西園寺由利の長唄って何だ!

長唄を知識として楽しんでもらいたい。
軽いエッセイを綴ります。

風流船揃

2010-08-20 | 長唄の歌詞を遊ぶ (c) y.saionji
132ー「風流船揃」(1856・安政3年)

題名のとおり、色々な船で賑わう隅田川の景色を詠んでいる。

『屋形 屋根船 猪牙 荷足 
 御厩 隅田の渡し船
 遥か向こうを
 竹谷と呼ぶ声に
 山谷の堀を乗り出す
 恋の関屋の里近く
 花見の船の向島
 軒を並べし屋根船の
 簾の内の爪弾きは』

猪牙(ちょき)とは、細長い早船のこと。
荷足(にたり)はそのものズバリ、貨物船。

「竹谷と呼ぶ声に」、とは。
竹谷の渡しには「竹谷」という船宿があり、宣伝のため向こう岸から
大声で「たけやー!」と、呼び始めたところこれが大当たり。
次第に隅田川の名物となった。

屋根船


屋形船


猪牙船
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