139ー「松の翁」(1877・明治10年)
駿河の国富士駅に、本陣を張る松永家の豪邸があった。
本来、本陣は大名や旗本、勅使などをお泊めする家で、
一般の者には縁のない場所だった。
ところが、明治維新で参勤交代が無くなると、本陣としての機能は消滅した。
その後は一般の人にも開放したのだろうか、
富士を借景とする、松永家の見事な庭園は旅人の間でもつとに有名で、
見物に立ち寄る者も多かったとみえる。
『四季の眺めも時知らぬ
雪は芙蓉の峰続き
行き交う旅の人毎に
聞き伝え来つ 名に愛でて
見れば珍花に家路を忘れ
筆も尽きせじ 庭の絶景』
●富士の山と峰続きの、このすばらしい庭には、
四季折々に珍しい草花が咲き乱れる。
行き交う旅人がみな絶賛するこの庭に来てみれば、
あまりにも手入れの行き届いた、見事な絶景に思わず時を忘れてしまう。
西南戦争と新富座の工事で、仕事のできない杵屋正次郎(3世)は、
旅の途中、この屋敷に立ち寄った。
長唄好きの主に、一宿一飯のお礼にと作ったのがこの曲。
〓 〓 〓
tea breaku・海中百景
photo by 和尚
駿河の国富士駅に、本陣を張る松永家の豪邸があった。
本来、本陣は大名や旗本、勅使などをお泊めする家で、
一般の者には縁のない場所だった。
ところが、明治維新で参勤交代が無くなると、本陣としての機能は消滅した。
その後は一般の人にも開放したのだろうか、
富士を借景とする、松永家の見事な庭園は旅人の間でもつとに有名で、
見物に立ち寄る者も多かったとみえる。
『四季の眺めも時知らぬ
雪は芙蓉の峰続き
行き交う旅の人毎に
聞き伝え来つ 名に愛でて
見れば珍花に家路を忘れ
筆も尽きせじ 庭の絶景』
●富士の山と峰続きの、このすばらしい庭には、
四季折々に珍しい草花が咲き乱れる。
行き交う旅人がみな絶賛するこの庭に来てみれば、
あまりにも手入れの行き届いた、見事な絶景に思わず時を忘れてしまう。
西南戦争と新富座の工事で、仕事のできない杵屋正次郎(3世)は、
旅の途中、この屋敷に立ち寄った。
長唄好きの主に、一宿一飯のお礼にと作ったのがこの曲。
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tea breaku・海中百景
photo by 和尚
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