犬猫奮戦記

困っているのに笑っちゃう!









  

入院休暇

2007-05-08 | 犬猫奮戦記
(第103話)
予てから調子の悪かった左足の外反母趾をこの連休中に手術する事になっていた。担当医から「たいした手術ではない」と聞かされていたのだが、予想に反して9針程度の切開・縫合3箇所(状況によって異なるらしい)の痛み、腫れ、傷跡と広範囲の青アザ・・を見て、初めて事の大きさを知った。
何しろ、脚の甲で扇状になっている5本の骨の要の部分近くで親指の骨を切断して形を整える為に二本の金属を入れて支えているのだから痛くない筈は無い。
全治2~3ヶ月の決断が出来たのは己の無知からであった。
ただし、年間300例もの外科手術に慣れた実力のある先生であるとの評判に信頼を強め、安心して「まな板の鯉」になれた事は幸せだった。
看護婦さん他スタッフの行き届いた配慮はこの院長の姿勢であろう。
お食事の美味しさも毎日の楽しみだったが、栄養士さんとの雑談から「食事も治療の一端だから美味しくて安全なものを・・」との院長の指示だという事を知った。
入院施設の使用料も安価で申し分ない事を入院患者が異口同音に感激していたとは素晴らしい事だった。
どこの病院かって? 新浦安整形外科という病院です。

痛みが緩和されるに連れて、家に残した犬猫達のストレスが気になってきた。
やはり本年初の脱走や網戸壊しが始まったらしい。犯人は勿論サムとナツ。

松葉杖に頼りきって一週間後、左足をビニール袋で被いながらシャワーの許可がでた。嬉しくて慎重に左足をかばいながらシャワー室で久しぶりに勢いよくシャワーをかけた途端に・・・あ~れ~・・右足にいつも片方だけ履いているスリッパを脱ぐのを忘れていた。当然ビッショビショである。
どうやって部屋まで帰ろうか・・・折角きれいになった素足で廊下を歩きたくないし、びしょ濡れのスリッパで歩けば、濡れた廊下で誰かが転倒でもしたら大変だ。
看護婦さんは20分後に迎えに来る事になっているので当分は来ない。
仕方なく、ポツンと椅子に座って誰かが廊下を通るのを待つことにした。
こんな時には誰も通らない・・・。しばらくして、担当外の看護婦さんが通過したのに変だと思ったらしく戻ってきて「何してるの?」と。
事情を話してたらクスクス、ゲラゲラ。
そして、私の部屋から、もう片方のスリッパを持ってきてくれた。
ただし、患者の情報は他の看護婦さんにもしっかり伝っわったらしく度々ゲラゲラ笑われた。日毎の僅かながらの回復と共に松葉杖も一本だけに頼る練習に入った。
洗髪室に行っては帰りに松葉杖を忘れ、トイレにも忘れて来くる。
「そうだ!無い!」と気付いて部屋から飛び出した時には誰かがドアの外に届けて下さっている。
9日目に松葉杖から普通の杖を使う練習に入った。痛み止めを飲み続けているからあまり痛くないのである事も忘れて杖をやっぱり忘れたりする。
「あれ!無い!」と気付いて部屋を飛び出すと、又看護婦さんが「届いてますよ」と杖を持ってきてくださる。
「元気なのは結構だけれど、調子にのると後で痛むから気をつけてね」と言われ、度々忘れるので、ついでに「認知症にもきをつけてね」と、笑われてしまった。

10日ぶりにようやく退院。帰宅途中の街路樹が僅か10日とは思えない程新緑を濃くして迎えている様で嬉しくなった。
家に着いた途端にマップちゃんの異様な長鳴き、続いて愛ちゃんもサムも・・・。みんな待ちくたびれて興奮しているらしい。
いつもと違って鳴いているのにピタリと張り付かないのは、主人への警戒心が癖になってしまったのだろうか。

主人も言う事を聞かない猫に振り回されたらしく、テーブルの上には新聞紙を丸めて作った猫叩きの筒が置いてあった。ロビンが散歩にさそっても直ぐに行こうとしないからと「さっさと行かないと行ってやらないぞ!」などと言って脅したりしていたが・・あれではヤクザだ。
「縦社会の部下じゃあるまいし、権力で命令しようなんて動物には通じない。心から信頼しなければ言う事なんて聞かないのよ。」と言いたいところをグッと我慢。

主人も慣れない生活で大変だったとは思いながらも、「タオルを持ってきて~」と頼めばトイレ用のタオルなんか持ってきて・・それで顔なんか拭けますか・・。
小豆のアンコが大好きな私だから「柏餅を買ってきて」と頼んだら、白アンのピンクの柏餅なんか買ってきたりして・・・無ければ買わなければよいものを、好きでもないお団子を3個も食べさせられたりして・・。
彼のピントがズレていても「ありがとう」と、ジッと我慢の病人でした。

昨日、未だ靴の履けない私の為に介護用の靴を探しにアチコチに車椅子で連れて行ってくださった友人の思いやりに感謝したり、反省したり、元気の重さをしみじみと感じながら貴重な経験をした日々でした。
今日は猫達も又元のベタベタ甘ったれに戻って一安心。
又、楽しいお話がお伝えできる事を願っています。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿