乳がん患者のサロン2 - ノエル編

乳がん患者の皆様、このサロンでのびのびと雑談しましょう。くつろぎの場です。

精神腫瘍学 その1

2008年09月09日 | 精神腫瘍学
精神腫瘍学 その1 がんのストレス


夏のダラダラ気分を吹っ飛ばすため、お勉強会に出席しますた。がん患者さん必読だよ~ん!

精神腫瘍学(サイコオンコロジー)とは
 年間50万人以上の人ががんを経験する。2015年には89万人に達すると言われる。精神腫瘍学は、がんの全ての経過において、適切な精神的ケアを提供し、患者と家族がよりよく生活できるよう援助する。
 また、がんの経過に影響を与える心や行動に関連する要因を明らかにし、それらに働きかける。

ってことから、精神腫瘍学の講師の講義が始まりますた。

1 がん患者の心の動き

第1期 ショック期 1週間ぐらい

 病気を認めたくない、希望が持てない
 「頭が真っ白」「自分ががんになるなんて、何かの間違いだ」

第2期 精神的苦痛期 1,2週間程度

 不安や抑うつ、食欲不振、不眠

第3期 適応期 2週間後から

 現実的問題に向き合えるようになる、楽観的な見方も可能になる
 「いい治療を受けよう」「元気に過ごしている人もいる」

 患者さんの心の状態は、上記の「通常反応」を経て回復する。しかし、4割以上が何らかのケアが望まれる心の状態にある。国立がんセンターの患者の場合、5~20%が「適応障害*」。
 (*ストレスに関連して起こる不安・抑うつ。それにより社会的、職業的機能の障害を生じ、苦しんでいる状態)
  
2 性格とがんへのなり易さ 中谷ら、J Natl Cancer Inst 2003より

がんになる危険度を、性格の外向性、神経質さで調査。結果は、性格傾向とがんへのなり易さは関係なかった。
 
3 うつ状態の有無と乳がんの経過

手術後、うつ状態のない患者の方が長生きしていた。Watsonら、lancet 1999
グループ療法を受けた患者の方が長生きしていた。Spiegelら、lancet1989
カウンセリングを受けた患者の方が長生きしていた。Kuchlerら、J Clin Oncol 2007

しかし、影響を与えなかったという報告もある。
グループ療法は、病気の経過には影響を与えなかったが、気持ちのつらさは軽減した。Goodwinら、NEJM 2001

で、講師は、がんへのなりやすさ・がんになった後の生命の長さ・がんによる死亡率について、「ストレスに関連する心理社会的要因ががんへのなりやすさ/がんになった後の生存期間に与える影響:メタアナリシス Chida Nat Clin prac Oncol 2008」を引用し、説明。

「影響はありそうだが、とても小さい」。

なんかこの言葉を聞き、神経質で病気に対して前向きになんてとても考えられない私は、とってもホッとしちゃいますた。生存期間が前向きな人とそんなに違わないのなら、後ろ向きだっていいんじゃないのって。。。

そういえば、大腸がんで亡くなった精神科医の頼藤和寛先生が、ご自身の著書「私がんになっちゃいました」の中にも、“ストレスと免疫の関係はない”と書いてあったのを思い出しました。上記の報告を参考にしたのかな。

しかしながら、生存中の心の充実度とか精神的満足度は違うんでしょうね。
で、次回はいかに病気の不安を取り除くかについての紹介です。


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なかのひと

This blog “The salon of breast cancer women authored by Noe:l” can be read in Japanese only:-)

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