131ー「都鳥」(1855・安政2年・市村座)
都鳥とは、ユリカモメの古典文学上の別称。
昔は隅田川にしか生息しなかったとかで
(鴨川で見かけるようになったのは、ほんの40年程前からだとか)、
都から来た旅人が必ずその鳥の名を聞いたそうな。
都のつく鳥と知り、なお親しみを増したことだろう。

都鳥(ユリカモメ)
しかし、厳密にいうと”ミヤコドリ”という鳥は別にいる。
こちらも越冬のために渡来する鳥で、九州や東京湾などを餌場とする。

ミヤコドリ
『便り来る
船の内こそ床しけれ
君なつかしと都鳥
幾夜かここに隅田川
行き来の人に名のみ問われて
花の影
水に浮かれて面白や』
●首尾をして、あの人と逢う船の内、心がときめく。
ああ、離れたくないこのままずっと。
桜の影が水に映って面白いこと…
題名の”都鳥”にはもう一つの意味がある。
この狂言『桜姫東文章』に登場する、桜姫家の重宝、巻物の銘が”都鳥”だ。
この”都鳥”を、伊勢物語に出て来る歌、
「名にしおわば いざこと問わん都鳥 わが思う人はありやなしやと」
にかぶせ、都鳥を逢引きの女に見立てたところが、ミソだ。
都鳥とは、ユリカモメの古典文学上の別称。
昔は隅田川にしか生息しなかったとかで
(鴨川で見かけるようになったのは、ほんの40年程前からだとか)、
都から来た旅人が必ずその鳥の名を聞いたそうな。
都のつく鳥と知り、なお親しみを増したことだろう。

都鳥(ユリカモメ)
しかし、厳密にいうと”ミヤコドリ”という鳥は別にいる。
こちらも越冬のために渡来する鳥で、九州や東京湾などを餌場とする。

ミヤコドリ
『便り来る
船の内こそ床しけれ
君なつかしと都鳥
幾夜かここに隅田川
行き来の人に名のみ問われて
花の影
水に浮かれて面白や』
●首尾をして、あの人と逢う船の内、心がときめく。
ああ、離れたくないこのままずっと。
桜の影が水に映って面白いこと…
題名の”都鳥”にはもう一つの意味がある。
この狂言『桜姫東文章』に登場する、桜姫家の重宝、巻物の銘が”都鳥”だ。
この”都鳥”を、伊勢物語に出て来る歌、
「名にしおわば いざこと問わん都鳥 わが思う人はありやなしやと」
にかぶせ、都鳥を逢引きの女に見立てたところが、ミソだ。