紋やのつぶやき

職人?たる上絵師のグチリ・知られざる失敗談・紋のウンチクを気の赴くまま語ろうと思いますが、どうなりますやら?

「珍しき紋」 -墓石からー

2010年10月07日 21時15分08秒 | 珍しい紋
しばらく休んでいる中に、珍しい紋が溜まりました。
今まで描いた事があって且つ特異な紋、又今まで描いた事のない紋、今風のデザイン化された新紋、いろいろと出会う事ができました。

   
  「五瓜に見本・向い蟹」
ズーット以前に、祝着に紋入れしましたが、この紋の持ち主と故郷?が分かりました。
安八町の「古澤」姓に多くあり、蟹の形も様々でした。


安八町の北部の地域の「古澤」姓の紋は、全く違った「丸に鷹の羽違い」紋が多くありました。
この安八町は、昔長良川と揖斐川に挟まれ、中小の河川もあり、洪水に悩まされた土地です。川の関係で「蟹漁」に携わっていたのかと思いましたが、資料では蟹漁は掲載されていませんでした。
この紋は、残念ながら上絵では描いていません。

  
「見本・縦一引に二の字」
この紋は、この仕事を始めた当初に時々描きましたが、最近は描いた事がありません。
似たような紋が、「河村」姓でありました。
  

  
   「竹に三本筍」  長谷川姓でありました。

  
    「見本・笠に並び矢」
この紋は、違った形で描いた事がありますが、初めて見ます。
「日比野」姓でありました。

  
「亀甲に霞」でしょうか?
この様な形の紋を描いた事がありましたが、中の紋は「霞」でなく「工」の字の変形かと思っていました。
奥田姓です。


現代風にデザイン化された新紋も見つけ、最近の風潮が伺えます。

  
太陽の下に、親と子供が四人の家族の、シンボライズされた紋だと思いますが、如何でしょうか。何ともほほえましい紋です。
初め見た時は何が何だか理解できませんでしたが、画像を処理していて初めて理解できました。

  
多分、野球のベース盤に三星だと思います。
故人或いは送る人が野球好きなひとなのでしょうか。