猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

2023-12-03 22:16:04 | 日記
2023年の日本映画「首」を観に行った。

天下統一を目指す織田信長(加瀬亮)は、毛利軍、武田軍、上杉軍、
京都の寺社勢力と激しい攻防を繰り広げていた。そんな中、信長
の家臣・荒木村重(遠藤憲一)が謀反を起こして姿を消す。信長は
明智光秀(西島秀俊)や羽柴秀吉(ビートたけし)ら家臣を集め、自
身の跡目相続を餌に村重の捜索命令を下す。秀吉は弟・秀長(大
森南朋)や軍師・黒田官兵衛(浅野忠信)らと策を練り、村重を捕ら
えるが、光秀は何故か村重を殺さず匿う。そして秀吉はこの騒動
に乗じて信長と光秀を陥れ、自ら天下を獲ろうと狙っていた。

北野武監督が「本能寺の変」を題材に壮大なスケールで製作した
戦国スペクタクル。戦国時代版「アウトレイジ」といった感じで、
バイオレンスと笑いを散りばめながら描き出す。北野武ならでは
の解釈で描かれる本能寺の変、大変おもしろかった。最初から頭
のネジがぶっ飛んだような信長が登場し、加瀬亮の狂ったサディ
ストっぽい演技がすごい(まんじゅうのシーンは夢に出てきそう)。
加瀬亮って地味な印象だがさすがの演技力だなと思った。信長の
尾張弁も印象的。
とにかく流血シーン、残酷シーンが多いのは北野武らしい。タイ
トル通り首がポンポン飛び交う。更にBL要素もある。戦国時代
の武将に男色家が多かったのは有名な話だが。でも信長と森蘭丸
(寛一郎)のシーンは生々しくてちょっと目を伏せたくなった。信
長って本当にああいう人だったのだろうか。まあ残酷さでは秀吉
も負けてはいないけど。
ビートたけしがちょこちょこ「バカヤロ」とか現代語を挟んでく
るのが笑える。この映画、アドリブが多かったのではないだろう
かと思った。たけしと大森南朋のやりとりというか掛け合いはア
ドリブという感じでクスッとさせられた。物語は裏切りに次ぐ裏
切りで、誰が助かって誰が殺されるのか予想がつかない。戦国時
代を生き抜いてきた人たちはすごいと思った。やっぱり日本史や
世界史に関わらず歴史はおもしろい。そして本作は北野武とビー
トたけしの映画だな、と思った。
信長、光秀、秀吉がメインだが、とにかくキャストが豪華。西島
秀俊はとてもかっこよかったし、加瀬亮もあっちの世界の人とい
う感じだし、中村獅童、小林薫、岸部一徳、木村祐一、寺島進と、
北野作品に出演したことがある人も初めて出演する人も皆演技の
うまい人たちで、何より俳優本人たちが演技をとても楽しんでい
るであろうことが伝わってきた。迫力もすごかったし、映画館で
観て本当に良かったと思った。DVDが出たらまた観たい。


良かったらこちらもどうぞ。北野武監督作品です。
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コメント (8)
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