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医学研究関連記事の新聞紙面から切り抜き
再生医療、薬理学、生理学、神経科学、創薬

キタサンショウウオ、170万年前に北海道へ、DNA解析=京都大学

2008年05月20日 | 生きもの色々
 国内では釧路湿原で生息し、「氷河期の生き残り」として釧路市の天然記念物にも指定されているキタサンショウウオが大陸から北海道側に渡ってきた時期は、約百七十万-百九十万年前であるとする研究結果を京都大の松井正文教授(動物系統分類学)らの研究グループがまとめ、米国の学術誌に発表した。定説だった約二万年前を大幅にさかのぼる上、約二百万年前の北海道と大陸が地続きだったことも類推でき、北海道の自然史に新たな光を当てるものとして注目されそうだ。

 東海大生物理工学部(札幌)の竹中践教授(両生爬虫(はちゅう)類学)らとの共同研究として、このほど米誌「分子系統と進化」の電子版に掲載された。

 これによると、研究グループは釧路湿原やロシア・サハリン州のウグレゴルスクなど九カ所で、七十三匹のキタサンショウウオを採取。それぞれのDNAを解析した。分岐した時期が古ければ古いほど異なる塩基配列の違いから、釧路とサハリンのものが約百七十万年前に分かれたとの結果を得た。

 また、同じ生息地にいると同一の割合となるタンパク質を比較した結果でも、分岐は約百九十万年前となり、DNA解析をほぼ裏付けた。

 北海道のキタサンショウウオは、大陸と北海道が地続きだった約二万年前に大陸から渡ってきたものと考えられてきた。今回のようなデータに基づく詳しい研究が行われたのは初めて。

 約二百万年前の北海道の地形については大陸と地続き説のほか、海だったとの説などもある。研究をまとめた京大の松井教授は、「少なくとも釧路地方は当時、陸化していた可能性は高まった。北海道の成り立ちの解明にも役立つだろう」と話している。

[北海道新聞 2008年05月20日]
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/environment/93768.html?_nva=76

アルツハイマーのマウス、脳に抗体注射で能力回復=佐賀女子短期大学

2008年05月20日 | 脳、神経
 佐賀女子短大(佐賀市)の長谷川亨教授(公衆衛生)らの研究グループは、アルツハイマー病のマウスを使った実験で、脳からホモシステイン酸という物質を減らすと記憶・学習能力が回復したと発表した。7月に米シカゴで開かれる国際アルツハイマー病学会で発表する。

 長谷川教授によると、ホモシステイン酸はホモシステインなどのアミノ酸から生成され、同病の原因物質とされるβ(ベータ)アミロイドを蓄積させる。

 実験では、同病を発症したマウス6匹のうち3匹の脳に3日に1度、3週間にわたりホモシステイン酸を減らす抗体を注射。水をためたおけの中でゴールにたどり着く時間を計測し、注射しない3匹と比較した。その結果、注射した3匹は健康なマウスと同程度まで記憶・学習能力が回復した。

 長谷川教授は「ホモシステイン酸自体がアルツハイマー病の原因物質である可能性もある」としている。

[読売新聞 2008年05月20日]
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/national/20080520-OYS1T00355.htm

アイスランド、2008年の商業捕鯨の詳細を発表

2008年05月20日 | 生命&倫理
2008年05月20日 18:22 発信地:レイキャビク/アイスランド
【5月20日 AFP】アイスランド政府は19日、2008年度割当て分の商業捕鯨を20日から再開することを明らかにした。

 農業・漁業省のステファン・アスムンドソン(Stefan Asmundsson)氏がAFPに説明したところによると、2008年の捕鯨期間は20日から9月までで、割当て量はミンククジラ40頭。

 アイスランドは1990年の国際捕鯨委員会(International Whaling Commission、IWC)会合で採択された商業捕鯨モラトリアムに従い、16年間にわたって商業捕鯨を停止してきたが、2006年10月、国際社会の非難を受けながらも商業捕鯨を再開した。

 今年度の商業捕鯨については、これまで態度を明確にしてこなかったが、これについてアスムンドソン氏は、事前に鯨肉の市場需要の把握が必要だったためとしている。

 今回の捕鯨再開決定については、早くも動物保護団体などから非難の声があがっている。

 国際動物福祉基金(International Fund for Animal Welfare、IFAW)英国支部のロビー・マースランド(Robbie Marsland)支部長は、「クジラは絶滅の危機にひんしており、商業捕鯨の再開はすでに逼迫(ひっぱく)した状況にあるアイスランド経済にも、同国の国際的イメージにもマイナスだ」と述べ、政府に再考を強く求めた。

 現在、商業捕鯨を行っているのはアイスランドとノルウェーの2か国。これに加え、日本が科学的調査目的として調査捕鯨を行っている。(c)AFP

[AFP BB News 2008年05月20日]
http://www.afpbb.com/article/economy/2393847/2948883

水産庁 捕鯨班 のサイト
http://www.jfa.maff.go.jp/whale/indexjp.htm
「捕鯨班の基本的な考え方」のページ
http://www.jfa.maff.go.jp/whale/assertion/assertionjp.htm#top