ラットは今日も、きみのために。

マウスも研究者も頑張っています。
医学研究関連記事の新聞紙面から切り抜き
再生医療、薬理学、生理学、神経科学、創薬

ブームだったのに… 「バイオポスドク」に受難の季節(msn産経ニュース、コラム)

2008年06月28日 | 徒然に
 大学院で博士号を取得後、定職を得ずに不安定な身分で研究を続ける「ポストドクター(ポスドク、博士研究員)」。その数は国内で1万5000人以上にのぼるとされ、うち生物学や農学などライフサイエンスを専門とする“バイオポスドク”の割合が4割も占める。1990年代のいわゆる「バイオブーム」に乗って、関連する大学の学部・学科の新設が相次いだが、“出口”や“受け皿”に関しては、未整備の状態が続いている。「末は博士か…」といわれた立身出世物語も今や昔。博士の受難を追った。(信藤敦子)

■ブームに踊らされる

 「バイオブームに踊らされたのが、われわれバイオポスドクです」

 大阪大学先端イノベーションセンターの特任研究員、吉岡宏幸さん(32)は農学の博士号を持つバイオポスドクだ。大学、大学院と農学一筋に歩み、カナダへの留学後の平成18年に阪大の研究員に。雇用期間は3年。給料も時給制で、契約時に決められた上限分しか支払われることはない。しかしそれでも恵まれているという。「保険にすら入れない人もいるんです」

 昔から植物の分子レベルの構造に興味があったという吉岡さん。大学も迷わず農学を学べるところを選択した。「高校のころは博士をとれば助手、助教授…と進んでいけると思っていました」。だが、学位取得後の吉岡さんを待っていたのは厳しい現実だった。助手になるにも採用枠は1人か2人。応募しても100倍以上の狭き門は当たり前だ。大学の正規教員になるのは「(博士の中でも)一握りのエリート」と話す。

 現在は“専門外”のレーザーを使った植物構造の解析を行う。「研究できる場があるだけ幸せ」と吉岡さん。だが、センターの雇用期間も来年で終了、契約の更新は原則ない。3年間の研究成果を携えて、職探しが始まる。

 吉岡さんは今年結婚。9月には子供が生まれる予定だ。具体的には決めていないが、九州の実家に戻り農業に携わることも選択肢に入れているという。「民間への就職も“奇跡的なマッチング”がなければ無理。これから私の本当の人生が始まる気がします」

■研究職は削減の一途

 ポスドクなどの余剰博士問題は、世界競争力を高めるため文部科学省が進めた「大学院重点化政策」に端を発する。博士課程の在籍者数は、就職氷河期とも重なり、この12年間で2.5倍に増加した。

 その一方で、18歳人口の減少を見据えた大学のスリム化に伴い、博士らが本来就くはずの研究職は削減の一途をたどり、ポスドクは1万5496人(平成17年度)にまで膨れ上がった。そのうちバイオポスドクは6471人を占める。

 「国の施策は10年先を見据えてやったとは思えない」。こう厳しく批判したのは、バイオサイエンス研究の権威、新名(しんみょう)惇彦(あつひこ)・奈良先端科学技術大学院大学名誉教授。

 新名さんは昨年、「ポスドクとバイオ系企業との連携」と題した事例研究を行い、バイオポスドクの現状を分析したが、そこからは、行き場を失ったバイオポスドクの悲哀がうかがい取れる。「これだけ増えてしまった以上、ポスドクは(研究継続をあきらめ)普通に就職することもやむをえない」と新名さん。

 しかし、その責任を国だけに帰することはしない。「企業にも、大学にも、そしてポスドク自身にも問題があった」

■実績ある研究者を優先

 DNA研究の進展とともに脚光を浴びたバイオ産業。だが時を同じくし、医薬・化学系の大手企業などの外資系による吸収合併が進み、ポスドクよりも、実績ある研究者を優先的に採用する傾向を強めていった。

 新名さんは「技術力の高い中小企業やベンチャーには人材のニーズがあるのだが、ポスドクは(採用枠の狭い)上場企業研究職を希望したがる」とし、マッチングの差異を指摘する。

 また、新名さんとともに調査にかかわったシンクタンク「ダン計画研究所」常務取締役の宮尾展子さんは、「(ポスドクは)インターンシップなどを使って積極的に企業へアプローチすることも必要なはずだが、現状では参加するポスドクは数%」と語った。そこからはポスドクの研究者としてのプライド意識が、問題の悪循環を招いている実態もうかがい取れる。

 実際、「企業のポスドクに対するイメージが、あまりにも悪いことに驚いた」と宮尾さん。調査では複数のベンチャー企業にアンケートを実施したが、「(ポスドクは)協調性がなさそう」「使いづらい」などというマイナスイメージが多数を占めたという。

 宮尾さんは「(国策としてポスドクを増やしながらも)企業側、ポスドク側双方がお互いを知る機会が少なく、そのこと自体が依然として問題視されていないことが最大の問題」と指摘。「双方が接点を作る機会を官民が積極的に創出していかなければ何も変わらないだろう」と予測した。

[msn産経ニュース 2008年06月28日]
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/080628/trd0806282146020-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/080628/trd0806282146020-n2.htm
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/080628/trd0806282146020-n3.htm



 好きなこと(研究)だけをやって生きていける、と思っていた若者には憂鬱なニュースかもしれません。
 世の中、どこを見ても景気の良い話はなくなってきています。 研究トレンドの移り変わりもとても早くなっていて、時間をかけた研究がしづらくなっています。 それどころか社会の構造が世界規模で短期間に変化を完了してきています。 そんな中、日本の「バイオ産業」がまだまだ産業として未成熟のまま取り残されています。 記事にもあるように外資系による吸収合併も進んできます。しかし、製薬会社などでは、国内企業による外資ベンチャーの買収など、まだまだ善戦しているシーンもあります。

 こんな世の中でも強く生き抜いていくためには、個人個人が能動的な力を持つ起業家になれるような力をつける教育も必要だったのではないかな、と思います。 日本は「お金儲け」に対する後ろめたさを感じる考え方が色濃く残っていますが、試薬を買うのにも動物を飼うのにも、ご飯を食べるのにもお金はかかります。 ですから、変なプライドは捨てて、真の目的にまい進することも時に必要です。 海外のラボでは、研究資金を集めることが研究者の最も重要な仕事になります。 そしてそれ以上に実力社会だということはよく耳にします。 やっぱり現実は厳しいのです。

 スペシャリストでジェネラリスト(!?)←矛盾していますけど、世の中が求めているのはこんな感じのものかも知れません。
 これからもこの状況は、苦しくなりはすれ楽になることはないかも知れません。それでも若人さんたちに「頑張れ」とラットはエールを送りたいと思います。 好きなことを見つけて、そしてチャンスにも恵まれて、それを生かす力が存分に発揮できますように、と。

科学の授業では進化論を 米科学アカデミーが提言

2008年01月05日 | 徒然に
 米科学アカデミーは4日までに、現代生物学の根幹として進化論を公立校の科学の授業で教えるべきだとする報告書を発表、キリスト教保守派などによる進化論否定の動きに危機感を表明した。

 同趣旨の報告書は1984年、99年に続き3回目。

 報告書は、DNAの変異と、変異の蓄積による新種の誕生を基にした進化論は現代科学の中でも最も重要な概念だと強調。ウイルスの変異がもたらす感染症の拡大や地球温暖化などの環境危機にも、生物的進化の特質を踏まえた対応策が必要だとした。

 米国内では進化論を否定し、知的な存在が人間を創造したとする「インテリジェント・デザイン(ID)説」などが1980年代から支持を拡大。ブッシュ大統領も2005年に「進化論とは別の見方も教えるべきだ」と主張するなど、公教育と宗教をめぐって社会問題となっている。

 ロイター通信によると、06年のギャラップ社の世論調査で、米国人のほぼ半数が「人類は過去1万年以内に神によって現在の姿に創造された」と回答した。(共同)

[msn産経ニュース(共同発) / 20080105]
http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/080105/acd0801051044002-n1.htm


心臓病治療に朗報、人工培養組織で損傷した心臓組織再生可能に

2007年09月04日 | 徒然に
【9月4日 AFP】ヒト胚性幹細胞(ES細胞)を人工培養し、損傷した心臓組織に移植する方法が、まもなく実用化する見通しだという。心臓移植の専門家が3日、英国王立協会(Royal Society)発行の生物学専門誌「Philosophical Transaction B」特別号の中で発表した。

 この方法は、患者自身の骨髄から採取したES細胞を人工的に育てて、心臓筋あるいは心臓弁に移植するというもの。3年から5年後には実用化される見通し。 

■心臓病で年間1750万人が死亡

 世界保健機関(WHO)による2005年度統計によると、心臓病による死者は全世界で1750万人、人類最大の死因となっている。だが、心臓弁と心臓筋を移植すれば、心臓病による死亡の大半は避けられるとされている。

 血液の環流を調整する4つの心臓弁とそれを取り囲む筋肉からなる心臓の組織は、いったん損傷を受けると再生が不可能だ。そのため心臓発作を起こすと、致命的でない場合でも、身体を衰弱させることになる。また加齢とともに、心臓の組織は弱体化していく。

「患者自身の繊維組織から培養した心臓弁を最も必要としているのは、先天的な心臓欠陥をもって生まれてくる新生児。100人に1人がこの問題を抱えている」と指摘するのは、心臓移植研究の第一人者で今回の研究の中心的人物でもある、Simon Hoeurstrup氏。

 現在使用されている人工の心臓弁は、成長にともない定期交換する必要があるため、子どもの患者に多大な苦痛を与えることになるうえ、死亡率も成人の場合より高い。さらに、耐久性の高いメカニックな心臓は心臓裏側の細菌感染の危険性を高め、血液の流れを不正常にする可能性が高い。血液の凝固を阻止する薬を服用せざるをえないため、内出血と塞栓症の危険を高めてしまう。

 こうした理由から、免疫システムによる拒絶反応を起こさない患者自身の組織を移植する方法は、関係者から移植治療における「聖なる杯」とされていた。
 
■画期的な心臓病治療法と期待される、人工培養組織の移植

 現在利用されている生物繊維組織からなる心臓弁は2種類あるが、いずれも重大な欠陥を抱えている。豚の心臓弁移植は、容易に移植の素材を入手できる利点はあるものの、人間の心臓弁と構造が違うため、摩耗していく傾向が強い。ヒトのドナーから提供してもらう場合その心配はないが、提供の機会が極めて限られているうえ、拒絶反応を引き起こす場合も多い。

 患者自身の骨髄から採取した組織を使用する方法では、細胞を適切な形に育成させる。こうして成熟した繊維組織を心臓弁として患者に移植する一連の過程は、わずか6週間ほどで完了するという。(c)AFP/Marlowe Hood

[AFP BB News / 2007年09月04日]
http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2276678/2070687

「培養皮膚」の製造販売を承認 再生医療、初の商業化=厚生労働省

2007年08月24日 | 徒然に
 厚生労働省の医療機器・体外診断薬部会は23日、愛知県の企業が申請していた「培養皮膚」の製造販売を承認した。重症やけど患者自身の組織から作った皮膚のシートで、患部に移植して治療する。病気やけがで失った体の一部を再生させる目的でヒト細胞や組織を使った製品が国内で承認されるのは初めて。再生医療が国内でも商業化の段階に入った。

 申請していたのは、ベンチャー企業「ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング」(J―TEC)。9月末にも開かれる薬事・食品衛生審議会薬事分科会を経て、正式に承認される。

 培養するのは、皮膚の一番外側の「表皮」と呼ばれる部分。損傷していない皮膚組織を1平方センチほど採取して表皮細胞を分離し、マウスの細胞を加えてウシの胎児血清で培養する。約3週間で、8×10センチの表皮シートが十数枚できる。これを病院に出荷し、医師が患部に移植する。

 重症やけど患者は、全国で年間4000~5000人ほど。やけどが大きい場合は自分や家族の皮膚などを移植することが多いが、自分の皮膚は足りなかったり、他人の皮膚だと拒絶反応が起きたりする問題がある。

 培養皮膚はこれらをクリアでき、3日~1週間で自分の皮膚として生着するという。J―TECは皮膚の培養のほか、出荷検査、輸送までを請け負う。販売価格は現時点で1000万円ほどの見込みで、今後、公的医療保険適用の申請を行う。

 同社は99年、名古屋大の技術協力などを得て設立。培養皮膚は02年から国内2施設で臨床試験を行い、04年10月に製造販売を承認申請していた。

 再生医療は90年代後半からベンチャー企業などが製品開発に取り組んできた。しかし、脳外科手術でヒト乾燥硬膜の移植を受けた人がクロイツフェルト・ヤコブ病に感染する被害が社会問題化したことなどから、厚生省(当時)は00年に規制を強化。審査や安全性の確認に時間がかかるようになった。培養皮膚以外では現在、2製品が臨床試験の段階まで進んでいる。

[朝日新聞 / 2007年08月24日]
http://www.asahi.com/health/news/TKY200708230328.html

株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング社 ホームページ
http://www.jpte.co.jp/


J-TEC社のホームページのトップに「再生医療のおはなし」というバナーを見つけました。
子どもでも分かるように、再生医療の仕組みについて解説されています(ルビをふってないので大人が読んであげなければなりませんが)。学校教材に使っても良いのではと思えるほど良く出来ています。そしてこの最後のページは企業理念で締めくくられており、感心しました。
また、倫理基本方針=倫理委員会議事録についてもサイトの分かりやすいところに貼られており、大変好感が持てました。企業所在地は蒲郡=愛知県の南の方、そういえば、以前大きな民間の研究機関があった場所に近いようですね‥、こういう企業に頑張ってとエールを送りたいものです。

科学技術白書:若手研究者の育成・支援重要と強調

2007年06月15日 | 徒然に
 政府は15日の閣議で、06年度の科学技術白書を了承した。過去20年間の自然科学系ノーベル賞受賞者は、30代から40代前半に受賞対象となった業績を上げていることが圧倒的に多いと分析。科学技術の振興には、若手研究者が自由な発想で研究に専念できるように育成・支援することが重要だと強調した。

 87~06年に物理学、化学、医学生理学の3分野でノーベル賞を受賞した133人が、対象となった業績を上げた年齢を調べた。医学生理学賞は30代が圧倒的に多く、物理学賞は30代から40代前半、化学賞は30代後半から40代前半に集中した。

 また、日本人の全受賞者(9人)では、業績を上げた平均年齢は38.1歳で、最も若かったのは湯川秀樹、田中耕一両氏の28歳だった。【下桐実雅子】

[毎日新聞 / 2007年06月15日]
http://www.mainichi-msn.co.jp/science/kagaku/news/20070615k0000e040079000c.html


肥満と糖尿病発症のDNA差異発見=オックスフォード大学

2007年04月13日 | 徒然に
 肥満と糖尿病のなりやすさに関係するDNAの微妙な違い(SNP=スニップ)を英オックスフォード大などのグループが見つけ、13日付の米科学誌サイエンス(電子版)で発表した。新たな治療法につながる可能性がある。

 SNPは、DNAを構成する塩基の配列が1カ所だけ異なっていること。グループは国際協力で見つかってきた49万カ所のSNPについて、糖尿病患者2000人と患者でない3000人とで頻度に差があるものを探した。

 その結果、患者では非患者に比べて、16番染色体にあるFTOと呼ばれる遺伝子で、塩基配列の1カ所がT(チミン)ではなくA(アデニン)の人の割合が高くなっていることがわかった。

 父母からいずれもAを受け継いだ人(研究対象の欧州白人では約16%)は、いずれもTの人に比べ、糖尿病の9割以上を占める2型糖尿病になるリスクが約5割高くなっていた。

 欧州の白人約3万8000人を対象に、体重(キロ)を身長(メートル)で2回割る「BMI」という指標を使って、2型糖尿病になりやすい肥満との関係も調べた。ともにAの人はともにTの人に比べ、平均体重が3キロ重く、BMIが30以上の肥満になるリスクが約7割高いことがわかった。

 欧州では父母のどちらか、あるいは双方からAを受け継いだ人は4~5割程度だが、日本人では1割程度とみられる。FTO遺伝子の働きはまだわかっていない。

 板倉光夫・徳島大ゲノム機能研究センター長は「極めて大規模な解析で注目される。肥満や糖尿病の仕組み解明や治療法の開発につながる可能性がある」といっている。

[朝日新聞 / 2007年04月13日]
http://www.asahi.com/science/update/0413/TKY200704130207.html




科学は、いったい誰のためのものなのでしょうか?
最新のDNAチップ、高精度な試薬と分析器械、高速処理ロボットのスクリーニング・マシーン、清潔で大規模な実験室、5,000人の被験者からのサンプル、490,000か所のSNPの分析‥。
これは膨大な予算が無ければ出来ない事業だと思います。

ただの貧乏庶民の実感として、こんな凄いお金をかけた物量作戦を見ると、なんか納得できない思いがします。
自己矛盾していますが。


ラットは今日も、きみのために頑張っています。
今、この地球上に生きているすべての、きみのために。
そう、信じているんですけれどね。

子供のアレルギー、アトピー70万人―文科省が初の調査

2007年04月12日 | 徒然に
 文部科学省は11日、子どものアレルギー疾患について、すべての公立小中高校を対象にした初の全国実態調査の結果を発表した。アトピー性皮膚炎の児童生徒は約70万人、ぜんそくは約73万人と、いずれもほぼ18人に1人。花粉症を含むアレルギー性鼻炎は約118万人と1割近くに上った。
 同省は今年度にも、同疾患をもつ子どもごとに、学校が注意すべき点を医師があらかじめ示しておく「学校生活管理指導表」を導入する。

 調査はアレルギーのある子どもの有無や学校の対応について、2004年12月から05年2月にかけて聞いた。回答した学校の児童生徒数は約1277万3000人で、小中高校の子ども全体の約9割を網羅する大規模調査となった。

 アトピー性皮膚炎にかかっている子どもは69万9086人で全体の5.5%、ぜんそくは73万466人で5.7%を占めた。


[日本経済新聞 NIKKEI NET / 2007年04月12日]
http://health.nikkei.co.jp/news/top/index.cfm?i=2007041108422h1

「初の調査」ってのにびっくり。
それから「学校生活管理指導表」をググって出てきた、「財団法人日本学校保健会」のサイト見て、なんだかちょっと複雑な気持ち、学校の先生もご苦労様です。厚労省もこういうデータは継続追跡して把握し、対策を立てる必要があるでしょう。
文部科学省と厚生労働省とは仲がおよろしくないのでしょうか?タテ割り縄張り争い、法規制ばかりに汲々としてないで、子どもたちの笑顔を守り育むために連携できる可能性を見出してもらいたいものだなぁ‥と願います。

止まらない薬学部の新設-私学は6年間で倍増=薬事日報

2007年04月10日 | 徒然に
 2008年度に薬学部開設を目指している大学が、少なくとも3校はあることが本紙の調べで明らかになった。鈴鹿医療科学大学、立命館大学、つくば薬科大学(仮称)の3大学で、文部科学省への設置申請を予定している。申請通り承認されれば、2008年度には74大学・75校となる。薬学部の定員も300人増えて1万3574人、6年制学部だけでも1万2834人に拡大する。私学だけに限っていえば、02年度以前は29大学だったが、来年度設置予定の3校を含めると03年度以降の6年間に29大学が誕生し、新設ブームで私立薬大の数が倍増することになる。

 今年度に設置申請するつくば薬科大学は、設置母体が広沢学園で茨城県内に歯科衛生学校などを開設しているほか、関連企業として県内に金属加工を手がける廣澤製作所がある。設置されれば茨城県では初の薬学部となる。

 当初は今年度の開設を目指していたが、地元の市町村合併に伴う手続き等の問題から、申請を延期した経緯がある。学生数は6年制1学科150人を予定していたが、100人に減らして申請する模様。キャンパスは、筑西市茂田にある下館ゴルフ倶楽部の一部を利用して建設が進められている。

 鈴鹿医療科学大学は昨年4月に設立準備室を設置し、川西正祐氏(三重大学名誉教授)を中心に開設準備を進めている。同大学のキャンパスは三重県鈴鹿市岸岡町にあるが、薬学部校舎は隣町・南玉垣町のNTT跡地に建設される。三重県初の薬大で定員は100人を予定。

 立命館大学は、滋賀県草津市の「びわこ・くさつキャンパス」に薬学部を設置する。生命科学部も同時開設する構想だ。薬学部は6年制のみで定員100人を予定。専任教員は生命科学部と合わせて60人程度。医師免許保有者の任用など、特色ある教員体制を検討しているという。滋賀県も薬学部は初めて。

 1学年当たりの定員をみると、薬学部の新設ラッシュが始まる前の02年度までは、私学が29校で6905人、国公立大が17校で1475人の合わせて8380人であったが、来年度には1万3574人と1.62倍に膨れあがる。

 このほか既設大学の動きとしては、04年度に設置された千葉科学大学が、今年度から140人の定員を250人に大幅拡大した。6年制の薬学科140人を200人に、4年制の薬科学科20人を50人に増やしたもので、薬科学科では従来の創薬生命科学コースに加え、動物薬科学コースも設置した。

 【姫路獨協大学】新校舎竣工‐4月から薬学部開設
 2007年03月12日
 5薬学部新設が正式決定
 2006年12月12日
 【立命館大学】2008年に薬学部設置へ
 2006年08月23日
 薬学部、来年度は71校に‐新たに4大学が設置申請
 2006年07月25日
 薬学部、新たに5大学が来年4月の開設を予定
  兵庫医療大学
  岩手医科大学
  いわき明星大学
  姫路獨協大学
  安田女子大学
 2006年05月22日
 「兵庫医療大学」が申請‐薬学部の設置も予定
 2006年05月15日
 鈴鹿医療科学大学
 立命館大学
 広沢学園
 千葉科学大学

[薬事日報 / 2007年04月10日]
http://www.yakuji.co.jp/entry2753.html

 世の中の移り変わりの中の、一つの大きな流れですね。
ですが、新設薬科大の中には、既に定員割れを起こしている薬科大学も何校かあるとか‥。
それに6年生になって負担も増え、大学院へ進み研究を目指す学生も減っている様子。
少子化、高齢化社会、高度専門医療の要求される社会‥次はお医者さん不足、看護士さん不足の対策ですね。この先どうなるか本当によく分からない世の中だけど、今学業を研鑽されている若い皆さまにエールを送ります。
‥みんな、頑張って!