猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

悪魔は誰だ

2024-02-04 21:55:47 | 日記
2013年の韓国映画「悪魔は誰だ」。

15年前、娘を何者かに誘拐され殺されてしまった母親ハギョン(オム
・ジョンファ)は、犯人逮捕を願って自ら情報を集め続けていた。そ
んな彼女の元を担当刑事チョンホ(キム・サンギョン)が訪ね、事件が
間もなく公訴時効を迎えることを告げる。時効まで残り5日に迫る中、
事件現場に一輪の花が置かれているのを見つけたチョンホは、これを
手掛かりに捜査を再開。犯人を確保寸前にまで追いつめたものの取り
逃がし、事件は時効を迎えてしまう。責任を感じたチョンホは刑事を
辞めるが、それから数日後、15年前と全く同じ犯行手口の誘拐事件
が発生する。

時効を迎えた幼女誘拐殺人事件の悪夢が、15年の時を経て再び繰り
返されるサスペンス。重厚なサスペンス・ミステリーでとてもおもし
ろかった。15年前、誘拐殺人事件の被害者となり娘を失ったハギョ
ン。彼女は自分なりの捜査を地道に続けていたが、犯人は見つからず、
間もなく公訴時効を迎えようとしていた。そんな時、彼女の元へ当時
の担当刑事でもあったチョンホが訪れる。チョンホにとっても、当時
の事件はあと一歩というところで犯人逮捕には至らず、悔いの残る事
件でもあった。
チョンホは単独で事件現場へ向かったが、その場所に一輪の花が供え
られていた。ハギョンへそのことを確認するが、彼女は訪れていない
と言う。その事件現場を知っているのは、一部の警察関係者、ハギョ
ン、それに犯人だけのはずだった。チョンホは犯人が動いたのだと確
信し、捜査を再開するが、食堂で男を追いつめるも、寸前で取り逃が
してしまう。時効まであと2時間。チョンホはハギョンに諦めるよう
に諭した。翌日、15年前と同様に犯人を逮捕できなかったチョンホ
は、自分に失望して警官を辞職する。
しかしその数日後、祖父が少し目を離した隙に幼い孫娘が誘拐される。
警察は幼女誘拐事件が、15年前の事件と手口が全く同じであること
を突き止める。そして事件に詳しいチョンホに協力を依頼し、チョン
ホも捜査に加わることになった。チョンホたちは現金を持って逃走す
る犯人を発見し追跡するが、捕縛した犯人は誘拐された幼女の祖父、
ハン・チョル(ソン・ヨンチャン)だった。ハン・チョルは犯人と思わ
れる男に脅され指示通りに行動したと言う。
しかし、彼のDNAや脅迫電話の声紋が一致。その他、数々の証拠か
らハンが犯人であることを示していた。しかしハンは決して犯人であ
ることを認めなかった。チョンホにも、孫を誘拐するだろうか、とい
う気持ちや、15年前の事件では何も証拠を残さなかった犯人が、ど
うして今回は証拠をいくつも残しているのだろうという気持ちで、ハ
ンは犯人ではないのではないだろうか、という疑問が生じていた。
全体のプロットや雰囲気が2016年の日本映画「64(ロクヨン)」に似
ている。本作の方が先に製作されているが、原作小説は2012年に出
版されているので、「64(ロクヨン)」が本作のパクリであるという
ことは有り得ない。似ているのでどうしても比べてしまうが、どちら
もおもしろい。被害者遺族の執念を強く感じさせられる。でも「64
(ロクヨン)」の執念の描き方の方が重たかったと思う。「64(ロクヨ
ン)」はミステリーでありヒューマンドラマの側面も強かった。本作
はちょっと設定に無理があったと思う。でもおもしろかった。



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コメント (4)
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