猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

レイルウェイ 運命の旅路

2014-06-03 01:55:08 | 日記
オーストラリア・イギリス合作映画「レイルウェイ 運命の旅路」を観にいった。
鉄道好きな初老の男性エリック・ローマクス(コリン・ファレル)は列車で美しい女性
パトリシア(ニコール・キッドマン)と相席になり、一目で恋をする。パトリシアの方も
エリックに心惹かれる。やがて2人の愛は一気に深まり、結婚式を挙げる。式にはエリ
ックの退役軍人会の仲間たちも出席していたが、そのうちのひとり、フィンレイは幸せ
そうなエリックを複雑な表情で見つめていた。
エリックとパトリシアは深く愛し合っていたが、幸せな日々は長くは続かなかった。
エリックは若い頃に第二次世界大戦に従軍していた時の、過酷な戦争体験で負ったトラ
ウマに苦しんでいたのだ。日増しに気難しくなり、自分の殻に閉じこもるようになる
エリックにパトリシアは胸を痛める。
ある日エリックやフィンレイの悪夢のような体験に深く関わる、日本人通訳だった永瀬
(真田広之)が今も生きていることを新聞記事により知る。

エリック・ローマクスという人の自叙伝を映画化したものである。感動的だった。
エリックやフィンレイは、日本軍の物資輸送のためのタイとビルマを結ぶ泰緬鉄道の
建設に携わり、あまりにも辛い経験をしている。
泰緬鉄道の建設については「戦場にかける橋」で観たので少しだけ知っている。捕虜たち
の過酷な労働は、観ていて胸が痛む。フィンレイがパトリシアに「私たちの苦しみは君
にはわからない」と言うシーンがあるが、やはり戦争に行っていない女性たちには、戦争
で兵士たちがどんなに辛い、苦しい思いをしたかは、わからないのかもしれない。あく
までも想像の域を出ないものだ。
コリン・ファレルの演技がすごい。戦争のトラウマで発作を起こす夫は、妻を愛して
いるのに妻に心を開けなくなる。それに苦しむニコール・キッドマンの繊細な演技も
いい。そしてエリックやフィンレイの仇である永瀬役の真田広之の演技も悲しく、重み
があっていい。ラスト近くのエリックと永瀬の対面シーンはすごく迫力がある。とにか
く俳優たちの演技が素晴らしい。ラストは涙が出た。戦争はこの世にあってはいけない
ものだ。 



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コメント
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