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脂質と協調しがんを抑制するたんぱく質の働きを解明=大阪大学

2008年05月23日 | 癌、腫瘍
 細胞膜の脂質にあるCbpというタンパク質が、がん遺伝子の働きを抑える役目を果たしていることを大阪大微生物病研究所の岡田雅人教授らが突き止め、23日付の米科学誌モレキュラーセルに発表した。

 Cbpと脂質が協調し、大腸がんや乳がんの悪性化に関係するSrcという遺伝子を抑えていた。小根山千歳助教は「新たな抗がん剤や診断法開発の手掛かりになるかもしれない」としている。

 チームは、Srcを働かせてがん化した細胞をマウスに注射すると盛んに増殖するが、Cbpを同時に働かせると、がんが大きくならないのを実験で確認。

 調べると、細胞膜に点在し、コレステロールなどが集まった「脂質ラフト」と呼ばれる領域の内側にCbpがくっつき、Srcがつくる物質を引き寄せてがん化しないようスイッチを切っていた。

 小根山助教は「健康な細胞ではCbpと脂質が協調してがんを防いでいるのかもしれない」とみている。

[北海道新聞 2008年05月23日]
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/environment/94426.html?_nva=6