猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

恋の罪

2014-06-13 02:42:56 | 日記
2011年の日本映画「恋の罪」。
ある日ラブホテル街の廃屋のアパートで、女性の死体が発見される。事件を担当する
吉田和子(水野美紀)は、仕事と幸せな家庭を持つにもかかわらず、愛人との関係を
断てないでいた。
和子は事件を追ううちに、大学のエリート助教授・尾沢美津子(冨樫真)と、人気小説家
を夫に持つ清楚で献身的な主婦・菊池いずみ(神楽坂恵)の恐るべき秘密に行き当たる。

園子温監督の、実際の殺人事件をモチーフにした物語である。おもしろかったが、ちょ
っと長い。前半は「この映画、144分も観るのかあ…」という気持ちで観ていたが、後半
はスピードが出てきておもしろくなった。でももう少し削っても良かったのではないだ
ろうか。
キャッチコピーが「ようこそ、愛の地獄へ」だったらしく、その通りこの映画は和子、
美津子、いずみという3人の女性が愛の地獄にはまってしまう過程を描いている。愛の
地獄というより性の地獄と言うべきか。
とにかく神楽坂恵と冨樫真の演技が迫力があってすごい。主演の水野美紀が霞んでしま
うほど。冨樫真という人は初めて見たのだが、二面性を持った女性が変わるところなん
か迫力ありすぎて怖いくらい。
でもこれはやっぱり神楽坂恵のための映画だと思う。そこまでやる?というシーンが
満載で、本当の主役はこの人だろうなあ、と思った。
ただ、いずみの堕ち方があまりにもひどくて、人はあんなにも早く堕ちてしまうものだ
ろうか、と思った。いずみは美津子やカオル(小林竜樹)に「ついておいで」と言われて、
戸惑いながらもついていってしまうシーンが多い。そこで「私は行かない」という意志を
持っていれば、ああまで堕ちなかったのではないだろうか。人ってあんなに他人の言い
なりになるもの?という疑問は残った。

「冷たい熱帯魚」とは違うタイプの映画だが、なかなかおもしろかった。




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