を無視して、毎年クジラの捕獲割当てを自ら決定して行っている。こうしたことが多くの国の間で深刻な感情的対立をも生じている。

「クジラを他の動物と違って特別扱いすべき理由など有り得ない」と、IWC(国際捕鯨委員会)アイスランド代表のステファン・アスムンドソン氏はチリで開催されているIWC年次総会の合間のインタビュー(byロイター)に答えた。
「アイスランドは“可愛い”論理には与(くみ)しない。“持続可能な捕獲”が私たちの理念であり、それがIWCも認めている世界共通認識だ」と彼は言う。

彼がそう話した直後に、一人の活動家が会場のシェラトン・ホテルのドアにオートバイチェーンで自分をくくり付けて、「日本、アイスランド、ノルウェーは捕鯨を止めろ!クジラ殺しめ!」 と繰り返し叫び、その後警察が彼を連れ去るといった一幕があった。
オーストラリア、ニュージーランド、英国、そして米国や多くのラテンアメリカの国々などの反捕鯨国は、日本がモラトリアムを欺き「科学的調査」名目で毎年1000頭にのぼる捕鯨を行っているのを非難した。

アイスランドは1989年に捕鯨を中止したが2003年から再開し、今年度は商業捕鯨として40頭のミンククジラの捕獲割り当てを自ら決定した。当該海域は持続可能なだけの十分豊富な棲息数があると主張している。 アスムンドソン氏は次のように語った。


「鯨肉を食べない文化というのも、それはそれで結構なことだが、私は皆が鯨肉を食べるべきだなどと言っているのではなく、世界各地でありふれた食材だということです。基本的にすべての動物は平等であるとしながらもクジラだけは特別扱いしたがる国々がある。鹿狩りは捕鯨のようには問題視されていないが、どちらも同じ哺乳動物の狩りであることに変わりはない。多くの国、とりわけ西側諸国はクジラをどこかしら聖像化していて、動物の中の王様的特別な存在で他の動物と同様の扱いはできないものだとしている。しばしば環境保護の観点で捕鯨反対を唱えているが、持続可能な捕鯨操業である限り反対すべき環境要因は全く存在しない。むしろ動物の権利の問題と呼ぶべきシロモノだ」と、アスムンドソン氏。

モラトリアムを無視しながらも、アイスランドはノルウェーや日本と同じくIWCに加盟している。

[2ちゃんねる掲示板 ニュース速報+@板 2008年06月26日]
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1214467699/l50



Whaler Iceland dimisses "survival of the cutest"
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Reuters, Wednesday June 25 2008
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By Simon Gardner
SANTIAGO, June 25 (Reuters) - Whales are just like any other animal and deserve no special treatment, Iceland said on Wednesday, defending its whaling and dismissing what it called a Western "survival of the cutest" mentality.
Along with World No.1 whaler Japan and Norway, Iceland defies a 1986 moratorium on whaling, and assigns itself its own annual whale catch quota. It argues many nations act too emotionally on the deeply divisive issue.
"There is no reason to treat whales differently from any other animals," Stefan Asmundsson, Iceland's commissioner at the International Whaling Commission, told Reuters in an interview on the sidelines of the body's annual meeting in Chile.
"Iceland does not subscribe to the principle of survival of the cutest. We subscribe to the principle of sustainable utilization," he added. "Sustainable utilization of animals is a recognized principle all over the world."
Shortly after he spoke, a lone protester locked himself to the doors of the Sheraton hotel where the conference is being held with a motorcycle chain, chanting "No more whaling. Japan, Iceland, Norway -- whale killers!" before police whisked him away.
Anti-whaling nations like Australia, New Zealand, the United Kingdom, the United States and a host of Latin American nations on Wednesday decried Japan's circumvention of the moratorium and its annual catch of 1,000 whales for "scientific research".
'ICONIC ANIMALS'?
Iceland halted whaling in 1989 but resumed in 2003, and has given itself the right to catch 40 Minke whales this year for commercial purposes. It argues stocks of whales around its waters are sufficiently abundant to allow sustainable whaling.

"If you have a cultural preference not to eat whale meat, that's fine. I'm not saying everyone needs to eat whale meat, but it's a normal part of the diet in many parts of the world,"

Asmundsson said.
"Some countries like to treat whales in a different manner, basically saying some animals are more equal than others," he added. "Deer hunting is not considered to be a big thing in the same way as whaling is, but in both cases you are hunting mammals."
While ignoring the moratorium, Iceland, like Norway and Japan, has opted to stay within the International Whaling Commission, which conservationists put down to politics and diplomacy.
"Many countries, especially Western countries ... look at whales as somehow iconic animals, special animals that are outside the animal kingdom and cannot be treated as animals normally are," Asmundsson said.
"Opposition to whaling is very often presented as environmentalism. But if you are talking about opposition to a sustainable practice, there is absolutely no environmental factor against this kind of whaling. This is more to do with what you could call animal rights."
(Editing by Sandra Maler)

[gurdian.co.uk/ロイター 2008年06月25日]
http://www.guardian.co.uk/business/feedarticle/7609382


捕鯨問題は難しいのでちょっとあれだったのですが、某掲示板でロイターの報道が取り上げられていたのを拾ってきました。
アスムンドスン氏の意見があまりにも正論で、心地よく響きました。

wikipedia 捕鯨問題のページ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8D%95%E9%AF%A8%E5%95%8F%E9%A1%8C
IWC総会では日本もずいぶん頑張っているようです、なぜかその内容については殆ど報道されていませんが。以前はアメリカのダブルスタンダードに対しても、激しく抗議している方が報道されていたのを記憶しています。

「クジラは可愛い。」 そうですね、まあ、きっとそうなんでしょう。
ストレスを感じさせないウシさんも、綺麗好きなブタさんも、結構可愛いですよ。勿論ラットも、マウスも、可愛らしさにはゼッタイの自信があります。
「クジラは知的生物だから‥」 うん、そうですね、じゃあ知的でない方には、何をしても良いのですか?という意見も出ますよね。

ん~、捕鯨反対のヒトと論理的な議論ができるほどラットは知的ではなさそう、残念。 でも、ヒト(特に西側、とか、先進国、とかというわけでなく、世界中のヒトはすべからく)は、その脳でいっぱい考えることが許された生物なのだから、目先の感情や利益に捕らわれず、真摯に考えて、最も良い結果を出せるように行動してもらいたいと思います。

動物愛護団体PETA、「食用肉」に扮して抗議活動

2008年06月24日 | 生命&倫理
【6月24日14:23 発信地:ミュンヘン/ドイツ AFP】ドイツ南部ミュンヘン(Munich)で23日、国際動物愛護団体「動物の倫理的扱いを求める人々の会(People for the Ethical Treatment of Animals、PETA)」のメンバーが工場的畜産に抗議して、大型の肉用パッケージの中に入るパフォーマンスを行った。(c)AFP

[AFP BB News 2008年06月24日]
http://www.afpbb.com/article/life-culture/life/2409589/3069761


 ベジタリアニズムの方の気持ちも理解できない訳ではありません。それぞれに菜食の摂り方も動機も色々あるようです(一方では乳製品や卵がOKだったり、かたや果実のみ=植物自体を殺すこともダメだったり、様々のようです)。 環境保護、動物の権利、人道主義、宗教上の理由、健康上の理由、それぞれ色々あって結構なことだと思います。 勿論自己の存在があっての表現、自己実現なのですから、本当に食肉加工されてしまわなくて良かった、と思います。
(‥先進国の市井は今日も平和で、豊かなようです。)

じゃまな脂肪で再生医療 幹細胞実験、動物で成功=大阪大学、国立がんセンター研究所

2008年06月23日 | 再生医療
 おなかの脂肪から、様々な細胞になりうる幹細胞を取り出して心筋梗塞(こうそく)や肝臓病を治療することに、大阪大や国立がんセンター研究所のグループが動物実験で成功した。脂肪は採取しやすく移植時の拒絶反応も避けられる。厄介者扱いされがちな脂肪だが、再生医療に利用しようと研究が広がっている。

 大阪大未来医療センターの松山晃文・准教授らは、脂肪の中から心筋や肝臓、膵臓(すいぞう)の細胞に効率よく成長する幹細胞を見つけた。この細胞を、特殊な薬剤で心筋のもとになる心筋芽細胞に変化させ、心筋梗塞のラットに移植した。治療しないと心臓の収縮率は30%に落ちたが、移植すると60%まで回復して4カ月維持した。

 この幹細胞から肝細胞の塊をつくり、慢性肝炎のマウスに移植すると、肝機能が改善した。膵臓のようにインスリンを出す細胞もつくり、糖尿病のマウスに移植すると、3週間にわたり血糖値が下がった。

 同センターの澤芳樹教授は「動物実験を重ね、あらかじめ脂肪から幹細胞をとって将来に備える細胞バンクをつくりたい。テーラーメード型の再生医療が目標」という。

 国立がんセンター研究所の落谷孝広・がん転移研究室長らも、皮下脂肪から肝細胞をつくった。肝臓でしか合成されないたんぱく質を14種類以上検出。肝臓を傷めたマウスに注射すると、上昇した血中のアンモニア濃度が24時間後にほぼ正常に戻った。

 ただ、肝臓は500ほどの機能があり、すべて回復しているかどうかは分からない。メカニズムの解明もこれからだ。落谷さんは「胚(はい)性幹(ES)細胞から肝細胞をつくる効率が低いのに対し、必要な量を採取できる脂肪の利用に期待が集まっている。肝臓切除時に少量移植して機能回復を促す補助的な使い方が考えられ、数年内の臨床試験をめざしたい」と話している。(佐藤久恵)

[朝日新聞 2008年06月23日]
http://www.asahi.com/science/update/0623/OSK200806230036.html

ミカン果汁で脳の老化防止?マウス実験=静岡県立大学、果樹研究所

2008年06月21日 | 食品・栄養
 ミカン果汁が脳の老化防止に役立つ可能性があることが、静岡県立大や農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所によるマウス実験でわかった。日本基礎老化学会で発表した。県立大の海野けい子准教授(老化生化学)は「果汁の成分のどこに効果があるのかはこれからの研究課題になる。人で効果があるかも試したい」としている。

 老化が早い系統のマウス80匹を使った。20匹ずつ4グループに分け、3.8~38%の3段階の濃度のミカン果汁で水分補給したものと、水で水分補給したものを1年間飼育。マウスが明るい箱から暗い箱に移動すると電気ショックを与える装置で実験し、移動を避けるようになるまでにかかる時間を計って学習能力を調べた。

 その結果、水で育てたマウスは、平均約千秒かかったが、ミカン果汁で育てたマウスは600~700秒で、果汁濃度が高いほど学習時間が短かった。また、老化につながる大脳の酸化を示す値も3割ほど低かった。(香取啓介)

[朝日新聞 2008年06月21日]
http://www.asahi.com/science/update/0621/TKY200806210194.html


う~~、ごめんなさい。この記事だけでは納得できない><
水を与えた群との比較だけではなくて、酸っぱいもの、糖分のいっぱい入ったものを与えた群との比較でも差が出たのか、そこんとこ知りたいです。
ビタミンCによる抗酸化作用はよく知られていますし、糖分は脳の栄養に、また酸味による脳の刺激、活性化も想像がつきますから、特にミカン果汁でなくても・・・?

精子・卵子の誕生にかかわる遺伝子を発見=理化学研究所

2008年06月20日 | 発生
 精子や卵子のもとになる細胞をつくる仕組みを、理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの斎藤通紀チームリーダーらが解明、米専門誌に発表した。不妊症の仕組み解明などにつながりそうだ。

 一つの細胞からなる受精卵は、分割を繰り返して成長する。精子や卵子のもとになる「始原生殖細胞」は、受精卵が数百から数千個の細胞に分割された段階で、数個から40個ほどできる。残りの細胞は、神経や筋肉などの体細胞になり、運命が分かれる。

 チームは、生殖細胞の誕生に伴い、約800の遺伝子の働きが変化することをマウスの実験で見つけた。このうち、「Blimp1」という遺伝子が、始原生殖細胞と体細胞が分離するときに、主要な役割を果たすことを発見。

 栗本一基研究員らが詳しく調べると、受精後6日から8日目までの間、Blimp1を発現した細胞だけが、体細胞にならずに生殖細胞になることを突き止めた。この遺伝子が働かない場合は、生殖細胞になるはずの細胞でも体細胞になった。(佐藤久恵)

[朝日新聞 2008年06月20日]
http://www.asahi.com/science/update/0620/OSK200806200010.html

理化学研究所 プレスリリース
 生殖細胞の誕生機構に関与する全遺伝子群の解明
 - 単一細胞レベルの精度を実現したマイクロアレイ法の応用と発展 -
http://www.riken.jp/r-world/info/release/press/2008/080615/index.html
http://www.riken.jp/r-world/info/release/press/2008/080615/detail.html

(図1 マウスの初期発生の模式図
始原生殖細胞を含む点線で囲った部分を切り出し、単一細胞cDNAを調製した。

脊椎動物:祖先はナメクジウオ ヒトと遺伝子6割共通=京都大学、国立遺伝学研究所

2008年06月19日 | 生きもの色々
ヒトなど脊椎(せきつい)動物の祖先はホヤ類ではなく、ナメクジウオ類であることが、ナメクジウオの全遺伝情報(ゲノム)解読で分かった。京都大、国立遺伝学研究所や英米などの国際研究チームが突き止めた。19日付の英科学誌「ネイチャー」に掲載された。

 ナメクジウオは脊椎動物の前段階で背骨に似た筋肉組織を持つ「脊索(せきさく)動物」の一種。大きさは3~5センチ。頭部はないが尾びれに似た器官があり、魚のように泳ぐ。ホヤも同じ仲間で、今から5億2000万年以上前に、ホヤ、ナメクジウオ、脊椎動物の順に進化したと考えられてきた。

 研究チームの解析の結果、ナメクジウオのゲノムの大きさはヒトの約6分の1で、約2万1600個の遺伝子を特定した。このうち、1090個の遺伝子をホヤと比較し、ナメクジウオの方が早く現れ、原始的であることを確認した。また、遺伝子の6割がヒトと共通しており、並び順も似ていた。一方、ホヤは独自の進化を遂げた傍流と分かった。

 佐藤矩行・京都大教授(発生ゲノム科学)は「ナメクジウオが脊椎動物の祖先に最も近い。ナメクジウオから脊椎動物が直接的に進化したと考えられる」と話す。【下桐実雅子】

[毎日新聞 2008年06月19日]
http://mainichi.jp/select/today/news/20080619k0000m040167000c.html



【ヒトなど脊椎動物、祖先はナメクジウオの仲間…ゲノム解読で】
 人など脊椎(せきつい)動物の祖先は、これまで考えられていたホヤ類ではなく、ナメクジウオの仲間であることを、日米英など国際チームが突き止めた。ナメクジウオの全遺伝情報(ゲノム)を解読し、ヒト、ホヤなどと比較したもので、成果は19日付の科学誌ネイチャーに掲載される。

 哺乳(ほにゅう)類や魚類など背骨を持つ脊椎動物は、5億2000万年以上前に、背骨の原形である棒状組織「脊索(せきさく)」を持つ脊索動物から進化したと考えられている。脊索動物には脊索が尾側にある尾索動物のホヤ類と、頭部から尾部まである頭索動物のナメクジウオ類があるが、詳しい進化の過程は分からなかった。

 研究チームは、約5億個の化学物質(塩基)からなるナメクジウオのゲノムを解読、約2万1600個の遺伝子を発見した。すでにゲノム解読されているホヤ、ヒトと比較した結果、脊索動物の中でナメクジウオが最も原始的であることがわかった。

 これは、脊椎動物がナメクジウオ類から直接進化したことを裏付けるもので、ホヤ類を祖先と見る従来の説を覆す結果となった。

 研究リーダーの一人である京都大学の佐藤矩行教授(動物学)は「ダーウィン以来の懸案だった脊椎動物の起源が初めてはっきりした」と話している。

[読売新聞 2008年06月19日]
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20080618-OYT1T00930.htm



【脊椎動物の祖先はナメクジウオ 「ホヤ」との論争に決着】

 背骨をもつ脊椎(せきつい)動物の祖先はホヤでなく、ナメクジウオだった。京都大、国立遺伝学研究所が米英などの研究機関とナメクジウオの全遺伝情報(ゲノム)を解読し、ヒトやホヤのゲノムと比べた結果、進化の順番が明らかになった。19日付の英科学誌ネイチャー(電子版)に発表する。

 ナメクジウオは浅い海底にすむ体長3~5センチほどの生物で、日本では瀬戸内海などにいる。背骨(脊椎)はなく、脊索(せきさく)と呼ばれる筋が頭から尾まで貫いている。「頭索(とうさく)動物」に分類される。

 一方、ホヤは、生まれた直後はオタマジャクシのような形をしていて、尾にやはり脊索がある。「尾索(びさく)動物」に分けられ、尾の脊索は成体になると消失してしまう。

 ヒトなどの哺乳(ほにゅう)類や、爬虫(はちゅう)類、魚類などの脊椎は脊索が進化してできたとされ、ヒトも大きくはナメクジウオやホヤと同じ「脊索動物」に属する。これまでは最初にホヤが生まれ、その後、形態がより脊椎動物に近いナメクジウオが現れたと考えられていた。

 研究チームは今回、ナメクジウオのゲノムをすべて解読して、約2万1600個の遺伝子を見つけた。これらを、すでに解読ずみのヒトやホヤのゲノムと比べたところ、ナメクジウオが最初に生まれたことが確認できた。

 研究リーダーの一人、京都大の佐藤矩行(のりゆき)教授によると、遅くとも5億2千万年前、脊索動物の共通の祖先からナメクジウオが分岐し、その後、脊椎動物に進化した。ホヤはその過程で分かれ、独自に進化したと考えられるという。

 また、ヒトの遺伝子の9割がナメクジウオにもあることも、今回、わかった。

 佐藤さんは「脊索動物の進化と脊椎動物の起源について、最終決着がついた。新たな学説はもう生まれない」と話す。(香取啓介

[朝日新聞 2008年06月19日]
http://www.asahi.com/science/update/0619/TKY200806180356.html

がん抑制遺伝子と似た構造、ホヤ精子の酵素で発見=大阪大学

2008年06月19日 | 生きもの色々
 ホヤの精子に存在する酵素の構造や機能がヒトのがん抑制遺伝子と似ていることを、大阪大大学院医学系研究科の岡村康司教授(神経生理学)と自然科学研究機構・生理学研究所などのグループが突き止め、19日までに米科学アカデミー紀要電子版に発表した。
 似ているのは細胞のがん化を促進する物質を分解する部分で、岡村教授は「解明が進めばがん抑制遺伝子の働きを強める治療薬の開発などが期待できる」と話している。
 岡村教授によると、ホヤの精子の酵素Ci-VSPの一部のアミノ酸配列はヒトのがん抑制遺伝子PTENとほぼ同じで、実験でどちらも細胞の増殖や分裂などを制御するリン脂質物質のPIP3を分解することが分かった。
 ヒトのPTENの遺伝子が異常になりPIP3が増加しすぎると、細胞ががん化し、脳腫瘍(しゅよう)や前立腺がん、白血病などを発症する。
 ホヤの酵素とPTENは配列のアミノ酸1個だけが異なり、PIP3の分解能力にも違いがある。そのため、岡村教授はそれぞれのアミノ酸の働きを調べればがん抑制遺伝子の謎が解明できるとみている。

[時事ドットコム 2008年06月19日]
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200806/2008061900930

生理学研究所 リサーチトピック
 海産動物ホヤの精子の分子から発がんのメカニズムへ手がかり
 —化学信号「リン脂質」を操る仕組み解明へ—
http://www.nips.ac.jp/news/2008/20080619/



海産動物ホヤの精子の分子から発がんのメカニズムへ手がかり -化学信号「リン脂質」を操る仕組み解明へ-(自然科学研究機構生理学研究所)【研究情報】

 大阪大学医学系研究科の岡村康司教授(自然科学研究機構・生理学研究所)と岩崎広英博士(自然科学研究機構・生理学研究所・助教、現ハーバード大学)の研究グループは、海産動物ホヤの精子に存在するCi-VSPという酵素が、がん抑制遺伝子PTENと似たタンパク質構造をもつことに着目し、どのように細胞内の化学信号(リン脂質)を操っているのか、そのメカニズムを明らかにしました。
本研究はUCサンジエゴのJack E. Dixon教授との国際共同研究(ヒューマンフロンティアサイエンスプログラム)として行われました。
6月2日(電子版)に公開された米国アカデミー紀要(PNAS)に発表されました。

 Ci-VSPのVSPとは、Voltage Sensor-containing Phosphatase(電位センサーをもつリン脂質脱リン酸化酵素)の略。岡村教授の研究グループが2005年に発見した、電気信号を化学信号に変換するというユニークな特性をもつ膜タンパク質です。Ci-VSPは、がん抑制遺伝子として知られているPTENと良く似たタンパク質構造を持っています。また、PTENは細胞の増殖に関わるリン脂質PIP3を分解することで、がんの発生を抑えることが知られています。今回、研究グループは、がん抑制遺伝子PTENとCi-VSPとを詳細に比較したところ、Ci-VSPは、PTENと似た構造をもちますが、リン脂質PIP3を分解するだけでなく、PIP2と呼ばれる別のリン脂質も分解することを明らかにしました。
 PTENとCi-VSP酵素の化学信号を伝える部分の違いは、たった一つのアミノ酸配列だけです。この違いから、PTENがどのようにリン脂質PIP3を分解し、がんの発生を抑えているのか、そのメカニズム解明にもつながるものとして期待されます。
 なお、詳細については下欄のリンク先をご覧ください。

[バイテクコミュニケーションハウス 2008年06月20日]
http://www.biotech-house.jp/news/news_695.html



 気仙沼のおみやげに「ホヤの酒蒸し」という珍味があります。
 東北の三陸から南津軽の辺りに旅行されると、他にも様々なホヤを食材とした料理を味わうことができます(旬は5月から8月、そうまさにシーズン酣(たけなわ)、ラットは酒の肴にホヤ、大好物です。ホントに不思議な、宇宙から来た生物のような形をしていますが、脊椎動物の祖先、脊索動物の仲間で、幼生はちゃんと泳ぐし岩に貼り付いて一生を終えるその体にも脳神経節や心臓があります。わたしたちと共通の遺伝子、共通のしくみを使って生きているわけです。
 そういう訳で、ホヤを実験動物に使っている研究室は意外とたくさんあります(ナメクジウオも瀬戸内海では天然記念物ですが、海外から取り寄せて実験材料に利用されるそうです)。
 このような不思議な形の生物の研究から、ヒトの難病治療のヒントになる成果が発見されるのは、とても興味深いことだと思います。

ハグとキスで仲間を慰め、チンパンジーで確認=リバプール・ジョン・ムーアズ大学(英国)

2008年06月18日 | 心のしくみ
ワシントン(AP) チンパンジーが仲間に「ハグ」と「キス」することで、仲間の嫌な気分に共感して慰め、ストレスを軽減させていると、英国の研究者が17日付の米科学誌米科学アカデミー紀要(PNAS)に発表した。人間と同様の行動で、サルの仲間ではチンパンジーにしか見られないとしている。


英リバプール・ジョン・ムーアズ大学進化人類・古生態学研修センターのオーレイス・N・フレイザー博士らは2005年1月から06年9月にかけ、英チェスター動物園のチンパンジーを調査。


その結果、ある個体が怒って別の個体をかんだり、叩いたり、押したり、手荒く扱った際には、「第3者」の個体が「被害」を受けて落ち込んでいる個体を抱きかかえたり、キスしたりして慰めたという。この結果、「被害」を受けた個体のストレスが減少したという。


ハグは両腕で抱きかかえるような仕草で、キスは口を開けて背中や頭に接する仕草だという。この「慰め」は、すでに深い関係が築かれている個体間で見られた。


これまでの研究では、脳が大きな鳥類やイヌでも同様の行動が見られているが、この行動により、これらの動物でストレス・レベルが低下したかどうかははっきりしていない。


米アトランタのエモリー大学の研究者、フランス・デ・ワール博士は、ハグやキスでチンパンジーでストレスの低下が確認できたのは注目できる点だと指摘。


人間の小さな子供たちが、落ち込んでいる家族に触れたり抱きついたりする行動と、同様なのではないかと話している。

[CNN.co.jp 2008年06月18日]
http://www.cnn.co.jp/science/CNN200806180033.html

恐怖記憶に「ブレーキ役」のたんぱく質を特定、PTSD治療へ応用期待=群馬大学

2008年06月18日 | 心のしくみ
 動物が過去の体験を「恐怖記憶」として形成するのにブレーキをかけるたんぱく質を、児島伸彦群馬大講師の研究チームがマウス実験で突き止めた。過剰な恐怖記憶が原因とみられる心的外傷後ストレス障害(PTSD)の研究や治療に役立つ可能性がある。米神経科学誌に掲載される。

 研究チームは、神経細胞の興奮状態が過剰な恐怖記憶を作ると考え、興奮時に作られるたんぱく質「ICER(アイサー)」に注目した。

 そこで、遺伝子操作でアイサーを作らないマウスを作り、電気ショックと同時にブザー音を聞かせた。翌日ブザー音だけを聞かせると、このマウスは体をすくめたが、その時間は通常のマウスに比べて2倍も長いことが分かった。逆に、アイサーを過剰に作るマウスでは、すくんでいる時間が通常マウスの半分以下だった。

 一方、砂糖水を与える「楽しい記憶」の実験では、3種類のマウスの行動に大きな差はなく、アイサーが恐怖記憶の「ブレーキ役」になっていることが裏付けられた。

 記憶形成の「アクセル役」のたんぱく質として「CREB(クレブ)」が知られているが、ブレーキ役は不明だった。児島講師は「2種類のたんぱく質のバランスを調節できれば、恐怖記憶の強さを変えられるかもしれない」と話す。【塩崎崇】

[毎日新聞 2008年06月18日東京夕刊]
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2008/06/18/20080618dde041040054000c.html



【過剰な恐怖の「ブレーキ役」解明 群馬大がマウス実験】

 恐怖を感じるような体験をした際、脳内の特定のタンパク質が、過剰な恐怖記憶を作らないよう「ブレーキ役」として働いていることを、群馬大の児島伸彦講師(神経薬理学)らのグループがマウスの実験で突き止め、18日付の米専門誌に発表した。

 過剰な恐怖記憶は、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の原因になるため、グループは、このタンパク質の研究を進めることで、PTSDなどの予防や治療に役立つ可能性があるとしている。

 タンパク質は「アイサー」と呼ばれ、遺伝子からタンパク質が合成される転写という段階にかかわることが知られている。グループによると、恐怖が記憶として残る際、ある種のタンパク質が脳内で合成されることが分かっており、アイサーはその合成を抑制する働きがあると考えられるという。

[msn産経ニュース 2008年06月18日]
http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/080618/acd0806180840005-n1.htm

慢性骨髄性白血病、根治へ治療法を開発=ハーバード大学

2008年06月18日 | 癌、腫瘍
 慢性骨髄性白血病の根治につながる治療法を、米ハーバード大医学部の伊藤圭介研究員らが開発した。異常な白血病細胞をつくりだす骨髄中のがん幹細胞をなくし、再発を防ぐことにマウスで成功した。人間の細胞でも同様の効果を確認した。19日付の英科学誌ネイチャーに発表する。

 同大はこの治療法の臨床試験の開始を、すでに決めた。イタリア・トリノ大からも臨床試験の依頼を受け、日本でも計画しているという。

 現在の抗がん剤治療で使われる薬は、白血病細胞のような増殖能力が高い細胞を標的にしている。このため、白血病細胞は殺せるが、増殖をしていないことが多いがん幹細胞には効きにくかった。

 伊藤さんらは、まず「PML」という遺伝子が、がん幹細胞を休止期の状態にしていることを発見。さらに亜ヒ酸を抗がん剤と一緒に投与すると、このPMLの働きが落ちて、がん幹細胞の増殖が盛んになり、抗がん剤の効き目があがることを突き止めた。

 慢性骨髄性白血病は、国内では10万人に1~2人の割合で発症し、成人の白血病の約2割を占めるとされる。(竹石涼子)

[朝日新聞 2008年06月18日]
http://www.asahi.com/science/update/0618/TKY200806180286.html

米国政府によるホッキョクグマ絶滅危惧種認定の方針、アラスカ州が反対表明

2008年06月17日 | 生命&倫理
米国政府によるホッキョクグマ絶滅危惧種認定の方針、アラスカ州が反対表明
【Technobahn 2008/5/22 17:13】米連邦政府がホッキョクグマを絶滅危惧種に認定し、連邦法で保護する方針を固めたことに関して、アラスカ州のサラ・パリン知事は21日、記者会見を行い、アラスカ州としてはホッキョクグマを絶滅危惧種に認定することは同州の基幹産業となる石油採掘事業などの経済活動を損なう恐れがあるとして反対する意向を表明した。

 アラスカ州では連邦政府が絶滅危惧種認定を行った場合には、認定の無効を求めてワシントン連邦地方裁判所に提訴する準備があると述べている。

 地球温暖化の進行でホッキョクグマの生息域となっている北極海の海氷が消滅の危機の状態にあり、連邦政府では新たにホッキョクグマを「絶滅の危機に瀕する種の保存に関する法律(Endangered Species Act)」が定める絶滅危惧種に認定することにより連邦法で保護の対象としようとする方針を今月に入ってから明らかにしていた。

 しかし、アラスカ州のパリン知事は、地球温暖化の進行は不確実性の高いもので、アラスカ北部の北極海域全般を生息域としているホッキョクグマを連邦法で保護の対象とした場合、石油採掘事業などの経済活動に少なからず影響を与えることになり、州としては容認できないと述べた。
[Technobahn 2008年05月22日]
http://www.technobahn.com/cgi-bin/news/read2?f=200805221713


米国政府、アラスカの石油掘削会社にホッキョクグマの駆除を許可
【Technobahn 2008/6/17 16:25】米国魚類野生生物局(US Fish and Wildlife Service)がアラスカ州で操業を行っている石油掘削会社に対して施設に接近するホッキョクグマの駆除を認める許可を出していたことが14日までに明らかとなった。

 この許可を受けて石油掘削会社は必要と判断した場合にはホッキョクグマを施設から強制的に追い払うことが可能となる。

 ホッキョクグマの生息域となる北極圏の氷は地球温暖化の影響を受けて近年急速に縮小。生息可能域の縮小を受けて、ホッキョクグマの個体数も急速に現象していることが知られており、今回の米国政府が、石油掘削会社に対してホッキョクグマの駆除を許可したことは環境保護団体の間からは批判も集まっている。
[Technobahn 2008年06月17日]
http://www.technobahn.com/cgi-bin/news/read2?f=200806171625




世の中はニンゲンにとって随分便利になりました。
石炭からスチーム機関、そして産業革命、石油内燃機関、発電、エアコンディショナー、医薬品や医療技術による病気の克服、ジェット旅客機、強力な武器、強大な国家、知的ナントカの取引き、大気中の二酸化炭素の取引き・・・
いったい、どこらへんまで便利になったら、この移り変わりは止まるのでしょうか。

ホッキョクグマにとって、世の中は随分住みにくいことになったものです。
生息するためのテリトリーを守ろうにも、どういうわけか暖かい年が続き、仲間も食料も減り、天敵(=銃を持ったニンゲン)が現れました。
いったい、この家族は生き残っていけるのでしょうか。

ニンゲンは自分たちの文化で正当化したことは決して止めたりしません。 地中の石油を掘り出して、燃やし、大気の組成に僅かばかり影響を与えることも、この北国で安全に会社の仕事を遂行するために、ある種の大型動物の個体数にダメージを与えることも、きっと止めることはないでしょう。

このニュースが伝えるニンゲンの傲慢さ愚かさには、ちょっと呆れてしまいました。 きっとこの星はニンゲンの文化が亡んでしまっても何も困らないことでしょう。むしろホッキョクグマは小躍りして喜ぶことでしょうし、自然が自然な姿に戻るのに損なわれるものは何もないことでしょう。
ただ、ニンゲンが自分たちの欲望に任せてこの時間を進めているのも、どうしようもない、自然の法則のたった一つに過ぎないのだと思います。
車で移動したり電器を灯したりする時には、ほんの少し、アラスカの氷の大地から追い出されてしまいそうなホッキョクグマたちに思いを馳せることにします。
「ごめんね。」