死体が消えた夜

2018年の韓国映画「死体が消えた夜」。

大学教授のジンハン(キム・ガンウ)は、財閥の2世で大手製薬会社の
会長を務める年上の妻・ソリ(キム・ヒエ)から所有物のように扱われ
ることに不満を抱き、教え子の女子学生・へジン(ハン・ジアン)と不
倫に走っていた。しかし、へジンが妊娠したことで妻と別れなければ
ならなくなった。そのためには妻を殺すしかないと考えたジンハンは、
証拠の残らない新薬を使い、妻を病死と見せかけて殺害することに成
功する。幸福な未来を手にしたはずのジンハンだったが、そんな彼の
元に、妻の遺体が死体安置所から忽然と姿を消したという知らせが入
り、ベテラン刑事のジュンシク(キム・サンギョン)から執拗な尋問を
受けることになる。

夫が殺したはずの妻の死体が消えた謎を巡って繰り広げられる恐怖の
一夜を描いたミステリー。大学教授のジンハンは大手製薬会社の会長
である妻・ソリと結婚し、ソリの会社で新薬の研究も行っていた。し
かしソリは独占欲が強く、ジンハンを所有物のように扱っていた。ジ
ンハンは次第にその生活にストレスを感じ始める。ジンハンは新薬の
研究に熱心だったが、突然ソリは研究をやめて大学教授の仕事をする
よう指示する。ジンハンは落胆するが、そんな時、へジンという女子
学生がジンハンにつきまとうようになってくる。やがてジンハンはへ
ジンを想うようになり、2人は関係を持つ。
やがてへジンが妊娠し、ジンハンはへジンと子供と生きていきたいと
思い、ソリを殺害することを考え始める。ジンハンが研究していたの
は新しい麻酔薬だったが、効き目が強すぎて死に至らしめてしまうも
のだった。しかも死後、体内に薬物反応は残らず、心筋梗塞と診断さ
れてしまう。ジンハンはこの薬を使って完全犯罪を行うことを決める。
ジンハンはソリの飲み物に薬を混ぜ、誰にも悟られずにソリを殺すこ
とに成功する。そして妻が死んでいると通報する。
ところがソリの遺体が死体安置所から消えていると警察から連絡を受
け、驚いて病院へ向かう。刑事のジュンシクは昔婚約者を亡くしたこ
とが原因で酒浸りになっていたが、鋭い洞察力を持っていた。ジュン
シクはジンハンに事情聴取をするが、ソリを殺したのも死体を盗み出
したのもジンハンではないかと疑う。前半は奇妙な出来事が続き、も
しかしてオカルト系？と思って観ていたが、やはりミステリーだった。
ジンハンはもしかするとソリが完全に死んではいなかったのではない
かと思い、自分に復讐しようとしているのでは、と怯える。
ジンハンはどうしてソリと結婚したのだろう。いくら財閥の娘でもか
なり年上だし、あんな年増と結婚しなくても、と思った。やっぱりお
金目当てだったのだろうか。それでもソリは傲慢で、いつもジンハン
に対して命令的だ。あんな結婚生活では幸せにはなれないだろう。不
倫していても仕方ない気はする。ソリの死体が消えたことでへジンも
怯え、2人は携帯電話でマメに連絡を取り合う。ラストのどんでん返
しは秀逸だった。これは予想できなかった。良くできた映画だと思う。
おもしろかったが、虚しさが残る物語だった。




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