猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

ぼくの大切なともだち

2020-09-22 22:54:06 | 日記
2006年のフランス映画「ぼくの大切なともだち」。

美術商のフランソワ(ダニエル・オートゥイユ)は、自分の誕生日を祝う夕食会の
席で、「君には友達がいないから君の葬式には誰も来ない」と言われ、ショック
を受ける。そこで自分にも親友くらいいると言い張ったため、フランソワは10
日以内に親友を連れてこれるかどうか、共同経営者のカトリーヌ(ジュリー・ガ
イエ)と賭けをすることになってしまう。そんなある日フランソワはタクシー運
転手のブリュノ(ダニー・ブーン)と知り合い、誰とでも仲良くなれるブリュノに
どうすれば友達が作れるのか教えを請う。

パトリス・ルコント監督のハートウォーミングなコメディ映画。美術商のフラン
ソワは自分の誕生日パーティーの席で、「君には友達がいない」と言われてしま
う。フランソワは「君たちだって友達じゃないか」と言うが、皆口を揃えて「た
だの仕事仲間だ」と言う。そこで自分にも親友くらいいると言い張ったため、共
同経営者のカトリーヌの挑発に乗って、10日以内に親友を連れてくるという賭
けをしてしまう。もしできなければ、20万ユーロで落札したばかりの古代ギリ
シャの壺を手放す事態に。フランソワは早速自分が友達だと思っている人たちの
元を訪れるが、誰からも「友達じゃない、ただの仕事仲間だ」と言われてしまう。
皆フランソワのことを好きではなかったのだ。落胆するフランソワだったが、愛
想のいいタクシー運転手のブリュノと出会い、友達の作り方を教えてもらうこと
になる。
フランソワが友達だと思っていた人たちは皆そう思ってはいなかったというのが
悲しいし笑えてしまう。フランソワは自己中心的で他人に心を開かず、物にしか
興味がないのだ。けれども彼はその自覚がない。ブリュノは陽気で誰とでも親し
くなれるので、ブリュノに友達の作り方を尋ね、ブリュノは真面目に相談にのる。
ブリュノは「大切なのは笑顔と誠実さと感じ良さ」と言い、フランソワはその通
りに人と接するのだがうまくいかない。うさんくさく思われてしまうのだ。フラ
ンソワが必死に人に話しかけて友達を作ろうとしている姿はユーモラスだ。
しかしブリュノにも悩みがあった。彼は博識でクイズが得意で、テレビのクイズ
番組に出るのが夢なのだが、極度のあがり症のためにオーディションの段階で落
ちてしまうのだ。そしてフランソワもブリュノも離婚しているが、ブリュノの離
婚にはとても悲しい事情があったことをフランソワはブリュノの両親から聞かさ
れる。明るいブリュノがそんな辛い経験をしていたということにフランソワは胸
を痛める。
終盤は緊張感があり、かつホロリとさせられるのがいい。知らず知らずのうちに
フランソワとブリュノは友情を育んでいたのに、ブリュノはフランソワのある行
動にがっかりしてしまう。そしてカトリーヌがフランソワに「本当はあなたと友
達になりたかった」と言うシーンも良かった。フランソワはそれほど嫌な奴とは
思えないのだが、どこかズレているのだろうなあ。ラストはちょっと感動的。ル
コント作品っていいなあと思える映画だった。
ダニエル・オートゥイユは本当にいい俳優だと思う。シリアスからコメディまで
何でもできる。特に彼のコメディ演技は素晴らしい。それにしてもブリュノ、1
年間で100万ユーロを使い切ってしまうなんて、どういう散財をしたのだろう。
普段金を持たない人間が大金を持つと使い方がわからないみたいなことを言って
たけど。私だったらマンションを購入して、後は貯金するけどな(笑)


良かったらこちらもどうぞ。パトリス・ルコント監督作品です。
仕立て屋の恋
髪結いの亭主
イヴォンヌの香り
ハーフ・ア・チャンス
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コメント (2)
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