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医学研究関連記事の新聞紙面から切り抜き
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田辺三菱製薬=業務停止25日…子会社が製剤データ改ざん

2010年04月14日 | 創薬
 田辺三菱製薬(大阪市)の子会社バイファ(北海道千歳市)が昨年、試験データなどを改ざんした血液製剤を自主回収した問題で、厚生労働省は13日、薬事法に基づき、田辺三菱に第1種医薬品(処方せん薬)の製造販売業務を17日から25日間停止する命令を出した。バイファには14日から30日間の業務停止を命じ、両社に業務改善命令も出した。

 大手製薬会社が承認手続きの不正で業務停止処分を受けるのは異例。ただし販売済みの医薬品の安全管理業務や、代替性がなく安定供給に支障が出る恐れがあるリウマチ治療の点滴薬などは対象外。厚労省は「バイファでは品質試験や製造工程で不適切な行為が組織ぐるみで行われていた。田辺三菱も不適切な行為を漫然と見逃した」と理由を説明した。

 問題となったのは、両社が共同開発した世界初の遺伝子組み換え人血清アルブミン製剤「メドウェイ注」。血液が原料の従来品に比べ、感染リスクを排除できるメリットがあり、大量出血のショック時などに使われる。厚労省によると、バイファはラットで行ったアレルギー反応実験で一部陽性反応が出たデータを陰性に差し替えるなど両社で計16項目の試験データや生産管理システムの記録改ざんなどの違反行為を行った。田辺三菱は07年10月に国の承認を受けて販売し、約1700人が使ったが健康被害は確認されていない。

 田辺三菱は旧ミドリ十字などが合併を繰り返して現在に至り、バイファ96年に旧ミドリ十字が設立。今月公表された両社の社外調査委員会(委員長・郷原信郎弁護士)の報告書は、旧ミドリ十字が薬害エイズ事件で多額の損害賠償請求を受け厳しい経営状況にあったことが不正の背景にあると指摘した。[佐々木洋]


◇「規制順守を徹底」…田辺三菱製薬の社長

 田辺三菱製薬の土屋裕弘(みちひろ)社長は13日夜、藤井武彦バイファ社長とともに会見し「生命にかかわる製薬会社としてあってはならないことで深くおわび申し上げる。グループ各社の規制順守の徹底を図り再発防止に努める」と陳謝した。[松本惇]

[毎日新聞 2010年04月14日]
http://mainichi.jp/select/biz/news/20100414k0000m040060000c.html



悲しい気持ちでいっぱいです。
クスリはヒトの体に入ってその人の命に関わるものです。医薬開発に携わる者の常識があれば、こんな不正行為が出来るはずありません。データの隠蔽、改ざん、ねつ造、サンプル差し替え、しかも31件もあったそうで、組織的にとか、どうしてあり得ましょうか!?生命の重さをご存じですか!?自分の会社を潰す気ですか!?
以前この会社に合併した「ミドリ十字」は薬害エイズを始め、良くない噂の多かった会社でした。それにしても、あまりに杜撰、あまりに悪質、ホントに信じられません。

これから、田辺三菱はお金では購えない、失ってしまった信頼を取り戻すために、大変な苦労をすることでしょう。それでも、患者さんの安心のためにあらゆる証明をしていかなければなりません。
中の人、どうか堪えて頑張ってください。それから今回は薬害が起きなかったことに安堵します。

(ああ、こんな残念なニュースでエントリー追加とは‥。
でも実験に供されたラットだって浮かばれませんよね、データ改ざんされたなんて、最低です。

私事で、家庭の事情でこのブログも更新の必要がなくなっていました。
ウチのラットたちも元気です。)


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