数年前から認知症の母の介護を自宅でしている。
何度も説得するもデイサービスには行かない。
従ってケアマネージャーさんも決まっていない。
介護の合間を縫うように浪曲を聴きに行く。
母に嘘をついて聴きに行く。
行く場所、内容告げずに聴きに行く。
「出掛けてくる」
「どこ行くの?」
「東京」
「帰りは何時?」
「帰りは6時」
それだけ告げて出掛け行く。
一時母の介護も忘れて浪曲を楽しむ。
それでも時折スマホを確認する。
自宅で母に何かあったらと確認する。
帰ったら帰ったで母にあれこれ聞かれる。
適当にごまかして答える。
そもそも子供の頃にいじめに会い友達もいなかった私の心にたまたま父が買った白黒テレビで見た歌手の島倉千代子さんに「この人だわ!」と、ファンになり、更年期からの病気の時にたまたまテレビで見た歌手のクミコさんに「この人だわ!」と…。
そして
母の介護中に聴きに行った浪曲になぜか魅力を感じています。
浪曲と言うものの奥深さや伝統芸能の良さを知るきっかけにもなりました。
古典から文学から映画から新作までありとあらゆるものが題材にされています。
ご贔屓の浪曲師も出来ました。
その間に昨年は主人も入退院を繰り返しました。
しかし、私の心にはいつも島倉千代子さんの歌とクミコさんの歌と浪曲があるのです。
出会いに感謝します。
辛く苦しい介護の道程ですが、それらを心の支えに残された人生を生きて行く所存でございます。🙇