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“がらくた”遺伝子、実は胎盤形成関与=東京医科歯科大学

2005年12月13日 | 遺伝子組替マウス
 哺乳(ほにゅう)類のゲノム(全遺伝情報)の中で、かつて“がらくた”と思われていた部分に、種の存続に欠かせない遺伝子があることを、科学技術振興機構と東京医科歯科大の研究チームが突き止めた。

 母体と胎児をつなぐ胎盤が作られる際に必要な遺伝子で、12日付の米科学誌ネイチャー・ジェネティクス電子版に発表された。



 哺乳類のゲノムの3分の1以上は、細胞内を動き回り突然変異などを起こす遺伝子(レトロトランスポゾン)が元になっている。その大部分はたんぱく質を作らず、ゲノム中のがらくたとみなされていた。

 同チームは、こうした遺伝子の一つ「Peg10」を、多くの哺乳類が共通してもつことを発見。その機能を調べるため、Peg10を壊した受精卵を雌マウスの体内に入れて妊娠させたところ、子供は妊娠約10日目ですべて死んだ。胎盤の形成に異常が起きていた。同大の石野史敏教授は「この遺伝子は、哺乳類の祖先のゲノムへウイルスなどの形で侵入した後、進化に伴って変化し、妊娠形態を発達させたのではないか」と推測している。

[読売新聞 / 2005年12月13日]
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20051213ik02.htm