速いヤツが勝つとは限らない。駆け引きも重要な要素となるゴール前のスプリント勝負。
これは競輪など他のスプリント競技でも言えることだと思う。
しかし。
物事には例外がつきものである。
前回もチロっと書いたが、ツール・ド・フランスでは総合優勝争いの他、他の賞を巡る争いもなかなかどうして面白い。
前回からスプリントスプリントと言っているが、そのスプリントで最強の選手に与えられる賞というのがツール(というか、この手のロードレースにはつきものだが)にはある。
ツールではこれは「マイヨ・ヴェール」と呼ばれ、マイヨジョーヌが黄色なのに対しこれは緑色である。
当然のことながら、ステージの最後を先頭で、即ち勝利した者にはとりわけ多いポイントが与えられると(一方これだけでは勝てないという仕組みもあるのだが…これは後述)。
現在マイヨヴェールを巡る激しい戦いを繰り広げているのは、以前にも書いたチームコロンビアのエース、イギリス本島の近くに浮かぶマン島出身、マーク・カヴェンディッシュ(通称カヴ)と、サーヴェロテストチームのトル・フースホフト。
既に同賞争いでは3位以下の選手を引き離している両選手、メインの勝負はやはりゴール前。
まずは第10ステージ。
前回までとは打って変わり、必死に逃げていた先頭の小集団は敢え無くメイン集団に吸収(要するに追いつかれること)されてしまう。
そう、逃げを打つということは、カヴのような生粋のスプリンターに対抗する有効にして(多くの選手にとっては)唯一の手段であるが、カヴのチーム・コロンビアでなくとも早々簡単に逃げた選手に勝ちを取らせる訳にはいかない。
まして、「多勢に無勢」と言うが、少人数で先頭交代をめまぐるしくやるよりも、大きな集団の方が多くの選手が空気抵抗を抑える分、基本的には終盤のスタミナが温存されているため有利なのである。
そんな訳で、逃げを吸収した集団は、注文どおり先頭に抜き出たコロンビアハイロードの集団がジャンジャン引いて他の追随を許そうとしない。
この時点で、緑のマイヨヴェールを身にまとっていたのは、ライバルのフースホフト。
必死に列車の後ろに食いつき、やはり、仕掛けの時を伺う。
だが…!
コロンビア超特急はその加速を止めようとしない…!
1kmを切り、先頭の選手、二人目と、それこそNASAのスペースシャトルがロケットを切り離すように、キッチリ仕事を終えて抜けていく。
そして、後ろにピッタリついたフースホフトには見向きもせず、最終ロケット噴射!!
そのまま、カヴェンディッシュが強烈なスプリントでゴール。
これでカヴは今年のツール3勝目。正直こういう集団スプリントで彼に叶う男はいないんじゃないかと思う位の圧倒的速さであった。
もちろん、フースホフトや他の選手もこのままではいない。
続く第11ステージ、同様に逃げ選手が吸収され、残り1kmというところで今回はいよいよチェックが激しくなってくる。
選手の体の接触もあり、いよいよレースというよりは自転車に乗ったケンカ祭り(笑)っぽくなってきたゴール前。もちろん選手にとっては笑い事ではないが…
他の選手が残り2両となったコロンビア超特急に食い下がる中、今度は。
後ろからでは二の舞だと踏んだか、フースホフトが最終ロケット発射前にアタック!
そして、出ようとするカヴの進路に体当たりも厭わず迫るが。
しかーし、カヴェンディッシュは通常運行でそのまま前進!!
もう他の選手の動向などお構いなし、予定通りの発射スケジュールでこのステージも結局勝利、ついに4勝目をもぎ取ったのである…
俺としては、もちろんゴール前でのシビアな駆け引きも面白いと思うが、カヴェンディッシュのようなどこまでも超特急一本槍ってのは結構好きだったりする…
横綱相撲というか、漫画「YAWARA!」の主人公柔のごとく、相手が分かっていても一本背負いで勝つというのに匹敵する清清しさを感じるね(笑)。
さて、冒頭で書いたマイヨヴェール争いの話だが…
この11ステージでフースホフトからマイヨヴェールをもぎ取ったカヴェンディッシュ、しかしその後再びフースホフトに取り返されることになる。
というのも、マイヨヴェールに関わるポイントというのは、もちろん先頭でゴールすれば高得点なのだが、そうでなくてもそこそこの順位でも幾らかもらえる。
スプリントは最強でも、山では後塵を拝してしまうカヴに対し、フースホフトは後の山岳コースでもメイン集団に食い込み、しっかりポイントを地道に?稼ぐことも出来る選手なのである。
なもんで、今後も山岳ステージが多数控える中、カヴの方は緑のジャージへの道はちょっと遠い印象は拭えないのであるが…まあ華があるからいいだろ(笑)
結局、先週のステージも半端なところで終わってしまったが、今週の平日を何とか乗り切れたら来週末、頑張って書くとしよう。
まあ来週土曜はツール生放送に首ったけな予感満点だけどね…
これは競輪など他のスプリント競技でも言えることだと思う。
しかし。
物事には例外がつきものである。
前回もチロっと書いたが、ツール・ド・フランスでは総合優勝争いの他、他の賞を巡る争いもなかなかどうして面白い。
前回からスプリントスプリントと言っているが、そのスプリントで最強の選手に与えられる賞というのがツール(というか、この手のロードレースにはつきものだが)にはある。
ツールではこれは「マイヨ・ヴェール」と呼ばれ、マイヨジョーヌが黄色なのに対しこれは緑色である。
当然のことながら、ステージの最後を先頭で、即ち勝利した者にはとりわけ多いポイントが与えられると(一方これだけでは勝てないという仕組みもあるのだが…これは後述)。
現在マイヨヴェールを巡る激しい戦いを繰り広げているのは、以前にも書いたチームコロンビアのエース、イギリス本島の近くに浮かぶマン島出身、マーク・カヴェンディッシュ(通称カヴ)と、サーヴェロテストチームのトル・フースホフト。
既に同賞争いでは3位以下の選手を引き離している両選手、メインの勝負はやはりゴール前。
まずは第10ステージ。
前回までとは打って変わり、必死に逃げていた先頭の小集団は敢え無くメイン集団に吸収(要するに追いつかれること)されてしまう。
そう、逃げを打つということは、カヴのような生粋のスプリンターに対抗する有効にして(多くの選手にとっては)唯一の手段であるが、カヴのチーム・コロンビアでなくとも早々簡単に逃げた選手に勝ちを取らせる訳にはいかない。
まして、「多勢に無勢」と言うが、少人数で先頭交代をめまぐるしくやるよりも、大きな集団の方が多くの選手が空気抵抗を抑える分、基本的には終盤のスタミナが温存されているため有利なのである。
そんな訳で、逃げを吸収した集団は、注文どおり先頭に抜き出たコロンビアハイロードの集団がジャンジャン引いて他の追随を許そうとしない。
この時点で、緑のマイヨヴェールを身にまとっていたのは、ライバルのフースホフト。
必死に列車の後ろに食いつき、やはり、仕掛けの時を伺う。
だが…!
コロンビア超特急はその加速を止めようとしない…!
1kmを切り、先頭の選手、二人目と、それこそNASAのスペースシャトルがロケットを切り離すように、キッチリ仕事を終えて抜けていく。
そして、後ろにピッタリついたフースホフトには見向きもせず、最終ロケット噴射!!
そのまま、カヴェンディッシュが強烈なスプリントでゴール。
これでカヴは今年のツール3勝目。正直こういう集団スプリントで彼に叶う男はいないんじゃないかと思う位の圧倒的速さであった。
もちろん、フースホフトや他の選手もこのままではいない。
続く第11ステージ、同様に逃げ選手が吸収され、残り1kmというところで今回はいよいよチェックが激しくなってくる。
選手の体の接触もあり、いよいよレースというよりは自転車に乗ったケンカ祭り(笑)っぽくなってきたゴール前。もちろん選手にとっては笑い事ではないが…
他の選手が残り2両となったコロンビア超特急に食い下がる中、今度は。
後ろからでは二の舞だと踏んだか、フースホフトが最終ロケット発射前にアタック!
そして、出ようとするカヴの進路に体当たりも厭わず迫るが。
しかーし、カヴェンディッシュは通常運行でそのまま前進!!
もう他の選手の動向などお構いなし、予定通りの発射スケジュールでこのステージも結局勝利、ついに4勝目をもぎ取ったのである…
俺としては、もちろんゴール前でのシビアな駆け引きも面白いと思うが、カヴェンディッシュのようなどこまでも超特急一本槍ってのは結構好きだったりする…
横綱相撲というか、漫画「YAWARA!」の主人公柔のごとく、相手が分かっていても一本背負いで勝つというのに匹敵する清清しさを感じるね(笑)。
さて、冒頭で書いたマイヨヴェール争いの話だが…
この11ステージでフースホフトからマイヨヴェールをもぎ取ったカヴェンディッシュ、しかしその後再びフースホフトに取り返されることになる。
というのも、マイヨヴェールに関わるポイントというのは、もちろん先頭でゴールすれば高得点なのだが、そうでなくてもそこそこの順位でも幾らかもらえる。
スプリントは最強でも、山では後塵を拝してしまうカヴに対し、フースホフトは後の山岳コースでもメイン集団に食い込み、しっかりポイントを地道に?稼ぐことも出来る選手なのである。
なもんで、今後も山岳ステージが多数控える中、カヴの方は緑のジャージへの道はちょっと遠い印象は拭えないのであるが…まあ華があるからいいだろ(笑)
結局、先週のステージも半端なところで終わってしまったが、今週の平日を何とか乗り切れたら来週末、頑張って書くとしよう。
まあ来週土曜はツール生放送に首ったけな予感満点だけどね…