ツール・ド・フランス2009、第21ステージが最終ステージとなる。
ただ、このステージはパリへ向かう道中、その後の凱旋門の前を通る周回コースを含め全てド平坦。
順位の差がほぼつかない(余程でない限り集団スプリントとなる)性質上、前日のモンヴァントゥで総合トップをキープしたコンタドールのマイヨジョーヌは動かず、山岳・ポイント・新人の各賞も今回はほぼ確定済の状況でのスタートとなった。
ということで、最初は本当にパレード走行という感じ、チームに関係なく色んな選手が色んな選手と自転車の上で談笑したり(それこそコンタドールとアンディ・シュレックも仲良うしゃべったりしてた)、時折デジカメでカメラマンを逆撮影したり、何か色々やりつつも和やかに集団はパリへと向かう田舎道を走り抜けていった。
印象的だったのは、3年のブランクを経て復活、見事総合3位となったランス・アームストロング。
実はツール開催中、彼が来年自らがチームを立ち上げるという話が発表になった。
そんな事情を知り、ランスはポイント賞を勝ち取ったトル・フースホフトと談笑しているのを見ると、何かフースホフトがスカウトされているような気が…?
一方、我らが新城・別府の両日本人選手もこれまでの厳しい20ステージをくぐりぬけ、日本人として初となるツール・ド・フランス完走に向けて歴史的なランを続けていた。
時折、国際映像で二人のツーショットが映し出され、何となくホクホクしてしまう。
だが、彼らの活躍はこれで終わった訳ではなかったのだ。
さて、ランスがいろんな選手に「来年俺も雇ってくれよ」と話しかけられたり!?しているうちに、いよいよ大集団はパリの周回コースに突入。
シャンゼリゼ大通の周回コース、まずは王者の貫禄を見せつつ、アスタナの集団が先頭で走る。
しかし、程なくしてポツラポツラとアタック合戦がスタート。
ここで、一人…スキルシマノのジャージをまとった男が飛び出した。
彼こそが誰あろう別府史之。
誰もがまさかと思ったろう。しかし、彼はやってくれた!
別府選手はじめ7人の選手が、集団から飛び出し、逃げ集団が形成。
とりあえず無難に完走したいアスタナ、あくまで最後にスプリントに持ち込みたいため焦って追いかけたくないコロンビア・ハイロードなど集団先頭チームの思惑も絡み、まずは逃げ容認という形となった。
この周回コース、実はポイント賞地点が2箇所(2回といった方がいいのか)設けられている。
で、このうち一つ目のポイント賞、逃げ集団の中で別府は踏ん張り、見事2位通過…![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/abanzai.gif)
ただでさえ、初の日本人完走という快挙を成し遂げつつある中、そこで更にここまでやってくれるとは…別府選手の話はエピローグがてら次回書こうと思っている。
凱旋門を背に、ド真っ直ぐのシャンゼリゼ周回コース、怒涛の大集団を背に果敢に走る7人の男達。もちろんその中には別府選手も。
こんな素晴らしい光景を、最後に観られるとは思わなかった。
結局、別府たちは最後には集団に吸収されたが、このステージで別府選手は敢闘賞が授与された。
毎ステージ、敢闘賞をもらった選手は表彰されるものなのだが、最終ステージだけは全体通しての敢闘賞のみ表彰されるらしく、別府選手は表彰台に上ることは叶わなかった。
だが、いつか彼はきっとツールの表彰台に立つ日が来るだろう。表彰台はその時までお預けということにしとこう。
最後の周回、今度は新城選手が集団の先頭に食い込み、いよいよ今年のツール最後のゴール前!
あ…ここで最終列車が発車![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/b_face2_shock_m.gif)
何と何と、最終コーナーで対抗するガーミン・スリップストリームの選手を前で抑え、マーク・カヴェンディッシュが圧倒的なスプリント力でゴール…
当観戦記でも何度も取上げたカヴ、最終的に今ツール6勝という物凄い結果を残した。
新城選手は惜しくもこのステージ20位、しかし彼もまた最後までツールで勝負する心意気を見せてくれた。もう「出ただけ」などとは誰一人思わせない二人のサムライの活躍に、心から拍手を送りたい。
そして。
数々のドラマの末、ツール・ド・フランス個人総合優勝、アルベルト・コンタドール。
彼が今後、どんな活躍を続けていくかは分からない。
だが、今回王者の貫禄みたいなものも見せ付けた彼は、これからのロードレース界を引っ張っていく人物の一人となるのは間違いないと思う。
また、他の選手達もこれからこの経験を基に、様々なレースで活躍を続けていくのだろう。
ロードレースの歴史という大局としての「ツール」は、まだまだ続いていくのだ。
最後に。
俺は、今回初めてツール・ド・フランスというものをテレビごしながら3週間にわたり毎日チェックしてきた。
何だか、彼らの長かった旅に付き合い、自分もちょっとした旅をしてきたような感覚を覚えた。カロリーはそれ程消費してないけど…
この観戦記で、類稀なスポーツ競技、ツール・ド・フランスのことを誰かに少しでも伝えることが出来たのであったらよいな。そんなことを思いつつ、ヤパーリ1ヶ月引っ張ってしまった当シリーズにひとまず幕を下ろそう。
次回は一応ツール絡みながら、別の角度のお話をするつもり。
ただ、このステージはパリへ向かう道中、その後の凱旋門の前を通る周回コースを含め全てド平坦。
順位の差がほぼつかない(余程でない限り集団スプリントとなる)性質上、前日のモンヴァントゥで総合トップをキープしたコンタドールのマイヨジョーヌは動かず、山岳・ポイント・新人の各賞も今回はほぼ確定済の状況でのスタートとなった。
ということで、最初は本当にパレード走行という感じ、チームに関係なく色んな選手が色んな選手と自転車の上で談笑したり(それこそコンタドールとアンディ・シュレックも仲良うしゃべったりしてた)、時折デジカメでカメラマンを逆撮影したり、何か色々やりつつも和やかに集団はパリへと向かう田舎道を走り抜けていった。
印象的だったのは、3年のブランクを経て復活、見事総合3位となったランス・アームストロング。
実はツール開催中、彼が来年自らがチームを立ち上げるという話が発表になった。
そんな事情を知り、ランスはポイント賞を勝ち取ったトル・フースホフトと談笑しているのを見ると、何かフースホフトがスカウトされているような気が…?
一方、我らが新城・別府の両日本人選手もこれまでの厳しい20ステージをくぐりぬけ、日本人として初となるツール・ド・フランス完走に向けて歴史的なランを続けていた。
時折、国際映像で二人のツーショットが映し出され、何となくホクホクしてしまう。
だが、彼らの活躍はこれで終わった訳ではなかったのだ。
さて、ランスがいろんな選手に「来年俺も雇ってくれよ」と話しかけられたり!?しているうちに、いよいよ大集団はパリの周回コースに突入。
シャンゼリゼ大通の周回コース、まずは王者の貫禄を見せつつ、アスタナの集団が先頭で走る。
しかし、程なくしてポツラポツラとアタック合戦がスタート。
ここで、一人…スキルシマノのジャージをまとった男が飛び出した。
彼こそが誰あろう別府史之。
誰もがまさかと思ったろう。しかし、彼はやってくれた!
別府選手はじめ7人の選手が、集団から飛び出し、逃げ集団が形成。
とりあえず無難に完走したいアスタナ、あくまで最後にスプリントに持ち込みたいため焦って追いかけたくないコロンビア・ハイロードなど集団先頭チームの思惑も絡み、まずは逃げ容認という形となった。
この周回コース、実はポイント賞地点が2箇所(2回といった方がいいのか)設けられている。
で、このうち一つ目のポイント賞、逃げ集団の中で別府は踏ん張り、見事2位通過…
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/abanzai.gif)
ただでさえ、初の日本人完走という快挙を成し遂げつつある中、そこで更にここまでやってくれるとは…別府選手の話はエピローグがてら次回書こうと思っている。
凱旋門を背に、ド真っ直ぐのシャンゼリゼ周回コース、怒涛の大集団を背に果敢に走る7人の男達。もちろんその中には別府選手も。
こんな素晴らしい光景を、最後に観られるとは思わなかった。
結局、別府たちは最後には集団に吸収されたが、このステージで別府選手は敢闘賞が授与された。
毎ステージ、敢闘賞をもらった選手は表彰されるものなのだが、最終ステージだけは全体通しての敢闘賞のみ表彰されるらしく、別府選手は表彰台に上ることは叶わなかった。
だが、いつか彼はきっとツールの表彰台に立つ日が来るだろう。表彰台はその時までお預けということにしとこう。
最後の周回、今度は新城選手が集団の先頭に食い込み、いよいよ今年のツール最後のゴール前!
あ…ここで最終列車が発車
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/b_face2_shock_m.gif)
何と何と、最終コーナーで対抗するガーミン・スリップストリームの選手を前で抑え、マーク・カヴェンディッシュが圧倒的なスプリント力でゴール…
当観戦記でも何度も取上げたカヴ、最終的に今ツール6勝という物凄い結果を残した。
新城選手は惜しくもこのステージ20位、しかし彼もまた最後までツールで勝負する心意気を見せてくれた。もう「出ただけ」などとは誰一人思わせない二人のサムライの活躍に、心から拍手を送りたい。
そして。
数々のドラマの末、ツール・ド・フランス個人総合優勝、アルベルト・コンタドール。
彼が今後、どんな活躍を続けていくかは分からない。
だが、今回王者の貫禄みたいなものも見せ付けた彼は、これからのロードレース界を引っ張っていく人物の一人となるのは間違いないと思う。
また、他の選手達もこれからこの経験を基に、様々なレースで活躍を続けていくのだろう。
ロードレースの歴史という大局としての「ツール」は、まだまだ続いていくのだ。
最後に。
俺は、今回初めてツール・ド・フランスというものをテレビごしながら3週間にわたり毎日チェックしてきた。
何だか、彼らの長かった旅に付き合い、自分もちょっとした旅をしてきたような感覚を覚えた。カロリーはそれ程消費してないけど…
この観戦記で、類稀なスポーツ競技、ツール・ド・フランスのことを誰かに少しでも伝えることが出来たのであったらよいな。そんなことを思いつつ、ヤパーリ1ヶ月引っ張ってしまった当シリーズにひとまず幕を下ろそう。
次回は一応ツール絡みながら、別の角度のお話をするつもり。