ぶつぶつ地蔵

地蔵 呟く ひーの言葉を。ぶつぶつと…。

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第三十六番 日朝山弥勒寺

2011-04-13 10:31:25 | 西国薬師四十九霊場
4月10日。比較的早めに起きれたので、ちょっと遠出を試みる。
もちろん、3dayチケットの範囲内ですよ♪

近鉄電車でガタタンゴトトン。
オイラは扉際の端っこに座ってた。途中で乗ってきたよくおしゃべりする2人組のおねーさんが隣に座った。その後、更によくしゃべる5人組のおばさまに囲まれた。おしゃべりのシャワーを浴びてるような気持ち。5人のおばさまが立ちはだかっているので窓の外の景色も見えず、四面楚歌。
「ま、そんなこともアルワイナ」と、うつらうつらとしながらもゆらゆらゆられながら向かったのは、名張の里。
思ったより近かった~♪

桔梗が丘で降りるか名張で降りるか・・悩んだ末に名張駅からバスに乗る。
結局そのバスは桔梗が丘へ立ち寄ったので、桔梗が丘から乗っても同じだったんだけど。
田原行きのバスとバス停から目的地までの道順を近鉄の駅員さんや三交の方、観光案内書のおねーさんに聞きました。いろいろ親身に教えて下さってありがとうございました^^
特にバスの運ちゃんは、帰りのバス停の位置まで降り際に教えて下さり、ホント、有難うございました。


田原の駅で下車。そこからは徒歩5~7分。
のんびり畑を見ながら向かう先には第36番薬師霊場 日朝山 弥勒寺がございます。

そーです。この日は久々の薬師霊場巡りだったのであります。

まず最初に、厠をお借りしてスッキリしてからお参り致しました(笑)


扉に張り紙。堂内参拝300円。
もちろんお堂の中に入らせて頂きました^^


石薬師寺さんの時と同じく、イケメンのご住職様がじっくりお寺の成り立ちから今までをお話して下さいます。

弥勒寺さんは、聖武天皇の身世に建立された古ーいお寺。お寺の名前通り、創建当初は弥勒如来様をご本尊としたお寺だったのではないかと考えられています。
名張付近は伊賀の里。時代が下って戦国時代。伊賀の里の寺院のほとんどが織田の焼き打ちに遭いました。その時、多くのお寺と共に仏像が焼かれたことは説明するまでもありません。山裾の弥勒寺さんはかろうじて焼き打ちを逃れられたらしいです。お寺の人や里の人が、お寺に納められた仏様をどうにか近くのお寺に避難させたのが現在のご本尊様のお薬師さんではないかと推察されているそうです。そういった文献さえも燃えてしまい、本当のトコロは解らないんですけれど。
ちなみに、弥勒如来様のトコロに「弥勒菩薩」と名札が出てます。これは先代のご住職様が参拝に来られた方に説明する時、「56億7千万年後に弥勒菩薩様が悟りを開かれて如来様になられた姿です」と説明してもなかなか弥勒=菩薩の図式が崩せなかったところから、参拝者が「???」とならないように菩薩でいいか~と書かれたそうです。中宮寺や広隆寺の半跏思惟の弥勒さんの威力、恐るべしです(笑)

ご本尊様の薬師如来様も結構傷だらけです。いろんなところに修復の跡があり、この土地の仏様の受けられた受難に思いを馳せずにはいられませんでした。ちょっと泣きそうになっちゃったよ^^;台座とご本尊とは造られた年代が違うそうですが、台座の蓮の金箔が剥落している部分に、文字が書かれた和紙が貼られているようでした。
ワタクシ無知でして、金箔や金泥はそのまんまべったり塗っている(貼っている)ものと思っておりましたがご住職様にお話を聞くと、下地に紙を貼ってから塗ることも多いんだとか。もしかするとお経さんを下地に金を塗っているのかもしれませんね。実際のトコロ、調査はされていないので何が書かれているのかは解らないんですって。

修復と言えば、こんなお話もして下さいました。
仏様の修復は、その当時考えられる最高の修復技術をもって修復されます。しかしそれは、いつも完璧な修復結果をもたらすとは限らず、時にはありゃりゃ~^^;な結果になることもあるんだとか。
それがご本尊様の裏側に安置されている二体の聖観世音菩薩様で見比べることができます。
1体は藤原時代の一木造り。オイラまたまた無知でして。。。^^;柱などに一木をマンマ使う時は、縦に裂けることを回避するため割矧(わりはぎ)という技術(先にあらかじめ木に縦に切り込みを入れ、その切り込みに当て木をする技術)を用いて木が裂けないようにするんだそうです。しかしこの菩薩様のお体には、その技術は使われておらず、しかしながら裂けることなく今日までおられるとの事。(他に内刳(うちぐり)と言って、内側をくり抜く方法もあるそうです)これは、最初に作られた時に使われた木が良かったことと、その後の修復も良かったんだろうとの事です。これだけ綺麗な状態で残っているのはとても珍しんですって。
もう一体は黒光りのする観音様。(作成時代とか修復の時代を聞いたのに忘れてる・・・^^;すみません)こちらの観音様は、見るからに痛々しいお姿です。元々は木造漆+彩色だったかも、、、な観音さまでしたが、当時の流行りの修復方法が漆に鉄を混ぜ、艶を落として塗ると言うものだったらしいです。鈍く黒光りするお姿には金泥が映え、きっと神々しかったんだろうなぁと推測できます。しかしながら混ざっているものが鉄。100年ほどはきっと美しかったんでしょうけれど、次第に酸化し今ではボロボロに剥落しています。更には、最初の作りが悪かったのか、その後の修復が悪かったのか。。。お顔の真ん中が真っ二つに裂けてしまっているのです。これは剥落よりも痛々しいです。しかしそれもこれも時代の流れなんですね。
二体の観音様は仲良く並んで立っておられました。
この二体の観音様はとても印象的でしたね。

さらに観音様の修復の話の延長で、またまたオイラの無知が発覚。
観音様のお姿って、片手に水に蓮の蕾を差して片手は上げてるか下げているかじゃないですか。でもね、本来観音様は4本の腕で我々をお救い下さっているんだそうな。仏像になった時、何故腕が二本になっちゃったのかその経緯は解りませんが、4本の名残として、本来水と蓮の蕾を持っている二本が融合して、水に蓮が生けられた花瓶状態で表現されているんだそうです。
面白いですねぇ。
ちなみに手を上げて(曲げて)、手のひらをこちらに向けている仕草(?)は「おいでおいでだいじょーぶよ」と表わしていて、手を下げて手のひらをこちらに向けている仕草(??)は、「救ってあげるからね」って表してるんですって。

それぞれに意味があり、それを教えていただけるのはとても嬉しく有難いことです。

このほか、役小角様もおられます。
元々は小角堂という小さなお堂に納められ、風雨にさらされていたそうです。前鬼後鬼を従えておられたそうですが、一体は盗まれてしまったそうです。(どっちが盗まれたんだろう?右側の脇侍の鬼さんが残ってます)
口元など、部分的に彩色の跡が残っており、造られた当初は、綺麗に彩色されていたことがうかがえますよ。
玉眼なので、睨みつける眼力はとても迫力あります。
久米寺の久米仙人を何となく連想したんですが・・・見た目は全く違うんですがね、迫力度合いはいい勝負ではないでしょうか(笑)

こちらのお寺、大般若経も所蔵されておりました。
っつか、このあたりのお寺では、たいてい大般若経を持っていらっしゃるんですって。
年に数回、転読されるそうです。
いつもはお薬師さんで遠くから眺めているだけの大般若経のお経さん。近くで見せていただけてラッキー♪
堂内を説明して頂いている途中から一緒に回ってくれていた息子さんが「これ、読むの?どれだけかかるの?」と質問。(ナイス質問!)
パパ住職、ちょっとはにかみながら「これはな、読めへんねん。転読って言ってぱらぱら~っと(お経さんを繰って転読の仕方を見せながら)して読んだ事にするねんで」とご説明。
しかし息子も負けてません。「読んだら何日くらいかかるのん?」
ご住職苦笑しながら「そやなー。一日1冊でも600日やなぁ」って(笑)
そこですかさず「今度読んだら、何て書いてあるか教えてな^^」と口を挟んでみたオイラ。息子さん曰く「漢字やからまだ読まれへん」との事でした。いつか読んだらおばちゃんに教えてな~^^と心の中でつぶやいたオイラなのでした。

ご住職とお話をしていると、まだまだいっぱいお話を聞きたかったんですが。。。
ふとお堂内にあった時計を見ると13時を指そうかとしております。
このアタリ、一時間に1本しかバスが通ってないんですよね。しかも、13:12のつぎは15:12までバスがなかったんですよ^^;
お名残り惜しいがそろそろ退散。いやはや、充実した時間を過ごさせて頂きました。
次はもう少し早く来て、裏の山にも登って、ご住職様の法話も聴きたいなぁと目論むオイラでありました(笑)
紫陽花がとても綺麗らしいので、その頃に行けたらいいなぁ~




さてさて、帰りはと申しますと。乗車番号ごとにメーターが上がるタイプのバスだったので、桔梗が丘で降りて電車で名張まで出ることに。バスに乗り込むと、行きと同じ運ちゃん出来た(笑)

名張駅に出て、そんなお腹は空いてはいなかったんですが、まぁ、通常モードだし・・・駅前のお店で腹ごしらえをすることに。


こちらの磯屋さんで日替わり丼を注文すると・・・


豚キムチ丼が出てきました!
勝手に海鮮丼と思い込んでたのでびっくりしちゃったけど、美味しく頂きましたよ^^


最後に名張駅前のお店でお土産に名張まんじゅうをGET。
家に帰って名張まんじゅう食べたら、激うまでした。もっと買えばよかった~

こーしてようやく次の場所へと移動を始めたオイラなのでした。
つづく。




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