我が家の番犬ムサシ...いつも朝の決まった時刻になると吠えて報せてくれます。
それは私の出勤日でも休日でもムサシの裡の体内時計がそうさせているようです。
その報せで私は布団から抜け出し洗面所にて所用を済ませ、防寒着に身を包みます。
この時期は電熱手袋に革手を重ね、そしてロープを手にするとムサシの催促が加速。
冬の朝5時半の屋外は未だ真っ暗、玄関を開け通路を過ぎ門戸に差し掛かる頃には
ムサシの牽引力が更に増し、一人と一匹が暗くそして霜柱立つ農道へと歩み出ます。
散歩するコースは数ルートありますが、そのコース選びの殆どはムサシが主導し、
私の方はムサシの散歩に付き合い、健康維持の手助けをして貰っている有様です。
ムサシが選択する散歩のコースのそれは実に興味深く、また上手に使い分けして、
私が出勤日で仕事着で臨む時は、要点だけに絞ったショートカットコースを選び、
今日のように休日で普段着の時は、遠回りの50分程のコースへと私を誘います。
テレビ番組などで見識者が犬の記憶力は数分しか持たないとか語っていましたが、
私が思うに犬の場合、記憶力は、人間のそれとは異なり目で認識したものになく、
嗅覚で覚えたものを記憶し、次に活かせ応用してるように感じることがあります。
コースの途中、他犬の痕跡を感じると其処で留まり嗅覚での情報収集しています。
やがてのその知り得た情報を判読後は、自分の匂いで上書きする如くマーキング。
コース途中の様々な場所で、その情報収集を繰り返しては上書きするを繰り返し、
そこからその日の自分にとって最適なコース選びをしているように見て取れます。
ムサシにとって好ましい草や土の匂いが一杯する農道が続くコースを共に散歩し、
朝の清冽な空気に身も心を満たされ、昇る旭日に感謝しつつ今日が始まりました。